鰹節でだしをとって簡単に美味しい味噌汁を作るための4つのポイント

「だしパックばかり使わずに、たまには鰹節からダシを取って美味しい味噌汁を作りたいなぁ、でも手間がかかるし難しいのかなぁ」とためらっている方も多いのではないでしょうか。

この記事は「料理初心者でも美味しい味噌汁を手間なく簡単に作れるようになる」ことを目標に作ったものです。

「手間なく簡単に」とは、手抜きするとか雑にとは違います。

初めに「これさえ守れば」というポイントを4つお伝えします。その後手順を場面ごと写真を交えてお伝えしていきます。これに沿っていけば、美味しい味噌汁が作れます。ぜひ、お読みになって、そして実践してみてください。


1. 鰹節でダシをとった味噌汁の作り方

初めに、大切なポイントを4つ。

  • ①用意した水が沸騰したら、火を止めてから花かつおを入れます。
  • ②入れた花かつおはかき混ぜないでそのままにしておきます。1分か2分で全部底に沈んだら濾す(こす)作業に移ります。
  • ③濾した布またはキッチンペーパーは絞らないでください。
  • ④味噌を入れた後は沸騰手前で火を止めてくだい。

①②③はダシを取るときのポイント、④は味噌を入れた後のポイントです。

「料理初心者でも美味しい味噌汁を手間なく簡単に作れる」ことを目標に、5人分の味噌汁を作ってみましょう。1000ccの水からダシ汁はおよそ800cc取れますので1杯およそ160cc目安です。

1-1 用意するもの

  • a)花かつお30g 用意する水の3%と覚えておくと良いでしょう。
  • b)味噌80g 用意する水の8% またはできたダシ汁の10%(用意した水の約80%ダシ汁ができるので)
  • c)具 キャベツを用意しました。お好みで適量を。
  • d)水1000ccが余裕をもって入れられる鍋
  • e)dより小さい鍋(花かつおを濾してできたダシ汁を受けるためなので)
  • f)キッチンタイマー
  • g)濾し布またはキッチンペーパー

鰹節を削った削り節は花かつおをお勧めします。

節の名前

削り節の呼び方

名称

原料の表示

荒節

薄削り(花かつお)

かつお削り節

かつおのふし

厚削り

かつお削り節

かつおのふし

枯節

薄削り

かつお節削り節

かつおかれぶし

厚削り

かつお節削り節

かつおかれぶし

枯節は荒節にカビを付けた高級品で荒節に比べ濁りの無い香りが良いだしがとれるので、香りそのものを味わうお吸い物などにより適していますが、味噌を入れる料理の味噌汁には味噌に負けない強めの香りのだしが取れる荒節を原料とした削り節が良いです。

その荒節を薄く削ったものと厚く削ったものがありますが、これはご家庭で簡単に作れるという観点で見ると、手早くだしがとれるので薄く削ったもの(花かつおといいます)が良いです。


花かつお30gです。


味噌80gとキャベツです。キャベツは芯を外す作業以外は包丁を使わず手でちぎっても良いです。それは雑にということではなくそうすることにより、断面が大きくなり火が通りやすくなります。

用意するもののg数などは個人の好みもありますので目安と考えてください。時間もキッチンタイマーがなければ時計で見てもよし、花かつおが全部底に沈んだのを目安にしてもよし、それほど神経質になる必要はありません。

1-2 1000ccの水を沸騰させ火を止めてから花かつおを入れる

大切なポイント①です。火を止めてから花かつおを入れます。


火を止めてから入れる理由は、グラグラ煮え立った中に入れるとダシが濁ったり香りが飛んでしまったり、余分な味(渋みやえぐみ)が出てしまうので、それらを防ぐためです。

1-3 かき混ぜないで1,2分待つ

大切なポイント②です。入れた花かつおはかき混ぜないでそのままにしておきましょう。理由は①と同じで、ダシの濁りや香りが飛んでしまうこと、渋みやえぐみが出るのを防ぐためです。

キッチンタイマーで1分か2分にセットして計っても良いですし、花かつおが全部沈んだのを合図にしても良いです。

1-4 花かつおを濾す


もう一つ用意した鍋に濾し布をかけて、ダシ汁を移します。花かつおは濾し布に残りダシ汁だけがもう一つの鍋に移ります。水1000ccに対しダシ汁はおよそ800ccとれます。
ここで大切なポイント③です。もったいないと言って濾し布を絞ってダシ汁に入れないでください。理由は渋みやえぐみを出さないためです。


琥珀色のきれいなダシがとれました。

1-5 できたダシ汁に具材を入れて煮立てる


できたダシ汁にキャベツを入れて、煮立てます。時間は具によって異なりますがキャベツの場合は2,3分で良いでしょう。キャベツに火が通ったら1度火を止めます。

1-6 味噌を溶き入れる


味噌をオタマの中で溶きながら入れます。これは味噌の溶けむらをなくしためです。

ここで大切なポイント④です。味噌を入れたら再び火を入れますが、煮立たせないように注意して沸騰する手前で火を止めてください。理由は味噌の香りの正体であるアルコールが沸騰までいくと揮発して香りが飛んでしまうからです。
「お味噌汁は煮えばな(沸騰直前)がおいしい」のです。


できた味噌汁です。


2. かつおだしの味噌汁に合う具材

ざっくり言うと野菜類やイモ類が合います。

理由は鰹節に多く含まれる旨味成分のイノシン酸(470700mg/100g)と野菜類に多く含まれる旨味成分のグルタミン酸が相乗効果で旨味が増すからです。

2-1 グルタミン酸を多く含む野菜、豆イモ類

単位;mg/100g

食品名

グルタミン酸含有量

トマト

150~250

れんこん

100

にんにく

100

春菊

80

大豆

70~80

白菜

40~90

じゃがいも

30~100

さつまいも

60

ほうれん草

50~70

にんじん

40~80

たけのこ

14~90

アスパラガス

30~50

大根

30~70

キャベツ

30~50

玉ネギ

20~50

長ネギ

20~50

ブロッコリー

30~60

セロリ

20~30

ごぼう

20

しょうが

20

特別非営利活動法人うま味インフォメーションセンター参照

2-2 「手間なく簡単に」の観点からお勧めする具材

キャベツや白菜がお勧めです。

味で言えば大根の味噌汁も大変お勧めですが、じゃがいもなどと同じで皮をむくところから始めなくてはならない、火を通す時間も葉物野菜に比べればやや長くなることを考えれば、「手間なく簡単に」の観点から言うと

キャベツや白菜になります。

1-1「用意するもの」のところでお伝えしたようにキャベツは包丁で切らなくても手でちぎって良いです。これは「手間なく簡単に」にこだわりすぎて雑でいいよということではなく、そうすることによって包丁で切るより野菜の断面が大きくなって火が通りやすくなるからです。これは白菜でも同じですね。

グルタミン酸を最も多く含む食品は昆布(羅臼昆布で22903380mg/100g)で、だからかつおと昆布の合わせダシは旨味が強いのです。ここでは、「手間なく簡単に」をテーマにしていますので鰹節のみからダシをとった作り方を紹介していますが、昆布からダシを取るもう一手間を、2-1の表に載っている具材を選ぶことによって具材に代わりにやってもらえるということになりますね。

そもそも、味噌自体がグルタミン酸を100700mg/100g含む食品ですから、鰹節ダシは味噌汁という料理に合うという訳です。


3. まとめ

いかがだったでしょうか。1の工程を全部やっても10分かからない程度の時間でできますよ。

これはキャベツを具材に選んだからということもありますが。でも本当にダシからとって味噌汁を作ることはそんなに難しいことではありませんね。

ポイントとして、「沸騰させた火を止めてから花かつおを入れる。」「入れた花かつおはかき混ぜないでそのままにしておき、1,2分で濾す作業に移る」「濾した布又はキッチンペーパーは絞らない」「味噌を入れた後は沸騰する手前で火を止める」この4つを実践していただければ美味しい味噌汁が作れます。ぜひ作ってみてください。

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