和食は健康と言われてるけどなぜ健康なのか?そもそも本当に健康なのか?と疑問に思うことがあると思います。結論から言うと和食は健康的と言えます。
その大きな理由に、和食には健康的な食材が多く、栄養バランスの良い献立を作りやすい。カロリーが控えめという2つの理由があります。
本記事では健康的である理由を紹介していきます。
また、和食は健康的といっても完璧ではなく、塩分過多になりがちだったり、カルシウムが不足しがちという弱点もあります。そんな弱点を補うための工夫も紹介しますので是非最後までご覧ください。
目次
1.和食が健康によい2つの理由
和食が健康によい理由は2つあります。
1つ目は和食には健康的な食材が多く栄養バランスのよい献立を作りやすいという理由、2つ目はカロリーが控えめだからという理由です。
1章ではその2つの理由について解説します。
1-1.和食によく使われる食材は5大栄養素をまんべんなく含む
和食に良く使われる食材には、人間の生命維持に欠かせないとされる、5大栄養素(炭水化物、脂質、タンパク質、ビタミン、ミネラル)を含む食材が豊富です。
例えば和食でよく使われる食材を例にすると、
米は炭水化物、焼き魚は脂質・タンパク質、味噌はタンパク質、漬物はビタミン、わかめなどの海藻はミネラルというように5大栄養素がそろいます。
さらに、和食には栄養バランスのよい食材を選ぶのに助けとなる「まごわやさしい」という考え方があります。
「まごわやさしい」とは、それぞれ栄養面に優れている和食の伝統的な食材の頭文字をとったもので、その食材とそれに含まれる主な5大栄養素は以下のようになります。
食材名 含まれる5大栄養素
- ま:まめ 豆製品 タンパク質
- ご:ごま ごまなどの種実類 脂質 タンパク質
- わ:わかめ 海藻類 ビタミン ミネラル
- や:やさい 野菜類 ビタミン
- さ:さかな 魚類 タンパク質 脂質
- し:しいたけ きのこ類 ビタミン ミネラル
- い:いも イモ類 ビタミン ミネラル
上記の食材は実際に和食に使われることが多いです。なので、5大栄養素をすべて含む食材を選ぶことができます。
コラム:和食の栄養バランスを支える「一汁三菜」とは!?
「一汁三菜」とは一点の汁物と主菜が一点、副菜が二点の合計三点のおかずと主食が含まれる献立のことをいいます。(下図のように加えて漬物がある場合もあります。
上図 一汁三菜の例
汁物とは味噌汁やお吸い物のことです。主菜は焼き魚のような魚料理などのメインのおかずのことです。副菜は酢の物やきんぴらごぼうのような野菜・海藻がメインのおかずのことです。主食はご飯のことです。
このように「一汁三菜」を参考にして献立を組むと自然と5大栄養素をバランスよく摂ることができます。
※一汁三菜については別の記事がありますので、より詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
1−2.カロリーが控えめ
カロリーを過剰にとると、肥満、糖尿病、高血圧といった生活習慣病に繋がってしまいます。なので、カロリーを出来るだけ抑えた食事をすることが大切です。
そこで、カロリーの節制に一役買うのが和食になります。
和食の調理法は、「茹でる」「焼く」「蒸す」「生」など油を使わずに料理されるものが多いです。そのためカロリーが控えめの料理が多いです。
例として、和食のメニューのカロリーを見てみましょう。
ごはんは156kcal、あさりの味噌汁は23kcal、鮭の塩焼きは118kcal、きんぴらごぼうは117kcal、わかめの酢の物は60kcal(各100gあたり)となり、合計で474kcalです。
次に洋食のメニューのカロリーを見てみましょう。
ごはんは156kcal、コーンスープが425kcal、ハンバーグが223kcal、シーザーサラダが133kcal(各100gあたり)となり、合計で937kcalとなります。
以上から、和食は5品、洋食は4品であるのにもかかわらず。467kcalも和食の方が低くなっています。
このように和食は非常にカロリーが控えめだということが分かります。
2.和食にある2つの欠点
和食は健康というイメージがありますが、和食にも欠点が2つあります。
それは、塩分過多になりがち、カルシウムが不足しがちという欠点です。
そこで、この章では和食のその欠点を補い、より健康的に楽しむためのコツを紹介していきたいと思います。
2−1.塩分過多になりがち
和食は塩分の多い醤油や味噌を使って味をととのえたり、漬物や梅干しなど塩分の多い食材が多くあります。そのため和食は塩分過多になりがちという弱点があります。
図.一日当たりの塩分摂取量目安と摂取量の実態
上図では、日本人の成人男性の塩分摂取量の目安は8g未満となっているのに対して、
実態は10g以上と目安を上回っており、さらに60代70代では11g以上となっているのが分かります。
ここで和食に含まれる塩分についてみていきましょう。
一食分程度の和食でみると、味噌汁(100g)1.38g、梅干し(一個)2.2g、たくあん(30g)1.3g、筑前煮(100g)1.1g、焼き鮭(100g)1.4gで合計7.38gとなります。
これと同じようなメニューが3食となると22.14gとなり、20代の男性の目安塩分接種量の2倍以上にもなってしまいます。
実際問題として和食の塩分接種量が多く、日本人は塩分過多になりがちといえるでしょう。
そのため、使う食材は減塩の物を使ったり、塩分の多い汁物、麺類のスープ、漬物、干物、加工食品、保存食といった食材の使用量を制限するといった工夫をし、塩分の摂取量を減らすことが大切になります。
例えば味噌なら大さじ1あたりの塩分量は18g減塩味噌では大さじ1あたり1.2gとなります。醤油なら大さじ1あたりの塩分量は2.6g減塩醤油なら大さじ1あたり1.5gとなります。
このように、減塩の食材を使うことによっても塩分の摂取量を抑えることができます。
他にも醤油やみそなどの塩分の多い食材を使って味をととのえなくても、鰹や昆布などでとった出汁を使って作ることにより、うま味が取り入れられ十分に味のついた和食を作ることが出来ます。
また、出汁だけではなく、酢やスダチ、柚子などの柑橘類も塩分を気にせず味付けに使うことが出来ます。なので、副菜には酢の物を採用したり、メインの魚料理に大根おろしと少量の醤油それからスダチを絞ったりすることによって、塩分控えめでもおいしく満足度の高い和食となります。
※参考として以下の記事にて和食に含まれる塩分について紹介したものがあるので是非参考にして下さい。
和食は塩分が高め!その理由と減塩のコツを徹底解説 (kobayashi-foods.co.jp)
2-2.和食に足りないカルシウムを取り入れよう
基本的に和食は、献立を上手に組むことで栄養バランスのよい食事をすることが出来ます。しかし、和食には乳製品が使われているものが少ない為、カルシウムが不足しがちと言われています。
カルシウムの目安摂取量は20代男性で650mg、20代女性で550mgとされています
カルシウムが不足すると骨粗鬆症、高血圧、動脈硬化を引き起こす原因となってしまいます。
実際に和食に含まれるカルシウムを見てみましょう。
ごはんが9mg、鮭が20mg、味噌汁(汁のみ)が7mg、きんぴらごぼう46mg、玉子焼きが41mg
(各100gあたり)で合計123mgとなります。
仮に一食分がこの量だとすると3食でも20代女性の摂取目安である550mgにも届きません。
次にカルシウムが多いとされる食材を見てみましょう。
牛乳が110mg、ヨーグルトが120mg、煮干しが2200mg、小松菜が170mg(各100gあたり)となります。
特に煮干しはカルシウム量が多く、出汁や煮干しの田作りとしても食べられるので和食との相性もよくおすすめです。
他にも、乳製品であれば料理に牛乳を使ってみる、ヨーグルトを一品足す。また、カルシウムの多い食材として干しエビや、小松菜なども挙げられますので、こういった食材を積極的に使用して和食に足りないカルシウムを補っていきましょう。
3.まとめ
本記事で和食が健康である理由に、健康的な食材が豊富で健康的な献立を組みやすい、カロリーが控えめの2つがあることを紹介しました。
しかし、和食にも欠点があり、塩分過多、カルシウムが不足になってしまう傾向があります。
そのため、塩分を取りすぎないように味付けを工夫したり、カルシウム不足を補うため乳製品などカルシウムを多く含む食材を意識的に取り入れることが必要です。
以上のように和食は健康的ではありますが、完璧という訳ではありません。そのため、和食をより健康的に楽しむには、塩分過多やカルシウム不足に気を付けて和食の献立を作るようにしましょう。
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