お腹が張る、何となく気持ち悪い便秘に悩んでいる方も多いと思います。そんな便秘解消にゴボウは有効な食品です。理由は、整腸作用がある食物繊維を豊富に含んでいるからです。
この記事では、まずゴボウに含まれる食物繊維の量や有効成分を紹介します。
次に1日の食物繊維の適正な摂取量をお伝えします。この適正摂取量をゴボウ1品でまかなうのはさすがに難しいため、食物繊維を豊富に含む他の食品も紹介して、便秘解消に有効な食事のメニューをご案内しています。
最後に、食物繊維の中でも水に溶けない不溶性食物繊維の摂りすぎには注意して頂きたいことをお伝えしています。
この記事をお読みくださった方が少しでも便秘解消に繋がればうれしいです。ぜひお読みください。
目次
1. ゴボウは便秘解消に効果的な食物繊維を豊富に含む食品
ゴボウは便秘解消に効果的な食品です。
理由は、ゴボウには食物繊維が豊富に含まれているからです。
ただ、単純に食物繊維の含有量だけではなく、もう一歩踏み込んで考えてみます。
食物繊維は水溶性食物繊維と不溶性食物繊維があります。
この2つの種類の食物繊維の働きは以下の通りです。
水溶性食物繊維 | 便を柔らかくする働き |
不溶性食物繊維 | 便のかさを増して排便を促す働き |
この2種類の食物繊維を摂取する理想の割合は水溶性:不溶性=1:2とされています。
なので、当記事の食物繊維含有量はデータがある限り総量と水溶性、不溶性の含有量を表示しています。
上記の事を踏まえて、ゴボウに含まれる食物繊維を見ていきましょう。
1-1 ゴボウの食物繊維含有量
以下の表はゴボウ100g当たりの食物繊維含有量です。
(単位:g)
食物繊維総量 | 水溶性食物繊維 | 不溶性食物繊維 |
5.7 | 2.3 | 3.4 |
出典 日本食品標準成分表2020年版(八訂)
水溶性と不溶性の割合はおよそ1:1.5で、理想よりもやや不溶性食物繊維が少ないです。
総量としては食品全体の中では多い方です。
ただし、食物繊維の1日当り適正摂取量をゴボウ1品で摂るのは難しいので、他の食品と組み合わせたメニューを考える必要があります。(詳しくは2,3章でお伝えします。)
1-2 水溶性食物繊維イヌリンの働き
ゴボウに含まれる食物繊維の中でも、水溶性食物繊維のイヌリンが便秘解消に効果的とされています。
イヌリンの働きは、お腹の中のビフィズス菌を増やし、お腹の調子を整える働きがあります。この整腸作用が便秘解消に効果的です。
イヌリンには他にも血糖値の上昇を緩やかにする作用や中性脂肪を減らす作用があると報告されています。
2. 食物繊維の1日当たりの適正な摂取量
1日の食事から摂る食物繊維の目標量は、18~69歳で1日当り男性20g以上、女性18g以上となっています。
これをゴボウだけで摂取しようとした場合、ゴボウ約350gを食べる必要があります。
ゴボウは1本だいたい250gですから、1本半くらいを食べる必要があり、それは難しいですね。
朝はサラダで、昼にそばやうどんの具材として、夜にきんぴらゴボウにして食べて100gくらいでしょう。
食物繊維はゴボウと同じ根菜類や豆類、主食となる穀物に多く含まれているので、それらと組み合わせて必要量を摂取することが大切です。
次章で必要な食物繊維料を摂取するためのお勧めメニューを紹介します。
3. 適正な摂取量を達成するためのメニュー例
便秘解消に効果的な食事のメニューとして、ゴボウをはじめとして根菜類やキノコ類を具材としたそばをお勧めします。
食物繊維は主食となる穀物にも多く含まれています。穀物は炭水化物の太りやすいイメージが気になる方もいると思いますが、炭水化物は糖類と食物繊維で出来ているのです。
穀物である米、パン、めん類の中でもそばは食物繊維含有量が豊富で、具材にゴボウをはじめとした根菜類やキノコ類を具材にしたメニューが便秘解消に効果的です。
以下の表は100g当たりの食物繊維含有量です。
穀類に含まれる食物繊維量
(単位:g)
食品名 | 食物繊維総量 | 水溶性 | 不溶性 |
オートミール | 9.4 | 3.2 | 6.2 |
コーンフレーク | 2.4 | 0.3 | 2.1 |
ライ麦パン | 5.6 | 2 | 3.6 |
フランスパン | 2.7 | 1.2 | 1.5 |
食パン | 0.7 | 1 | 1.7 |
精白米 | 0.5 | 0 | 0.5 |
そば(干) | 3.7 | 1.6 | 2.1 |
中華めん(干し) | 2.9 | 1.6 | 1.3 |
うどん(干) | 2.4 | 0.6 | 1.8 |
オートミールの含有量が突出していることが分かりますね。
通常、主食となりうる米、パン、めん類の中ではめん類の、特にそばの含有量が多いです。
パンでは食パンよりもライ麦パンに多く含まれていますが、常時ライ麦パンを食べる方は少ないと思います。
野菜、豆類に含まれる食物繊維料
食品名 | 食物繊維総量 | 水溶性 | 不溶性 |
ゴボウ | 5.7 | 2.3 | 3.4 |
切干大根 | 20.7 | 3.6 | 17.1 |
えだまめ | 5 | 0.4 | 4.6 |
モロヘイヤ | 5.9 | 1.3 | 4.6 |
いんげん豆(乾) | 19.3 | 3.3 | 16 |
えんどう(乾) | 17.4 | 1.2 | 16.2 |
ひきわり納豆 | 5.9 | 2 | 3.9
|
きのこに含まれる食物繊維量
食品名 | 食物繊維総量 | 水溶性 | 不溶性 |
きくらげ(乾) | 57.4 | 0 | 57.4 |
干ししいたけ | 41 | 3 | 38 |
しいたけ | 3.5 | 0.5 | 3 |
なめこ | 3.3 | 1 | 2.3 |
本しめじ | 3.3 | 0.7 | 2.6 |
上記表からゴボウ以外にも食物繊維含有量が多い食品が分かりまね。
便秘に悩んでいる方は、ゴボウとなめこのおそばをメニューに加えてみるのも良いですね。
また、海藻類や果物にも食物繊維が豊富なものが多いです。
それらも合わせて摂って、1日の適正な摂取量を摂るように努めましょう。
4. 水溶性と不溶性のバランスは1:2が理想
食物繊維には水溶性食物繊維と不溶性食物繊維があります。これらの理想的なバランスは1:2とされています。
このバランス以上に不溶性食物繊維の摂りすぎはかえって便秘が悪化してしまうことがあるといわれています。
理由は、不溶性食物繊維は便のカサを増して排便を促すのですが、カサが増しすぎると大腸が便を推し進めるせん動運動の機能を上回り、便がスムーズに進まなくなるからです。
総量以外に水溶性と不溶性のバランスまで気を配るのは正直なかなか難しいと思います。3章の表に載せてある極端に不溶性が多い食品、例えばきくらげ(乾)などは摂取過多にならないように注意する、という程度で良いと思います。
5. まとめ
いかがでしたか。
まずはゴボウが便秘解消に有効な食品だということの理由をお伝えしました。その上で、便秘解消に役立つことを主眼にして、ゴボウ以外の食品も使ったお勧めメニューなどをご紹介しました。
皆さんの便秘解消に少し手も役立てたらうれしいです。
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