味噌汁の具材の中でも定番の大根。私も大好きです。大根の味噌汁を簡単に美味しく作りたいなぁと思っている方も多いでしょう。ほんの少し注意するポイントを覚えておけば、簡単に美味しい大根の味噌汁が作れるようになりますよ。
1章でそのポイントを5つ紹介します。主には、大根特有の苦みを取り除くためのものと、せっかくの根菜類、葉物野菜より歯ごたえがあるように少し厚めに切った大根の表面と内側を同じように柔らかくするためのものです。
そして2章で実際のレシピ、手順を紹介しますが、その要所要所に1章で挙げたポイントを示して、ここが大切と分かるようにしました。
是非、お読みいただき、美味しい大根の味噌汁を作ってみてください。
1. 最高に美味しい大根の味噌汁を簡単に作るための5つのポイント
①ダシは鰹の厚削りを使う
②大根の葉に近い上から真ん中までの部分を使う
③大根の皮を厚めにむく
④大根を水から下茹でする
⑤下茹でした水は捨てる
この5つを実践するだけで大根の味噌汁がとびっきり美味しくなります。5つというと多そうですが、この中で少し手間が増えるのは④だけで、さほどの面倒はありません。
1-1 ダシは鰹の厚削りを使う
鰹節を使う理由:大根のうま味が増すからです。
植物性の食材に多く含まれるグルタミン酸と動物性食材に多く含まれるイノシン酸が合わさると、うま味の相乗効果で美味しさが倍増するからです。植物性食材である大根には、動物性の鰹節を使うとうま味が増します。
鰹節の中でも厚削りを使う理由:味噌という濃い味の調味料に負けない濃厚なダシが取れるからです。
さらに厚削りであれば、花かつお(薄削り)のようにダシをとったお湯を濾す必要がなく、煮出した厚削りをさいばしで取ってシンクや三角コーナーに捨てれば良いので手間がかかりません。
1-2 大根の葉に近い上から真ん中までの部分を使う
理由;大根の苦みが少ない部分を使うためです。
大根は葉に近い上の部分ほど甘くて、下(先)にいくほど苦みが出ます。1番甘い上の部分は、大根をそのまま食べるサラダや大根おろしに、1番苦みがある下の部分は強く味付けしたり、火にかける調理法の漬物や炒め物に使います。味噌汁はその間くらいで、真ん中部分を使います。もちろん、サラダなどにする予定がなければ上の部分を使うとより甘味を感じられます。
1-3 大根の皮を厚めにむく
理由;大根の苦みを取り除くためです。
大根の苦い部分は皮の内側にあります。料理人や熟練の主婦でない料理初心者でも、ピーラーを使って2回むけば苦みのある部分は取り除けます。
1-4 大根を水から下茹でする
理由:大根の表面と内側を均等に柔らかくすることができるからです。
熱湯に近い温度の、できたばかりのだし汁にいれて煮始めると表面ばかり高温で柔らかくなり、内側まで火を通そうとすると表面が柔らかくなりすぎてしまいます。
もちろん大根をすごく薄く切れば、表面と内側の温度差など考える必要はありません。しかし、大根を含め根菜類を具材にする時は、やや厚めに切ることによって歯ごたえ、食感を楽しめます。そのために水から茹でることが必要になるのです。
1-5 下茹でに使ったお湯は捨てる
理由は、溶け出した大根の苦みを取り除くためです。
2. 美味しい大根の味噌汁を作る8つのステップ
1章で紹介した5つのポイントを意識して、実際に大根の味噌汁を作ってみましょう。
2-1 準備するもの
4人分の味噌汁を作ります。
a)水800cc(1人当たり200cc弱の味噌汁ができます。)
ダシに花かつおを使うと、花かつおを濾す時にそこに水分が残るため、できるダシ汁は用意した水の約80%になります。この記事で使う厚削りなら、濾す必要が無いのでできるダシ汁は用意した水よりほんの少し減る程度です。
b)もうひとつ水800cc
大根の下茹で用です。
c)鰹厚削り
1-1でお伝えしたように大根の味噌汁には鰹の厚削りが適しています。
用意した水の3%(この場合24g)が適量ですが、几帳面に計量までしなくてもいいです。
1つ1つの削りが大きく厚いので、濃いダシが出て、ダシをとった後は簡単にさいばしで挟んで捨てられます。
d)大根
2-2でお伝えしたように大根の上から真ん中までの部分を使います。
e)味噌
お好みで。私は麹が多くてやや甘めな味が好きで写真のものを選びました。
出来たダシ汁の10%(この場合80g)が適量ですが几帳面に計量までしなくてもいいです。
2-2 大根の皮を厚めにむく
1-3でお伝えしたように大根の皮を厚めにむきます。
2-3 大根を厚めに切る
大根の歯ごたえ、食感をたのしむためにやや厚みを残してきりました。
2-4 切った大根を水から下茹でする
1-4でお伝えしたように、大根を水から下茹でします。
上の写真の厚さで、中火で15分茹でます。大根の厚みにもよりますので様子を見て調整してください。
この下茹での時間に同時にダシ汁をつくるためにお湯を沸かしておくと時短になります。
2-5 下茹でに使ったお湯は捨てる
1-5でお伝えしたように、下茹でに使ったお湯は捨てます。
下茹でした大根は、1度ざるに取っておきます。
15分茹でて、お湯は捨てて、ざるに取っておきます。
2-6 もう1つの湯が沸騰したら、中火にして鰹の厚削りを10分煮出す
沸騰したら、火を中火に弱めて厚削りを10分煮出します。
厚削りはさいばしでつかんでシンクに捨てればよいので、濾す手間がかかりません。
2-7 大根をダシ汁に入れて5分煮る
できたダシ汁に大根を入れて煮ます。すでに下茹でをしていますので、時間は5分で充分です。
2-8 火を止めて味噌を溶き入れ、沸騰直前まで加熱して完成
火を止めて味噌を溶き入れます。
もう1度温めますが、味噌の風味が飛んでしまわないように、沸騰直前で火を止めて出来上がりです。
出来上がった味噌汁です。
3. 大根の葉も捨てないで利用する
大根の葉はベータカロチン(ビタミンAになる)やビタミンCが豊富な立派な緑黄色野菜ですから、捨てずに利用しましょう。
スープの実、炒め物、味噌汁の具、ふりかけなど様々な料理に使えます。
その1例を紹介します。
大根葉と鰹節のごま油炒め
細かく刻んだ大根葉をごま油で炒めます。
細かく刻んだ大根場をごま油で炒めます。
醤油とみりんと砂糖を3:1:1で混ぜて作った調味料を回しかけます。
鰹節(花かつお)を加えてさらに炒めて、水分がとんだら出来上がり。
さっぱりした香ばしいふりかけとして、美味しくいただけます。
4. もう1品入れるなら
好みは千差万別ですが、ここでお勧めするのは以下の2つの食材です。
4-1 大根とえのき茸
大根のはっきりした歯ごたえが残る食感と対照的ななめらかな食感のえのきたけは、甘さも増して大根の味噌汁に加える1品として相性が良いです。
4-2 大根と人参
大根と同じ根菜類の人参を加えると、歯ごたえのしっかり残る食感同士で野菜をたっぷり味わえます。
5. まとめ
いかがでしたか。ほんのわずかな手間をかけることで大根の味噌汁が、びっくりするくらい美味しくなりますよ。確かに、大根を下茹でするところなどは、少し手間だなと思われるかもしれませんが、その時間に並行してダシ汁を作るためのお湯を沸かしておけば、時間のロスはありません。また、花かつおでなく厚削りを使うことで、ダシをとったお湯を1度濾す手間が省けます。
やってみれば、意外と簡単です。料理初心者にも充分作れますよ。ぜひ、美味しい大根の味噌汁を作ってみてください。
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