国産鰹節の98%を製造する名産地「枕崎市」・「指宿市」・「焼津市」

鰹節の名産地を知っていますか?

スーパーや外食店で見る鰹節に「~産鰹節使用」と書いてあることがあります。鰹節の名産地はどんなところがあり、どんな特徴があるか気になるかと思います。

実は鰹節のほとんどは、2つの県の中の3つの都市で製造されています。この3都市で、日本産の鰹節の約98%を製造しています。名産地というとこの3都市と言えます。

このサイトでは、鰹節の名産地を詳しくご紹介していきます。


1.鰹節の名産地は主に3都市

鰹節の名産地は、鹿児島県の枕崎市と、指宿市、静岡県の焼津市の3都市です。

下記が3都市の鰹節生産量をあらわしたグラフです。

1位の枕崎市が13,695トン
2位の指宿市が 8,388トン
3位の焼津市が 7,108トン

他にも高知県や、千葉県でも製造していますが、この3都市で日本国産鰹節のおよそ98%を賄っています。

どの産地でも、冷凍鰹が水揚げされる港が近くにあり、近くに鰹節工場が集まっています。

各都市の鰹節はブランド化されていて、削り節の袋や外食店のメニューに「~産鰹節使用」と記載されていることが多くあります。

漁獲される鰹の質や、製法が産地によって違うわけではありませんので、各産地での大きな違いはありません。鰹節の味や出来栄えは、産地によって違いがあるという事ではありません。

ただし、産地を明確化することで、何処で製造されているかが分かる安心感があります。

ここからは、各鰹節の名産地をご紹介していきます。

1-1.生産量日本一の「枕崎市」

国産鰹節の生産量日本一は、鹿児島県の枕崎市です。鰹節の産業として300年以上の歴史があり、市内には40軒以上の鰹節工場が点在しています。

枕崎市では全面的に鰹節産業を後押ししています。市内に入ると「枕崎鰹節」のロゴが至る所で目にすることが出来ます。

冷凍鰹を水揚げする港も非常に衛生的に管理され、食品衛生の管理基準である「HACCP(ハセップ)」を取得しています。

朝早くから生の鰹を切り始め、町に鰹を燻煙する香りが漂っています。

鰹節の特徴は、各工場で違いますが、全体的に見ると燻製の強い鰹節に仕上がっています。製造量も多く、品質も高いので、枕崎鰹節はブランド化され、全国的に有名な鰹節です。

特に西日本では、枕崎鰹節の要望が多く、業務用鰹節を取り扱う当社(小林食品)でも枕崎産鰹節の指定が多くあります。

1-2.本枯節の質の高い「指宿(いぶすき)市」

生産量で2位が指宿(いぶすき)市です。数年前までは、山川港(やまがわこう)で水揚げされ、指宿市山川地区で製造されたことから、山川(やまがわ)産鰹節と呼ばれていました。

2017年にロゴマークが発表され、「指宿(いぶすき)鰹節」として統一しています。

水産加工団地を中心に30社程の鰹節工場があります。

指宿産鰹節は、本枯節(ほんかれぶし)の製造技術が高く、綺麗な鰹節を製造するのが特徴です。本枯節とは、一般的に流通している荒節(あらぶし)という鰹節の表面を削り、優良な鰹節カビを付け、天日干しを繰り返して完成する鰹節の高級品です。

本枯節を製造できる技術者が全国的に減少してきていますが、指宿では見た目も美しく、品質の高い本枯節を製造します。また、製造しにくい大きいサイズの鰹も、鰹節にする技術があります。

1-3.バラエティーに富んだ「焼津市」

焼津市の鰹節は、各工場でそれぞれの特徴に特化しており、バラエティーに富んでいます。

静岡県の焼津市では、15軒程の鰹節工場があります。焼津では、日本一の生産量を誇る鰹節工場があり、生産量をけん引しています。その工場では、大量に品質の高い鰹節を製造するために、新しい設備を導入したり、製造工程の工夫をしたりと先進的に鰹節を製造しています。

また、他の工場では、現在ではほとんど行われていない「手火山(てびやま)式」という伝統的な燻製工程を取り入れている工場もあります。

また、一部機械化が進む中で、最初から最後まで職人たちの手作業にこだわった鰹節を作る工場もあります。

一言に「焼津鰹節」と言っても、製法やこだわりが各工場違うので、特徴を一言でいう事は出来ません。


2.鰹節は産地で選ばなくても良い

鰹節を選ぶ時に、産地にこだわって購入しなくても良いと言えます。同じ地域で漁獲された鰹を、各産地で同じ製法で鰹節が製造されているからです。

鰹節に使用される鰹は太平洋の赤道付近の海域で漁獲されます。大型巻き網船で漁獲された鰹は、焼津や鹿児島県(枕崎市・指宿市)に水揚げされていますので、同じ海域で漁獲された鰹になります。

また、産地による製造方法の違いは無く、鰹を切る→骨を取る→ボイルする→燻製するという工程はどの地方でも一緒です。

製造工程の中で会社毎に製法の細かな違いはありますが、産地による違いはありません。「焼津式乾燥機」という燻製する設備は鹿児島県の鰹節工場でも多数使用されています。

 鰹節の違いは産地による違いというよりも、漁獲された時期や漁獲方法によって品質に違いが出る事があります。一般的に脂肪の少ない鰹から製造する鰹節が、臭みもなく、綺麗に削ることが出来て、美味しいダシが取れる事から、品質の良い物とされています。


3-1.購入する時の選び方

購入する時の選び方のポイントは、産地ではなく削り節の色を見て選びます。ダシ用の厚削りなら、赤くツヤがあるもの。薄削りは、ピンク色のものを選んでください。

白っぽい削り節は、鰹の脂肪分が多くダシにすると濁りやすくなります。茶色っぽい削り節は、酸化(空気に触れる時間が長く、風味が落ちる)が進んでいる可能性があります。

 また、削り節の袋の下に、粉っぽい削り粉が少ない物を選んでください。粉っぽい削り粉が多い削り節は、使っていくうちに最後に粉ばかりが残ってしまいます。


4.まとめ

産地によるおすすめは、当社が焼津市にあるという事で「焼津鰹節」になります。とは言え、結論も申し上げますと、鰹節の特徴は各産地による違いはありません。

同じ海域で漁獲された冷凍鰹を、各工場が地域にとらわれないそれぞれの製法で製造していますので、産地による違いではなく、製造工場による違いになります。

そうは申し上げても、産地は各地域で競い合いながら、品質や安全性を高め、産地でのブランド化の差別化を図っています。

名産地での鰹節を使用する事で、どの地域で作られている事かが明確され、安心して食べることが出来ます。


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