うどんと言えば炭水化物の塊だから、糖質も多そう・・・なんとなくそう思っていませんか。
実はうどんの糖質は、一食(200g)に42.8gという量で、
白ご飯一杯(150g)57.2g、パスタ1食(200g)62.6gなど他の主食と比べて低糖質なのです。
低糖質・・・ではありますがダイエットには向いていません。
その理由は2つあります。
・うどんは糖分が脂肪になりやすいので太りやすいです。
・人気のトッピングである、かき揚げやてんぷらは多くの脂質があるので、たくさん食べると太りやすい。
ダイエットには向いていないうどんですが、工夫をすれば余計な糖質を摂取しないで済みます。
・良く噛む
・糖質オフのうどんを使う
・冷やして食べる
・トッピングの組み合わせを気を付ける
このような4つのポイントを気を付けて食べれば、過剰な糖質を摂取しなくて済みます。
おいしく健康にうどんを楽しんでもらう為に、
本記事では詳しい内容をお伝えしていきます。
目次
1.うどんは低糖質だがダイエットには向いていません
結論から言うとうどんは主食となる食品の中では低糖質です。
低糖質なのですが、ダイエット向きの食品ではありません。
理由はいくつかありますが、まずはうどんに含まれる栄養素を見てみましょう。
今回は、茹でたうどん1食分(約200g)で見てみます。
| 茹でうどん(200g) |
エネルギー | 190kcal |
水分 | 150g |
たんぱく質 | 5.2g |
脂質 | 0.8g |
炭水化物 | 43.2g |
糖質 | 42.8g |
食物繊維 | 2.6g |
灰分 | 0.8g |
ナトリウム | 240mg |
(食品成分データベースより参照)
うどんは茹でると水を吸って、重さが約3倍に膨れます。
よく水分を含み、全体の3/4が水分で、残りの大半は炭水化物(=糖質+食物繊維)です。
食物繊維は2.6gしかないので、炭水化物量はほぼ糖質量とイコールと思ってください。
たんぱく質やミネラル、ビタミン群といった成分はほとんど含まれていません。
うどんの原料に塩が使われているので、ナトリウムが少しある程度です。
そしてダイエットをする際には気になる脂質も0.8gと非常に少ないことがわかります。
では、うどんの主成分となっている糖質。こちらについてはどうなのでしょうか。
糖質が多い程太りやすいと言われますが、実際問題うどんの糖質は多いのかどうか。
糖質を多く含む他の食品と比べてみましょう。
1-1.主食となる炭水化物の中では低糖質
主食となるごはんや食パン、他の麺類それぞれ1食あたりの糖量で比較しました。
品目(1食あたり) | 糖量 |
茹でパスタ(200g) | 62.6g |
食パン(6枚切りを2枚) | 57.8g |
精白米(150g) | 57.2g |
茹でそば(180g) | 48.6g |
茹でうどん(200g) | 42.8g |
(食品成分データベースより参照)
主食と比べてみたところ、うどんの糖質量はそばより僅かに低く、
その他の食品と比べると結構少なめだということが分かりますね。
あくまで糖質を多く含む主食の中では低い方だ・・・という程度ですので、
食べ過ぎてしまうと、やはり糖質の摂りすぎになるので注意は必要なのですが、
この表を比べると、うどんはダイエットに向いていそうに見えますよね。
しかし、糖質量だけでは分からないワナが隠されているのです!
1-2.糖質は低めだがGI値が高いので、ダイエットに不向き
食品がダイエットに向いているかどうかの指標のひとつに「GI値」というものがあります。
GI値とは、食品ごとの食後血糖値の上昇を表す数値であり、
・数値が55以下の食品が低GI食品
・56~69の食品が中GI食品
・70以上の食品を高GI食品
と呼びます。
品目 | GI値 |
食パン | 95 |
精白米 | 88 |
うどん | 85 |
パスタ | 65 |
そば | 54 |
先程の5品目の内、糖質量では一番低かったうどんですが、
GI値では上から3番目「85」という数値で、高GI食品に分類されることがわかります。
そして高GI食品は太りやすいと言われています。
GI値が高い物をたくさん食べると、血糖値が急激にあがります。
すると、血糖値を下げるために「インスリン」という物質がたくさん分泌されます。
このインスリンが多くなりすぎると、太ってしまいます。
より詳しく解説をすると、太りやすくなる原因は「インスリン」という物質にあります。
血液中に糖質からなるブドウ糖が増えると、すい臓からこのインスリンという物質が分泌されて、
ブドウ糖を身体中の筋肉や肝臓、脂肪細胞などに運び込んで貯蓄させて、血糖値を下げてくれます。
この働きは食後の血糖値を一定に保つ為にとても大切なのですが、
血糖値が急激に高くなってしまうと、インスリンが過剰に分泌されてしまいます。
インスリンには脂肪の分解を抑えて、逆に脂肪合成を促進する効果があるので、
細胞に中性脂肪として蓄えられてしまい、結果として肥満を招きます。
血糖値は高GI食品を食べると急激に上がり、低GI食品ならばゆっくりと上昇します。
だから高GI食品であるうどんはダイエットにあまり向かないのです。
コラム:糖尿病とうどん
糖質と深い関わりがある生活習慣病に糖尿病があります。糖尿病は先ほど出てきたインスリンの分泌が正常に行われないせいで、血糖値が下がらなくなってしまう病気です。ですので、急激に血糖値があがってしまう高GI食品であるうどんは避けた方が良いでしょう。
1-3.人気のトッピングであるかき揚げやてんぷらが太りやすい
皆さんはうどんのトッピングでは何が好きでしょうか?
様々なトッピングがあり悩ましいところですが、
誰しもが食べたことがある人気の組み合わせとしてかき揚げやてんぷらなどが思いつくでしょう。
有名うどんチェーン店にもたくさん並んだ揚げ物が魅力的ですよね。
しかし、これらのものは大量の油で揚げているので、基本的に高カロリー&高脂質なので、
ダイエット中には避けた方が良い食材となっています。
| カロリー | 脂質 | 糖質 |
かき揚げ(1個) | 100kcal | 6.6g | 6.1g |
えび天(1尾) | 53kcal | 2.9g | 1.5g |
いか天(1切れ) | 104kcal | 6.2g | 1.6g |
(カロリーSlismより参照)
糖質はさしてありませんが、やはりカロリーと脂質は高めです。
うどんにとっても合うのは良くわかりますが、
調子にのって1個・・・2個・・・とのせてしまうと、かなり太りやすくなってしまいます。
そんなトッピングの誘惑の強さも、うどんがダイエットに向かない理由のひとつです。
さて、ここまでうどんがダイエットに向いていない理由についてお話しましたが、
やはり高GI食品ということがネックであり、似たような主食であるお蕎麦は、
同じような糖質量かつ低GI食品ということで、
ダイエットに向いている主食としては、お蕎麦に軍配が上がっています。
ですがネガティブな事ばかりではありません。
意外と低糖質ということもありますし、
水分を多く含み、もっちりとしたうどんは、少ない量でも満足感を得やすいです。
食べる量が少なくなれば、おのずと太りにくくなりますよね。
高GI値だから食べない・・・というのは、食べられるものが減ってしまい
食事も楽しくなくなってしまいます。
なので、糖質が気になる方でも、うどんを美味しく楽しめる為のポイントを
次章で紹介したいと思います。
2.体に吸収される糖質を抑えるための4つのポイント
GI値が高いので、うどんはダイエットには向かない食品だということは分かったと思います。
しかし工夫をすれば体に吸収される糖質の量を抑えることが出来ます。
糖質の量を抑える為の4つのポイントをお伝えします。
2-1.良く噛んで食べる
よく噛んで食べると、満腹中枢が刺激されて満腹感を得やすくなります。
すると食べ過ぎることが無くなるので、糖質も抑えられ太りにくくなります。
うどんはつるりと喉を通るので、ついついあまり噛まずに食べてしまいがちです。
一度に多く頬張らずに、しっかりと噛むことを心がけましょう。
また良く噛むと唾液がいっぱい分泌されます。唾液はでんぷんを分解してくれます。
すると胃腸で吸収されやすくなります。消化が良くなるので、胃腸にも優しいです。
2-2.糖質カットのうどんを使う
うどんやお蕎麦の糖質は、主に小麦粉由来のでんぷんです。
お蕎麦はそば粉との割合によって、小麦粉の量が増減するので、糖質の量も変化しますが、
基本的に小麦粉だけで出来ているうどんは、種類による糖質量に違いはほとんどありません。
しかし世の中には、糖質カットのうどんというものがあります。
シマダヤさんのこちらの商品は、企業努力でうどんの糖質をなんと40%もカットしているそうです。
この健美麺シリーズには、他にも食後の血糖値の上昇をゆるやかにしてくれるうどんや、食塩を使っていないうどんなどもあるので、健康を気にしている人にはうってつけですね。
スーパーやネットで簡単に手に入るので、ぜひ試してみてください。
2-3.うどんは冷やしで食べる
温かいうどんと冷たいうどん・・・好みは人それぞれでしょうが、
糖質を抑えたい場合は、冷やしうどんにしましょう。
うどんに含まれている糖質のでんぷんは、加熱された後に冷やされると
レジスタントスターチ(難消化性でんぷん)に変化する性質があります。
この成分は食物繊維に似ています。糖質として分解されにくくなるので、血糖値の上昇を抑えられます。
また腸内環境を整えてくれるので、体にも良いし痩せやすくなります。
なので茹でた後に、冷水で〆て冷やしうどんで頂くことがおすすめです。
2-4.でんぷんの消化を助ける食品と食べ合わせる
糖質の吸収量を減らすためには、食べ合わせを考えることが大切です。
そこで鉄板の組み合わせとして紹介したいのが、
うどん + 豚しゃぶ + 大根おろし + 万能ねぎ
名付けて「ねぎたっぷりの豚しゃぶおろしうどん」です!そのままですね!
さっぱりとしていて食べやすそうなこのうどんですが、
糖質を抑えるために嬉しい効果をもっている食材の組み合わせなのです。
2-4-1.豚肉は糖質をエネルギーに変える手助けをする。
期待できる成分:ビタミンB1
豚肉にはビタミンB1というビタミンが多く含まれています。
このビタミンB1には、糖質を燃やしてエネルギーに変える手伝いをする働きがあります。
つまりビタミンB1を多く含む豚肉と一緒に食べると、
糖質がたくさんエネルギーとなり、脂肪として残らないので太りにくくなります。
また豚しゃぶの場合、茹でているので余計な油は使われておらず、
うどんだけでは不足する、タンパク質や脂質を手頃に摂取できるのも嬉しいです。
2-4-2.万能ねぎはビタミンB1の吸収を助けて、糖質をエネルギーに変える
期待できる成分:アリシン
ねぎのピリッとしたあの辛味や香りの成分であるアリシンには、
ビタミンB1の吸収を助ける効果があります。
ビタミンB1を多く含んでいる豚肉と一緒に食べることで、
より糖質を分解しやすくなるのです。
他にもお肌に良いビタミンCや、免疫を高めるβ–カロテンなど
たくさんの栄養素が含まれています。
2-4-3.大根おろしにはでんぷんを分解する効果あり
期待できる成分:ジアスターゼ
大根おろしに含まれている、ジアスターゼという酵素は、
でんぷんを分解して糖にする働きがあります。
つまりどんどんでんぷんを分解して、あとは豚肉のビタミンB1と、ねぎのアリシンの力で
糖をエネルギーに変えてしまうことが出来ます。
またプロテアーゼという成分も持っており、こちらはたんぱく質の分解を促進します。
なので、豚肉のたんぱく質が分解・消化されやすくなります。
つまりこの「ねぎたっぷりの豚しゃぶおろしうどん」は、
それぞれの食材がお互いに影響しあって、糖質が体内に残って
脂肪となってしまうことを防いでくれるので、太りにくくなります。
3.まとめ
うどんは代表的な主食の中では低糖質です。
しかし高GI食品なので、食後の血糖値が急激に上がってしまいます。
血糖値が上がるとインスリンが分泌されますが、
インスリンには脂肪をため込む役割もあるので、太りやすくなってしまいます。
なので、ダイエットには向いていないのですが、
少し工夫をすると、糖質の吸収を抑えられます。
・良く噛む
・糖質オフのうどんを使う
・冷やして食べる
・トッピングを工夫する
こういった4つのポイントに気を遣うと良いでしょう。
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