野菜を切る時にどんな形で切れば良いか迷ったことはありませんか?
実は同じ野菜でも切り方を変えるだけで、味わいが変わることがあります。
これは切る繊維の向きと切る場所によって食感が変わるからなのです。
例えば、キャベツの千切りをする場合、
キャベツの葉先の部分はふんわりした食感なのに対し、キャベツの根に近い部分はシャキシャキとした食感といった具合です。また、縦に繊維を切るのか横に繊維を切るのかにもよって調味料の浸み込み方が変わり、味にも違いが出てくるのです。
ここでは、包丁を使った具材の切り方の種類と食材の切り方についてお話いたしますので、今日の料理の参考になれば幸いです。
ちなみに切り方の前段階として、包丁の持ち方も大切ですので、包丁の持ち方について書かれた記事を添付致しますので、合わせてご覧ください。
目次
1.包丁を使った具材の切り方の種類【基本編】
食材には様々な切り方があります。
これは、食材によって繊維の固さや向き、調理をする時の味付け方法の違いによって切り方を変える必要があるからです。食材の切り方を変えるだけで、味が浸み込みやすくなったり、食感が柔らかくなったりしますので、食材にあった切り方をすることをお勧めします。
1−1.輪切り
輪切りとは、切った後の形が車輪の様な形になっていることから輪切りと呼ばれます。
主に大根や人参などの根菜類や茄子・胡瓜などの丸い野菜を端から切っていく切り方です。切る厚みは料理によって変えていくことがポイントで、おでんに入れる大根を切る場合は厚め、漬物として大根を切る場合は薄めといった感じに切り分ける必要があります。
輪切りはおでんの具材や漬物などに用いる時に最適なカット方法です。
1−2.半月切り
半月切りは輪切りを半分にした形です。
半月切りも輪切りと同様に大根や人参などの根菜類や茄子・胡瓜などの丸い野菜を端から切っていく切り方です。切り方は、まず縦半分に野菜を切ってから切り口を下にし、今度は野菜の横側から均一の厚みで切っていきます。丸い野菜を半分にカットしてから切る形が、半月の形をしているため半月切と言われます。
半月切りは煮物料理や漬物、カレーなどを作る時に用いる切り方です。
1−3.いちょう切り
半月切りを更に半分にした形です。
切り方は、丸い野菜を縦半分に切り、更に半分に切り分けます。1本の野菜を4等分に分けるように切ることで切り口がいちょうの葉のような形になることからいちょう切りと言われます。
いちょう切りはカレーやシチュー、煮物料理などを作る時に用いますが、野菜が苦手なお子さんに野菜を慣れさせる時にこのカットをするのがおすすめです。
1−4.千切り
千切りは、野菜を端から細長く均等に切る切り方です。
キャベツの千切りの様にひとつの野菜を端から細長く切ることで、1つの野菜を1000まで切り分けるとのことから千切りと呼ばれます。
ポイントは厚みを均等に切ることで、食感を良くすることが出来ます。厚みは3mm以内を目安としましょう。
千切りは、キャベツや人参、大根などサラダ料理を作る時に用いる切り方です。
1−5.短冊切り
短冊切りは、七夕の短冊飾りの様に切る形です。
材料を小さな短冊の様に、薄く細長い長方形に切ることで、食材の見栄えと味の含みやすさが短冊切りの特徴です。実がしっかりとした根菜を使うと切りやすく、野菜以外にもこんにゃくの切り方として、料理に使われることもあります。
1−6.さいの目切り
さいの目切りは、サイコロの様に正六面体に切る切り方です。
根菜などの実がしっかりとした食材を厚みのある長方形に切り、その後、正六面体になる様、厚みを合わせながら切っていきます。
食材の食感がそのまま残りますので、スープ類や炊き込みご飯の具材の切り方として使われます。
1−7.小口切り
小口切りとは、ネギなどの細長い食材の端から切る切り方のことです。
小口とは端を意味する言葉で、端から切っていくという意味です。ポイントは厚みをそろえることで、見た目と食感が良くなります。
1−8.みじん切り
みじん切りとは野菜を細かく切り刻む切り方で人参や玉ねぎのみじん切りとして良く使われる切り方です。
食材を一度縦切りにし、その後1mmから2mm幅で細かく横切りにします。
ハンバーグなどの混ぜ込み用として野菜を切る場合に用いられます。
1−9.ささがき
ささがきとは、ごぼうなどの細長い食材に用いられる切り方です。
縦に切り込みを入れ、片手で食材を回しながら包丁で鉛筆を削るように薄く削ぐ切り方です。少しコツがいりますがやり始めは薄く削ぐことを意識すると上手に出来ます。
ささがきは切った形が笹の葉に似ていることからささがきと呼ばれます。
ささがきは、きんぴらごぼうを作る時に用いられる切り方です。
2.包丁を使った具材の切り方の種類【応用編】
食材の切り方は、包丁で直接食材を切る切り方と一度食材を切るもしくは剥く作業を経て、更に加工をおこなう切り方があります。例えばお刺身の付け合わせとして用いられる大根のツマ等です。
ここでは二次加工をおこなう食材の切り方を紹介します。
2-1 大根の桂むき(大根のツマ)
お刺身用の付け合わせとして良く使われるのが大根のツマです。
このツマの作り方は、大根を薄く剥いていく桂むきをおこない、その後、薄く細長く刻んでいきます。
大根の桂むきは薄く剥いていくのが重要で、桂むきの段階で厚く剝いてしまうと、口に含んだ時に固い食感となってしまいます。
大根を薄く剥いていきます。
上手になると薄く長く大根を剥いていくことが出来ますが、初めのうちは長さよりも薄く剥くことを意識した方が美味しいツマが出来上がります。
大根の桂むきが終わったら、1cm程度の厚みに重ね、厚くならないように注意しながら千切りをおこないます。
慣れないうちは厚めを1cm以下にし、包丁を細かく動かしながら刻んでいきます。
刻んだ後は水にさらし、使用前によく水を切ってから器に盛ります。
水にさらす際、水の温度が低いとシャキッとした食感になります。
2-2 針生姜
針生姜とは、生姜を大根のツマの様に薄く刻んだ切り方のことです。
煮魚料理の付け合わせとして用いられることが多く、煮タレの甘さを控えてくれる口直しとして料亭でも登場します。
針生姜は大根の桂むきと同じ作り方で作ることが出来ます。
生姜の皮をむき、生姜をゆっくりとスライドさせながら包丁を上下に動かします。ここでも長さにこだわる必要は無く、薄く剥いていくことが重要で、出来上がりの食感に違いが現れます。
2-3 白髪ねぎ
白髪ねぎは太ネギをネギの繊維に沿って薄く細く刻んだもので、白髪の様に白く髪の毛の様に細いことから白髪ねぎと呼ばれます。
白髪ねぎはラーメンに添えられていたり、牛丼、鍋料理にも登場する万能薬味です。食感はシャキシャキとしていて歯ごたえも良く、白い見た目も料理のアクセントとして盛も綺麗に見せてくれます。
ネギは白い部分が多い太ネギを選び、根っこの方から5cm目安でカットします。
その後、カットしたネギを縦置きにし、繊維に沿って切り目を中心まで入れます。
太ネギの白い部分だけを取り出し、繊維に沿って千切りをおこないます。
千切りしたネギはお水に10分程漬けて、使用する直前に水気を切ります。
3.包丁は押して切るのか?引いて切るのか?
包丁は切る食材によって、「押して切る」場合と「引いて切る」場合があります。
ここでは、この2種類の使い分けについてお話いたします。
3-1.固い食材や形が壊れにくいものは押して切る
包丁は食材を切る時に包丁と食材の摩擦によって食材に負荷を掛けて切っています。
このため、食材によって切り分けが必要となります。
食材が固い場合や、弾力がある食材に対しては、包丁の重さを上手に使いながら斜め前に押し出すように切る押切し切りが有効です。
野菜のカットや食材を細かく早く切り分ける千切りなどの固い食材や形が壊れにくいものは押して切ると覚えておけば良いでしょう。
3-2.壊れやすい食材は引いて切る
食材に弾力が無く、カット時に形が壊れてしまうような食材に対しては、引き切りを用います。
引き切りは包丁の付け根の部分から刃先に向けて包丁を手前に引くように切ります。この切り方は包丁をゆっくりと動かすことで食材への負荷が少なく、形が壊れにくい切り方です。
お肉やお刺身を切る場合やトマトを切る場合、お豆腐を切る時などに用います。
4.包丁の切り方に関するよくある質問とその回答
①洋包丁ってどんな包丁でどうやって使うの?
洋包丁は基本的に両刃となっており、右利き・左利きに関係なく使用できます。
両側から同じ角度で刃がついているので、どんな食材でも切りやすく万能包丁として一般家庭でも広く使われる包丁です。
②和包丁って使いにくいの
和包丁は洋包丁とは違い片刃となっています。
このため、基本的に右利き用の包丁として使われます。
片刃の特徴は食材に鋭く食い込むため切れ味が良く、お刺身を切る刺身包丁として良く使われます。
また、片刃は刃先が鋭利なため、食材に掛かる不可も少なく、刺身のツマとして使われる大根の桂むきも片刃でおこなうと薄く剥くことが出来ます。
洋包丁は万能包丁として使用することが出来ますが、和包丁は切る食材によって使い分けが必要ですので、使い始めはぎこちなさを感じるかもしれませんが、使い込んでいくうちになくてはならない包丁となっていきます。
②肉を切る時のおすすめの包丁はなに?
肉を切る時におすすめの包丁は洋包丁です。
なかでも「牛刀」は、肉切りのために作られた包丁ですので、肉のブロックを切る場合や肉の筋を切ったりするのに重宝されます。また、牛刀は別名シェフナイフとも呼ばれ、野菜や・魚・パンなども切ることが出来ます。しかし、固い食材には適してはいませんので注意してください。
③果物を切るのに適した包丁はありますか?
洋包丁・和包丁どちらでも果物を切ることが出来ますが、こだわりを持つならペティナイフを選ぶといいです。ペティナイフは小さめの包丁で、果物の皮むきやケーキに乗せる飾り切りなど、細かな作業に向いています。
5.まとめ
食材には様々な切り方があり、料理によって使い分けることで、うま味や彩を添えることが出来ます。
また、食材の性質に合わせ、押して切る「押しきり」や引いて切る「引き切り」を使い分けることで、食材の形を整え、見た目も美しく仕上げることが出来るのです。
今日の料理の時に食材の切り方を変えて、いつもより美味しい料理を作ってみてはいかがでしょうか。
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