あなたは、片栗粉の代用になるものを
お探しではありませんか?
片栗粉は、唐揚げはもちろんのこと、特にとろみがある料理には
必要不可欠です。
そんなあなたにまず知っていただきたいのが
「用途別に片栗粉の代用になるものがある」
ということです。
片栗粉を使用する主な目的は
- 衣をつける
- とろみをつける
- つなぎにする です。
それぞれの役割の代用品として
衣をつけるには「小麦粉」
とろみをつけるには「コーンスターチ」
つなぎにするには「小麦粉」
を使うのがおすすめです。
ご家庭にあるもので代用できるのでぜひ活用してみてください。
目次
1.「衣をつけたい場合」のおすすめ片栗粉代用品2選
衣をつけたい場合、小麦粉と米粉の代用が出来ます。
食材に衣を付けると、でんぷんが水分と共に加熱し、とろみのある糊状へ変化して食材を覆います。
でんぷんがトロトロの糊状へ変化する過程は「糊化」(こか)と言います。
糊化されることで、食材の表面にゆるい膜をコーディングさせます。
加熱していくと水分が蒸発し、サクサクの食感の衣になります
1-1.小麦粉
小麦粉は小麦を挽いて粉にした物です。
片栗粉は、ジャガイモから作られた粉で、でんぷん100%となります。
小麦粉は片栗粉と比べると、でんぷん以外にたんぱく質が8~12%を含まれています。
小麦粉のたんぱく質に加水すると粘り気と弾力のある「グルテン」という膜構造が作られます。
片栗粉の代用で、小麦粉を使って「衣」を作る場合は、まずグルテン膜が食材の表面をしっかりと覆います。
そして加熱していくと、片栗粉のようにでんぷんのゆるい膜が出来ます。
水分が蒸発していくと同時にグルテン膜が頑丈な膜となります。
しかし、グルテンが多すぎると、水分が蒸発しにくく、もっちりとした「重い衣」となりますので、グルテンの量が比較的少ない「薄力粉」を使いましょう。
グルテンの含有量は、「強力粉>中力粉>薄力粉」の順になります。
それでは、鶏の唐揚げを例にして、詳細をみてみましょう。
まずは、小麦粉と片栗粉を使って、鶏肉をまぶしていきます。
小麦粉は片栗粉より細かいので肉の身に付きやすい特徴もあります。
水と混ぜると、グルテン膜が生じることで、しっかりと鶏肉を覆うことが出来ます。
次に、出来上がりの見た目を見てみます。
片栗粉で作った鶏の唐揚げは、表面に白っぽく粒が残っています。
それは、片栗粉の粒が小麦粉より粗いからです。
小麦粉で作った鶏の唐揚げは、きつね色に仕上がりました。
最後に、食感と味についてです。
片栗粉で仕上げた唐揚げは、表面がサクサクとした軽い食感になります。
小麦粉で仕上げた唐揚げは、表面がカリッと硬く中がやわらかい食感になります。
小麦粉は、グルテン膜のおかけで鶏肉に付きやすく、旨味を逃さず閉じ込めてくれる効果が見られました。出来立ては美味しいですが、冷めてもジューシーでした。
以上のことから、小麦粉で作った「衣」は食感が違いますが、片栗粉の代用として十分できます。
1-2.米粉
小麦アレルギーやグルテンフリーにしたいのであれば、米粉での代用がおすすめです。
米粉は、お米を細かく砕いて粉末にしたものです。
上新粉、白玉粉、もち粉はすべて「米粉」です。
お米は、粒の状態(ご飯)で食べるのが主流ですが、近年、粉に加工し、グルテンフリーということで製めんや製パン等の食品業界に注目浴びています。
和菓子以外に西洋製菓にも人気があります。
片栗粉と比べると、でんぷんの他に20%ぐらいのたんぱく質と食物繊維が含まれています。
片栗粉の代わりに米粉を衣付けに使う場合には、基本的に片栗粉と同じ使い方で良いですが、
米粉を水に入れるとすぐに沈んでしまうので、調理する直前にまぶした方が良いです。
また、たんぱく質と食物繊維含まれているので、加熱する時は焦げやすくなる事があるので注意が必要です。
最後に、米粉の粒は細かいほどキレイに仕上げるので、細かいタイプの米粉がお勧めです。
2、「とろみをつけたい場合」のおすすめ片栗粉代用品2選
とろみをつけたい場合、コーンスターチと葛(くず)粉が代用できます。
片栗粉でのとろみ付けは、片栗粉のテンプンが水を吸って膨張し、加熱していく過程で粘度が生じます。
目的は、食材と調味料を絡みやすくするためです。
味を均一的に食材へ絡めたい時にとろみをつけます。
その代用品として、一番おすすめなのは「コーンスターチ」です。
2-1.コーンスターチ
コーンスターチはトウモロコシのデンプンから作られているもので、片栗粉と似た性質を持っています。
とろみを生み出す成分であるアミロースを多く含んでいます。
特に、冷たくなっても粘性が保てるのが特徴です。
そのため、カスタードクリームなどの冷たいものにとろみを出す時にも向いています。
2-2.葛(くず)粉
葛粉は、葛の根を粉砕し、水にさらしてでんぷん質を沈殿させ、日陰で乾燥した粉です。
水にさらしてでんぷん質を分離する作業は何度も繰り返し、非常に手間をかけた粉です。
値段も片栗粉と比べると少し高くなります。
それでは、片栗粉、コーンスターチ、葛粉で作った餡(あん)を見てみましょう。
作り方は、粉と水を1:1の割合で溶かします。
そして、水を追加してよく混ぜた後に攪拌しながら加熱します。
最後に、とろみが出ましたら火を止めて完成です。
まず、餡の色を確認しましょう。
片栗粉は精製されたでんぷんなので、一番透明度が良い物です。
コーンスターチは、熱いままだと半透明ですが、冷ますと白濁化が進んでいきます。
葛粉は、半透明となりますが、葛の根の色は少し残っています。
次に、それぞれのとろみを見てみましょう。
片栗粉は、スプーンに吸い付くような強い粘りが現れます。
コーンスターチの粘度は片栗粉に比べて低いですが、温度が下がっても持続します。
ソースのようなとろみでした。
更に、冷たくしたときに強い粘性を生み出すことが出来ます。
葛粉は滑らかな口当たりとなります。
最後に、実際に調味料と混ぜてみます。
だしと醤油を混ぜたところ、実際に料理に使うと気にならない程度の差でした。
その中でも、葛粉のデンプンはかなり片栗粉のデンプンに似ていて、とろみ成分としてアミロースだけでなくアミロペクチンも豊富です。
そのため、色も粘度も一番近いものとなります。
料理の仕上げを重視するなら、葛粉が一番良いです。
しかし、家庭にあるものとしては、「コーンスターチ」がおすすめです。
3.「つなぎとして使いたい場合」のおすすめ片栗粉代用品
つなぎとして使いたい場合、小麦粉が出来ます。
片栗粉は、加水によるでんぷんの加熱で生まれた粘性を利用して、つなぎとしての役割を果たしています。例えば、レンコンもちです。もちもちの食感が楽しめます。
つなぎとしての役割を果たす代表的なアイテムが小麦粉です。
同じ粉類で形状が似ているため、片栗粉と使い方は同じです。テンプン質の含有量も高いです。
しかし、混ぜすぎると、グルテンの粘りで、食感が固くなってしまうので注意が必要です。
小麦粉の吸水性は片栗粉より優れていますので、添加量を減らしてでも良いです。
例えば、片栗粉を10g使用する場合、小麦粉は8gで良いでしょう。
4.まとめ
今回おすすめした「片栗粉がない時の代用品」の共通点としては、「でんぷん質を含有していること」です。
加水し、でんぷん質を加熱することによって、食材の衣付け・とろみ付け・食材同士のつなぎとして使用できます。
特に、小麦粉やコーンスターチは料理以外にお菓子作り等にも使えますので、多くの家庭にあるものでしょう。片栗粉の代用品にも良いですが、場合によって片栗粉と併用することも可能です。
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