そばが健康やダイエットに効果的な食品ということをご存じですか?
そばは、ルチンをはじめとしてビタミンB群やミネラルが豊富に含んでいる体に良い食品です。
また、白米と比較をすると、カロリーが低く、タンパク質を豊富に含んでいる食材です。
カロリーや炭水化物も量も少なく、太りやすさを示す指標にもなるGI値は54となっていて、白米の84と比較すると低い数字となっています。このことから、そばは、ダイエットに向いている食材ともいうことが出来ます。
この記事では、そんな体に嬉しい効果を持つそばが持つ栄養素を徹底的に分析します。
是非ご覧ください。
目次
1. そばに含まれる栄養素
そばは身体によい栄養素が豊富に含まれています。
そばの栄養については以下の通りとなっています。
(日本食品分析表8訂 等)
そばに含まれるその他の栄養素は以上の通りです。
比較のために白米の栄養素も記載します。
1.1 そばは低カロリー高たんぱく
白米と比べるとそばは以下の通りとなります。
白米と比較すると、カロリーと炭水化物が低く、タンパク質や食物繊維を豊富に含んでいる食材と言えることが出来ます。
具体的には、そば1杯のカロリーと炭水化物は白米の1/2杯~0.6杯程度。一方で、食物繊維の量は、白米の5杯。たんぱく質は、白米の1.5杯分となっています。
また、ルチンというポリフェノールの1種も豊富に含んでいます。ルチンを含む食品は穀物の中ではそばだけです。その他の栄養素を見ていくと、ビタミンB群、カリウム、マグネシウム、リンといったミネラルも多く含むことが分かります。
これらの成分は、私たちの身体に必要な栄養素です。2章でこれらの栄養素について詳しく説明をしていきます。
そば屋では、そば湯を提供してくれるお店もあります。このそば湯には、茹でる際に流出した栄養素が含まれているので飲むことをお勧めします。
2. そばに豊富に含まれるカラダに良い栄養素
1章では、そばに含まれる栄養素について紹介をしてきました。
ここからは、そばに豊富に含まれている栄養素について、その効果紹介していきます。
2.1 毛細血管の働きを強化するルチン
ルチンはポリフェノールの1種です。ポリフェノールとは果物、野菜、お茶など植物性食物に含まれる抗酸化作用(細胞の老化の原因となる活性酸素を作らせない、または無毒化する作用)を持つ化合物です。
ポリフェノールの仲間には、緑茶に含まれるカテキン、ブドウやブルーベリーに含まれるアントシアニン、大豆に含まれるイソフラボンなどがあります。
ここからは、ルチンの効果を紹介します。
① 血管を丈夫にする。
ルチンは弾力が減って損傷しやすくなった毛細血管を修復し、丈夫にします。
その結果、血液の流れを良くする(いわゆる血液サラサラにする)効能、血圧を下げる効能があります。
そのため、高血圧を防ぎ、脳卒中や動脈硬化の予防が期待できます。
② 老化を防ぐ。
ルチンには抗酸化作用があります。
そのため、老化を防ぐ効果があり、ひいては認知症の予防も期待されています。
③ ビタミンCの吸収を促進する。
ビタミンCは抗酸化作用があり、コラーゲン(細胞と細胞をくっつける働きをする)の生成を助けます。
そば自体にビタミンCは含まれていないので、それを多く含む大根と一緒に食べると効果的です。大根おろしはそばとの相性抜群で、すごく美味しいのですがそれだけでなく栄養面でも大変良いことが分かります。
2.2 疲労回復効果をもつビタミンB1
ビタミンB1には、糖質の代謝を促進する働きがあります。糖質は大切なエネルギー源ですが、ビタミンB1が不足すると糖質をエネルギーに変換しにくくなり、疲労の原因になる可能性があります。なので、ビタミンB1は疲労回復の効能があるとも言えます。
ビタミンB1は肉類、魚類、豆類などに多く含まれています。
これらの食品と比較するとその量は少ないですが、一般的な主食と比較をするとその量は多く含まれています。
2.3 肌や粘膜の健康を維持するビタミンB2
ビタミンB2は、主に皮ふや粘膜の健康維持を助ける働きをするビタミンで、糖質、タンパク質、特に脂質を体内でエネルギーにするなどの代謝を支える重要な働きをしています。
ビタミンB1が糖質の代謝に関わるのに対して、ビタミンB2は特に脂質の代謝を助け、皮膚や粘膜、髪、爪などの細胞の再生に役立ちます。
活発に活動し、エネルギーをたくさん消費する人ほどビタミンB2はたくさん必要になります。
2.4 細胞の浸透圧を調整するカリウム
カリウムはミネラルの1種です。その効能は、ナトリウムと共に細胞の浸透圧を正常に保つ働きをします。
ナトリウムを摂りすぎると血圧上昇につながりますが、カリウムは腎臓でそれの再吸収を抑制して尿として排泄を促進するため、血圧を下げる効能があります。
2.5 タンパク質の合成をするマグネシウム
マグネシウムもミネラルの1種です。その効能は、たんぱく質の合成、神経伝達を正常に行う、筋収縮を正常に行う、などがあります。
したがって、マグネシウムが不足すると筋肉のけいれんが起きやすくなるのです。
2.6 骨や歯の発達を助けるリン
リンもミネラルの1種です。その効能は、カルシウムと共に骨や歯の正常な発達に欠かせなく、細胞膜の構成成分になるなどがあります。
不足すると、脱力感などが知られていますが、リンを含む食品は多く、不足する心配は少ない成分です。
2.7 エネルギーの源のたんぱく質
タンパク質は炭水化物・脂質とあわせて三大栄養素と呼ばれています。人間の筋肉や臓器、体内の調整に役立っているホルモンの材料となるだけでなくエネルギー源にもなっている必要な栄養素です。主にアミノ酸によって構成されています。
タンパク質は、アミノ酸や、アミノ酸がつながったペプチドに分解されて体に取り込まれたあと、必要なタンパク質へと再形成されます。
人間の体重の約5分の1を占め、血液や筋肉を構成する大切な成分です。
エネルギー源としても欠かせず、生きていくうえで積極的に摂り入れなければならない栄養素となっています。
2.8 腸内環境を改善する食物繊維
水溶性食物繊維も不溶性食物繊維もどちらも体内には吸収されませんが、健康のためには重要な役割を果たしており、第六の栄養素ともいわれ注目されています。
水溶性食物繊維は、水に溶けやすく、水に溶けるとゼリー状になります。
小腸での栄養素の吸収の速度を緩やかにし、食後の血糖値の上昇を抑える効果があります。また、コレステロールを吸着し体外に排出することで血中のコレステロール値も低下させます。さらに、ナトリウムを排出する効果もあるので、高血圧を予防する効果もあります。
食物繊維は低カロリーで肥満の予防にもなるので、糖尿病、脂質異常症、高血圧、動脈硬化など、さまざまな生活習慣病の予防に効果があります。
水に溶けにくい不溶性食物繊維は、水分を吸収して便の容積を増やします。便が増えると、大腸が刺激され、排便がスムーズになります。また、有害物質を吸着させて、便と一緒に体の外に排出するため、腸をきれいにして大腸がんのリスクを減らしてくれます。
3. そばがダイエットに向いている4つの理由
ここまでは、そばに含まれる栄養素について紹介をしてきました。
ここからは、そばがダイエットに向いていると言われる3つの理由について紹介をしていきます。
3.1 低GI値
GI値とは食品に含まれる糖質の吸収度合いを示し、摂取2時間までの血液中の糖濃度を計ったものです。
GI値が高い食品は急激に血糖値を上げます。反対に低い食品は血糖値を上げにくいのです
急に血糖値が上がると、インスリンが分泌され血糖値を下げようとします。そうするとすぐにお腹が空いてしまい、間食をしやすくなってしまうのです。反対に低い食品は腹持ちが良く、満腹感が長く持続されるのです。このことから、GI値が低い食品ほど太りにくいと言われています。
表からも分かるように、そばは、私たちが普段食べている主食の中で一番GI値が低い食材ということが分かります。
3.2 低カロリー
ダイエットに取り組む際カロリーコントロールは非常に重要です。
ダイエットは、摂取カロリー<消費カロリーとなることで、体重を減少させます。
ここでは、主な主食であるうどん、中華そば、ご飯、食パンと比較していきます。
うどんに次いで2番目にカロリーが低いことが分かります。
3.3 炭水化物含有量が低い
3.2の表を参考にすると、そばはうどんに次いで、2番目に低い数値です。
「炭水化物は太る」とよく言いますが、炭水化物は糖質と食物繊維で出来ていて、太るとは厳密に言うと糖質によるものです。
糖質だけに注目すると、
中華麺26.4g>そば23.1g>うどん20.3gとなり、うどんと中華麺の間に位置します。
3.4 たんぱく質が豊富
3.2と3.3を読むと、うどんの方が栄養素的には優れているのではないかと思う方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、そばにはダイエットの際に積極的に摂りたいたんぱく質が豊富に含まれています。
筋肉はたんぱく質でできています。ただ単に摂取カロリーを減らした食事だと、筋肉が分解され代謝が悪くなりダイエットの効率が悪くなってしまいます。
その為、ダイエットの際にたんぱく質の摂取は非常に重要です。
そばにはうどんの1.5倍以上のたんぱく質を含んでいる食材なので、ダイエットをする際には適した食材だと言えます。
以上、そばがダイエットに向いている4つの理由を紹介しました。
そばは、ご飯やその他の麺類と比べるとダイエットに向いている食材ということが分かったかと思います。
そばは劇的に体重を落とすものではありませんが、主食としてご飯の代わりにすることにより、体重を減少させることができる食材です。
そばをスーパーなどで購入する際は1点注意が必要です。スーパーなどで販売されているそばは、そば粉が30%以上配合されていればそばとして販売することが出来ます。その為、そば粉よりも小麦粉の方が多く配合されている場合もあるので注意が必要です。
ダイエットを目的としてスーパーでそばを購入する際には、原材料表示の欄を見て購入する必要があります。
4. まとめ
そばはルチンをはじめとしてビタミンやミネラルを豊富に含んでいる食品です。特にルチンは穀物ではそばだけに含まれているものです。
ミネラルやビタミンも主食となりうる食材との比較においては豊富に含まれています。ミネラルやビタミンは肉や野菜、果物にまで目を向ければ、当然そばよりも多く含んでいる食品はあります。
ご飯を食べる中で数回に1回そばに置き換えて、肉や野菜もバランスよく食べてみてください。きっと健康な体づくりに役立ちます。
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