ワインと和食は相性◎和食とのマリアージュを紹介

ワインって和食に合うのかな?

そう思ったことはありませんか?
和食に合うお酒といえば、日本古来からある日本酒や焼酎、日本のメーカーが作るビールも和食と相性が良いといえます。
一方で日本にワインブームが起こるなどワインの需要が増えてきた近年ですが、それは洋食に合わせるものというイメージではないでしょうか?

実はそんなイメージのワインですが和食にも合うんです。

ワインといっても赤、白、スパークリングと見た目も様々です。
またライトボディ、ミディアムボディ、フルボディと味わいもそれぞれ異なります。
さらにはぶどうの種類、産地や醸造家ごとにも異なる風味を持つことから、洋食であってもワインと料理には「相性」があります。そしてワインと和食の関係も同様で「相性」の良いワインに合う料理もあります。

この記事ではワインと料理の相性を表す言葉「マリアージュ」の基本的な考え方を説明し和食への応用法を紹介します。
またワインを大きく4種に分けてそれぞれのワインに合う和食を提案し、そしてそのなかから実際に私がワインと和食を合わせてみた感想を紹介します。

この記事を読んで和食とワインの合わせ方を学んでいただき、今日の夕飯からでも和食にワインを合わせてみてはいかがでしょうか?


1.「マリアージュ」の基本と和食への応用

ワインと料理の相性を表す代表的な表現に「肉系なら赤、魚介なら白」というものがあります。
これは脂ののった味の強い肉には同様の重厚な味わいの赤ワインが、淡泊で繊細な白身魚には同様に淡泊な白ワインが相性が良いからです。

このようにワインと相性の良い料理を合わせることを「マリアージュ」といいます。
このマリアージュには基本的な考え方があり、合わせる料理が和食であっても同じように考えることができます。
ここではマリアージュの基本的な考え方、和食へ応用を紹介します。

1-1.色を合わせる

ワインと料理の色合いをあわせる考え方です。
ワインには赤ワイン、ロゼワイン、白ワイン、オレンジワインと
色調、濃淡の様々なワインがあります。
このワインの色と料理の色を合わせる(近づける)と相性がよくなります。

和食でいえば醤油などで味付けされた色濃い料理なら赤ワイン、
塩などで味付けされた淡泊な色の料理なら白ワインという具合です。
見た目が合うことはもちろん、色の濃さや色調が近い料理とワインでは味の濃さや方向が近くなりがちなので相性が良くなる傾向があります。

1-2.風味を合わせる

ワインと料理の風味をあわせる考え方です。
ワインを形容する際にかんきつ系やハーブ、スパイスをイメージすることがあります。
この形容された風味のある料理とワインを合わせることでマリアージュが生まれます。

和食でもポン酢や柚子胡椒などかんきつ系の調味料を使用した料理が、かんきつ系の風味を持つワインと相性が良くなります。
山椒を使用した料理などもスパイスの風味のワインと相性がよいです。

1-3.味の重さを合わせる

ワインと料理の味の重さをあわせる考え方です。
味の重さとは味の濃さやコク深さで、これをワインと料理で合わせると相性が良いです。

和食でも肉料理や味付けの濃い料理にはフルボディのもの、野菜や淡泊な魚などさっぱりとした味付けのものにはライトボディが合います。

1-4.格を合わせる

料理とワインの格(値段)を合わせる考え方です。
リーズナブルな料理にはリーズナブルなワイン、高価な料理には高価なワインを合わせます。

同じ和食でも自宅での普段の食事などにはスーパーやコンビニで売られているリーズナブルなワインを合わせ、
会食などで豪華な和食を振る舞う際にワインを合わせる場合には、それなりの格のあるワインが適しているといえます。

1-5.産地を合わせる

ワインの産地である欧米では、その土地の料理にあったワインを生産することが多く、
日本でも国内ワインの産地(山梨県など)の料理に産地のワインを合わせるのもおもしろいです。
その土地の気候風土にあった素材を使用した料理、ワインはお互いに相性が良いといえます。

これらのマリアージュの考え方を基本として
それぞれの和食にあったワインを探すことができます。
次章ではワインの種類によって相性の良い具体的な和食料理を紹介します。


2.ワインの4つの種類から合う和食を選ぼう

ワインを4種類にわけ相性のよい和食料理を紹介します。
さらに、実際に私が和食と合わせた感想を紹介します。

赤ワインと白ワインをそれぞれライトボディとフルボディに分けました。
フルボディとはアルコール度数が高めで味わいも濃厚なワインです。
赤ワインなら渋みと甘味が深く、白ワインであれば果実味のある甘味が多いワインをフルボディといいます。
ライトボディはその反対でアルコール度数が低めでさっぱりとした味わいのワインです。

2-1.白のライトボディに合う和食

・刺身
・寿司
・天ぷら

味わいのさっぱりとした白ワインには色合いが淡く、あっさりした味付けの料理があいます。
欧米ではカルパッチョなどが合いますが、和食では刺身や寿司が素材の味わいを生かした魚料理で白のライトボディにあう代表的な料理です。
刺身も脂が少なく味わいも淡泊な鯛や平目などの白身魚が特に相性が良いです。
また衣の色合いが白系の天ぷらは白ワインに合います。
天ぷらにレモンをかけることがあるように衣の脂とかんきつ系の風味は相性が良いためかんきつ系の風味のある白ワインもおすすめです。
天ぷらは種(具材)が味わい深い魚介などの場合にはフルボディの白ワイン、色濃い牛肉などの場合には赤ワインも合います。


刺身にライトボディの白ワインを合わせて実食した感想です。
今回はほのかにかんきつ系が香るさっぱりとしたワインで合わせました。
赤身のまぐろやサーモンも合いますが、白身の鯛と平目との相性が抜群でした。
かんきつの香りがあるワインなので、同じかんきつ系のポン酢が合うような白身魚には特に相性がよいのだと思います。

2-2.赤のライトボディに合う和食

・焼きとり
・おでん
・煮魚

 渋みが穏やかで軽い味わいの赤ワインは淡い味付けの料理にあいます。
焼き鳥は白ワインにも合いますが、脂がほどほどの鶏肉は赤ワインにもよく合います。
また淡泊な味わいのおでんはその色合いも淡い赤ワインのライトボディとマッチします。
赤ワインのライトボディは白ワインにあう料理にも相性がよく、幅広い料理に合わせやすいといえます。


焼き鳥にライトボディの赤ワインを合わせた感想です。
脂がのったジューシーな焼き鳥は赤ワインの渋みと相性が良いと感じます。
タレ味はコクがあり赤ワインと相性よく感じ、塩味の焼き鳥は柚子胡椒をつけるとエスニックな風味がワインと合うように感じました。

2-3.白のフルボディに合う和食

・冷しゃぶ
・蒸し鶏

果実味の強い白ワインのフルボディはライトボディに比べてやや濃い目の味付け、コクのある料理にあいます。
豚肉を使用した冷しゃぶは肉料理のなかではさっぱりとしていて白ワインのフルボディと合います。
ドレッシングの風味をワインと合わせることでさらに相性が深まるでしょう。
また蒸し鶏も同様で肉自体は淡泊な味付けでも付け合わせやソースをワインと合わせることができます。
そして豚肉も鶏肉も加熱してともに淡い白系の色で白ワインとマッチしています。


冷しゃぶにフルボディの白ワインを合わせました。
ドレッシングの酸味とワインの酸味がマッチしていて自然と箸がすすんでいきました。
今回はロース肉とバラ肉で合わせましたが、脂ののったバラ肉も甘味と酸味の強いフルボディのワインなら味が負けることなく、相性よく感じました。
また料理とワインの色合いがマッチしていて食卓が明るくなります。

2-4.赤のフルボディに合う和食

・肉じゃが
・すきやき
・うなぎの蒲焼

濃厚な味わいと渋みが強い赤ワインは脂がのった濃い味付けの料理が合います。
醤油の含まれた色濃い調味料を使用した味の濃い、肉じゃがやすき焼きなどの煮込み料理が相性が良いです。
またうなぎの蒲焼も濃厚な味、脂と色合いで赤ワインのフルボディにぴったりです。
さらに山椒をかけることで風味が加わり、そのスパイス感のマッチした赤ワインを探して合わせることもお勧めです。
すき焼きやうなぎは高級品であれば、それなりの格のある熟成されたワインを合わせたいです。


とても豪華な組み合わせです。
濃厚な鰻の旨みに負けない重厚なワインを合わせました。
追加のたれをかけてもワインが負けることなく、さらに山椒をかけることで華やかな香りが口に広がり、そのあとに飲むワインからもスパイス感が引き立ちました。

今回4種の和食とワインを合わせてみて、ポン酢などのかんきつ系の香りや山椒、柚子胡椒などのエスニックな風味のあるスパイスがワインとなじみやすく、比較的合わせやすいと感じました。これらの香り、風味を上手に活用してマリアージュを楽しんではいかがでしょうか。


3.鰹だしの旨味成分と相性のよいワインがある

和食では「鰹だし」を使用して味付けされるものがありますが、この「鰹だし」と「ワイン」で相性が良いものがあります。

鰹だしは「イノシン酸」という動物性の食品に多く含まれる旨み成分を豊富に含みます。
また一部のワイン(ピノ・ノワールやスパークリングワインなど)には、植物性の食品にふくまれる「グルタミン酸」という旨み成分を豊富に含むものがあります。
実はこのイノシン酸とグルタミン酸は非常に相性がよく「旨みの相乗効果」とも呼ばれ、それぞれに含まれる旨みを引き立て7~8倍にも増して感じるようになるといわれています。
そのため鰹だしを使用した和食料理には旨み成分が多く含まれる一部のワインが適しているといえます。

なおきのこ類に含まれる「グアニル酸」という旨み成分もワインのグルタミン酸と相乗効果を発揮しますので、椎茸だしや具材にきのこを使った和食料理はワインと相性がよいでしょう。

一方で昆布だしにはワインと同じ「グルタミン酸」がメインとなっているので、旨みの相乗効果は見込めませんが旨みの方向が似ているためマッチしているとも言えます。ワインと相性のよいトマトソースにはグルタミン酸が豊富に含まれており、トマトのグルタミン酸がワインの旨みを強調します。

和食で活用されるだしの旨味成分をワインと合わせることでマリアージュが期待できます。


4.和食の料理酒としてのワイン

和食の料理酒(日本酒)をワインで代用することで、ワインに合う和食となります。
料理にワインを使うことでマリア―ジュの「風味を合わせる」ことにつながります。

料理酒の日本酒をワインで代用する場合にお勧めなのは辛口(ライトボディ)の白ワインです。
料理の味を邪魔しすぎず安価なものが多いのも辛口ワインの特徴で、料理酒に向いています。
肉じゃがに赤ワイン、貝の酒蒸しに白ワインなど料理酒の代わりに白ワインを使用した和食であればワインと相性がいいこと間違いなしです。


5.まとめ

マリアージュを理解すれば和食にあうワインを見つけることができます。
また伝統的な鰹だしは旨みを豊富に含んだワインと相性が良いため、だしにあうワインを探すのも面白いでしょう。
またワインを料理酒に代用することで和食がワインに合うようになります。

今日の夕飯からでも和食にワインを合わせてみてはいかがでしょうか?

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