料理に加えるとなぜか味が引き立つ「うまみ調味料」。
そんな使い慣れた「うまみ調味料」を切らしてしまったら困りますよね。
手軽に使え、少量でも料理のうまみが増すため、下ごしらえに使ったり味付けだけでなく出来上がった料理を食卓に並べてからも一振りしていただく方も多いのではないですか?
一般的にうまみ調味料とは、グルタミン酸・イノシン酸・グアニル酸などのうま味成分を水に溶けやすくした調味料です。
さとうきびやとうもろこしなどの農産物を発酵・加工してうま味成分を結晶化させてつくられます。
料理の良さを引き立てるうま味調味料の代用品はどのお宅の台所にも必ずあります。
ここでは作りたい料理に合わせたうまみ調味料の代用品の数々を料理のジャンル別に紹介します。
1.【ジャンル別】うま味調味料のおすすめ代用品10選
うま味調味料の代用品はたくさんありますが、作りたい料理によっては向き不向きがあります。例えば和食には鰹節のうま味があいますが、洋食では味わいがそぐわない場合もあるかもしれません。
和食は和食らしい、洋食は洋食らしく中華料理は中華の味わいになるような代用品を紹介します。
1-1 和食
そもそも和食は「鰹節」「昆布」からとっただしが料理の基本となります。鰹節や昆布の香りがよりいっそう和食らしい趣を醸し出します。
1-1-1 鰹削りパック
和食の基本だしは「鰹節」と言われるほど、定番中の定番。
うま味調味料の主成分であるイノシン酸を含みます。
だしを取るのが面倒な場合は削り節を電子レンジで30秒ほどチンして乾燥させ手で揉み、細かくして料理に加えます。量はパック入り1袋、2~5gが使い易いと思います。
1-1-2 昆布茶
昆布のうま味成分はグルタミン酸。昆布茶はすでに昆布が粉末状になっているので下ごしらえの時はもちろん、最後の仕上げにも使えます。
ひとつ注意すべき点は昆布茶には塩分が含まれています。
製品によって違いますが、塩分量は昆布茶の50%前後となっています。昆布茶に含まれる塩分を考えて使用量を加減し味付けをしてください。
1-1-3 だしつゆ
だしつゆには醤油や砂糖だけでなくうま味成分が入っています。そのためだしつゆだけでもうま味のある料理が作れます。
原料は醤油・鰹節・昆布・シイタケ・砂糖などです。製品によって味付や配合比は様々です。
製品に書かれている希釈率を参考に少しずつ加えていきましょう。
1-1-4 だしパック
だしパックは細かく粉砕した鰹節や昆布,シイタケなど8g程度をこし袋につめた製品です。
鰹節など以外にもうま味成分や塩分が入っているのがほとんどなので、素材の味を引き立て料理の味を調和させます。
特に煮物には効果的で2~4人分として1鍋に1パック入れてください。和食らしいバランスの取れた味わいが楽しめます。
1-2 洋食
洋食にも洋食にふさわしいうま味調味料の代用品があります。
たとえば洋風スープにかつおだしが入っていたら、鰹の香りにアレッ?となりますよね。洋食には洋食にあった代用品を使いましょう。
1-2-1 コンソメの素
肉や野菜から抽出したうま味を凝縮したのが「コンソメの素」。フランス料理をはじめ西洋料理の代表的なスープを調理するために作られた製品です。別名「洋風だし」
これを使えばスープはもちろんグラタン、パスタ、チキンライス、コロッケの具など洋風の料理なら何でもぴったり決まります。
基本量は固形タイプ1ケでスープ2人分・300㏄できます。
1-2-2 トマト
トマトは南アメリカ原産の野菜で16世紀にヨーロッパに持ち込まれました。特にイタリアなど料理のベースとして使われるほどトマトのうま味はヨーロッパでは親しまれています。
うま味成分としては「グルタミン酸」「アスパラギン酸」が豊富で肉や魚の料理には相性抜群です。
1-2-3 粉チーズ
牛乳から作られたチーズは「グルタミン酸」が豊富でうま味調味料の代わりに使えます。
塊のチーズ(ゴーダチーズなど)は他の食材とのなじみやすさに不安があるので、うま味調味料の代わりに使うのなら粉チーズがおすすめです。
日本ではパスタに粉チーズをかけることが多いですが、実はこのような効用があるからかもしれません。
1-3 中華
中華料理は4種類に大別され味の風合いには差はあります。その中で私たちが「中華料理」らしく感じられるのは鶏ガラなどでとった「清湯」(澄んだスープ)「白湯」(白濁したスープ)です。
うま味調味料の代わりに使ってこれらを簡単に作れる代表的な調味料や食材は以下の通りです。
1-3-1 鶏ガラスープの素
鶏がらスープというと中華料理を連想するほど中華料理との相性が良いです。
顆粒状の製品は適宜に追加できるのでチャーハンや中華丼などのあんかけ料理にぴったりです。
素材のうま味を底上げできる調味料です。
ただし、スープの素でもあるので塩味を確認しながら使ってください。
1-3-2 中華スープの素
鶏ガラスープに豚や牡蠣などを加え、より中華料理にふさわしい味わいに仕立てた中華スープの素です。「中華」と称せられるだけあってより中華料理らしい香りが加わり、仕上がりに差が出ます。
中華スープの素も顆粒状なので少し味が物足りないなというときもちょっと加えると断然コクが感じられます。
1-3-3 きのこ(椎茸など)
椎茸をはじめとするきのこ全般はグアニル酸・グルタミン酸などのうま味成分が豊富な食材です。きのこ類はうま味成分だけでなく独特の香りが強く、個性的な中華料理とよく合います。特に干したきのこ類は生よりうま味成分が増えていて戻し汁も捨てることなく使いましょう。
食べておいしくうま味が出るきのこは料理のメインにも副材にもなります。メニューに合わせてお使いください。
2. うま味調味料の代用品になる意外な食材2選
うま味調味料の代わりには意外な食材も使えます。要はその食材に「うま味」があるか?無いか?です。
いずれも塩を含みますので、他の調味料の量を加減してください。
2-1 キムチ・漬物
漬物好きの人はよくわかるかと思いますが、漬物は生の野菜と比較してうま味成分が驚くほど増えています。これは野菜に塩を加えて発酵させる過程で野菜に含まれる糖分を乳酸菌がうま味成分に変えていくのです。
漬物の漬け汁をしぼって細かく刻み、例えば炒め物や変わったところではカレーに入れても漬物のうま味と酸味が複雑な味を作ります。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/kasei/56/0/56_0_46/_article/-char/ja/
2-2 チリメン
チリメンもうま味調味料の代用として簡単に使えます。チャーハンや炒め物の具材、ドレッシングの風味付け、煮物の味だしとして一度使ってみてください。
*上記以外にもうま味調味料の代用品はいろいろあります。詳しくは下記サイトをご参照ください。
↓↓
「うま味倍増!イノシン酸・グルタミン酸・グアニル酸の相乗効果」
*
3. まとめ
いかがでしたか。うま味調味料のうま味とは様々な食品に含まれるうま味成分を化学的に作ったもので作り上げたものです。
実はうま味は身近な食品のほとんどに含まれています。違いはうま味の成分と量の多寡です。
うまみ調味料はおいしい料理を作るための手助けをしてくれますが、それだけに頼るのではなく食品が持つ本来のうま味を味わってみましょう。
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