お正月や和食料理店などで人参や大根などの野菜が花などの綺麗な形で切られているものをみたことがありませんか?
このような野菜などの切り方を飾り切りといい、料理の見た目も華やかになるため日本では伝統的に和食で用いられてきました。
そんな見た目も華やかで料理の彩を添えてくれる飾り切りを普段の料理に取り入れたいとお考えではありませんか。
しかし、「ちょっと難しそう」と不安に感じる方も多いと思います。
そこで、この記事では和食のプロから教えていただいた、飾り切りの技術を紹介したいと思います。
皆さんもこの記事を読んで飾り切りを実際に行ってみて、料理の見た目をいつも以上に華やかにしてみてください。
目次
1章「飾り切りをすることで食事の華やかさがアップ」
野菜などの食材を、花などの様々な形に切る手法を「飾り切り」といいます。
飾り切りは京都発祥とされており、人をもてなすために見た目にこだわった料理を作るという意味では京料理らしさが感じられます。
飾り切りの主な目的は料理の見た目を華やかにすることにあります。その他には、煮物などの際には煮崩れしにくくしたり、味が染みやすくなったり、食材の食感が良くなり食べやすくなるなどの効果もあります。そんな飾り切りはいつもより料理に特別感を出したいときやおせち料理など祝いの日に用いられることが多いです。
飾り切りは知っておくといつもの料理が更に華やかなものとなりますので、是非この記事を参考に試してください。
料理人が使うような包丁は一切使わずにご家庭で使っている包丁で比較的簡単にできる飾り切りを3種類紹介します。
1-1.ねじり梅
人参の飾り切りの1つで、新春やお祝いに欠かせない梅の花をかたどった切り方です。人参のきれいな色が映える切り方で味が染みやすくなったり、煮崩れしにくくなる効果や、見た目が華やかになります。
1-2.扇切り
大根やニンジンなどに用いられる飾り切りの1つで、食材を1/3の円にカットして扇形に切っていく切り方です。お正月やお祝いの席で使用されます。
1-3.花れんこん
レンコンの飾り切りの一つで、レンコンの穴を利用した花形にむいた切り方です。お正月やお祝いの席で使われることが多いです。煮物や甘酢漬け等の料理に合います。
2章「和食のプロが教える飾り切りの方法」
ここでは和食のプロに聞いた飾り切りの方法を紹介していきます。
2-1.人参を使用したねじり梅の切り方
ねじり梅は煮物やお鍋、おせち料理、お雑煮など様々な料理に用いることが出来ます。その他にもポトフやシチューなど和食以外でも用いることが出来ます。
料理にねじり梅を用いると、料理の見た目が華やかになり、特別な日の演出にも最適です。
①人参を1㎝位の厚みで輪切りにする
人参は1㎝くらいの厚みだと、厚すぎず味が染みやすいです。
また、1㎝くらいの厚みがあると食べ応えもあるので、この1㎝という厚みがベストです。
②皮をむく
包丁だけでなくピーラーを使ってもよいです。
今回は、切るのにかかる時間が短い包丁で皮むきをしていますが、よりきれいに仕上げたい場合はピーラーで皮をむくのもおすすめです。
③5か所に切り込みを入れる
外周が5等分になるような位置で切り込みを入れることで、仕上がりの花びらが均等になり、見た目がきれいなねじり梅が出来ます。
④包丁を入れたところに斜めに切り込みを入れる
写真のように斜めに切り込みを入れていきます。
⑤包丁で入れた切り込みに向かって、斜めに包丁を入れる。
包丁の刃先を使って作業すると、綺麗に切り出すことが出来ます。
5か所斜めに切り込みを入れるとこのように少し花のような形に近づいてきます。
5箇所の切込みが均等だと綺麗です。
⑥裏返して同じように5箇所に斜めの切り込みを入れる
この際には表で切った時と同様な形で切ると見栄えがきれいです。
5箇所全て切ると梅の花のような形になります。
⑦窪みから中心に向かって5箇所の切り込みを入れる
包丁の刃の手元に近い所を使うときれいに切り込みが入ります。ここがポイントです。
また、切り込みの深さは2㎜程度がベストです。
⑧先ほど入れた5箇所の切り込みに向かって斜めに包丁を入れる
花びらに立体感が出るように、切り込みに向かって包丁を入れます。
5箇所切込みに向かってカットすると立体感のある花びらになります。
⑨角を丸みが出るように切る
角張った部分を丸みが出るようにカットするときれいな花びらが出来ます。
完成!
2-2.大根を使用した扇切りの切り方
扇は縁起物とされており、それを模した大根の扇切りはひな祭りやお正月などの特別な日の料理に向いています。大根の扇切りは煮物やおせち料理、鍋物に向いています。
「末広がり」という意味のある扇は料理に用いることで、料理が華やかになるだけでなく縁起物としての意味も持ち料理がより特別なものになります。
①皮をむく
ニンジンと同じように包丁やピーラーで皮をむいていきます。
②1㎝位の厚みに切る
大根も1㎝くらいの厚みだと味が染みやすく、食べ応えもあります。
③3等分にする
写真のように3等分にします。
④中心から外側にかけて包丁を大根の厚みに対して1/3位入れ、半分も同じように包丁を入れる
③で3等分にした大根に4等分になるように切り込みを入れると、均等に切る事が出来てきれいに仕上がります。
半分の切り込みを入れたものをさらに半分に切り込みを入れます。
⑤中心から切り込みに斜めに包丁を入れる
立体感が出るようにしっかり斜めに包丁を入れます。
切り込み全てに斜めに包丁を入れると立体感のある扇のようになります。
⑥中心部分を1㎜ほどカットする
中心部分をカットすることで料理の盛り付けの際に立てておくことが出来ます。
完成!
2-3.花れんこんの切り方
花れんこんは筑前煮などの煮物や、料理の飾りの1つとしても使えます。また薄くスライスして酢れんこんとしても使えます。
花を模った花れんこんは縁起がよく、おめでたい席などに使うなど料理の華やかさが格段にアップします。
①1㎝位の厚みに切る
にんじんやだいこんと同様に1㎝くらいの厚みに切ります。
②皮をむく
ニンジンやダイコンと同じように包丁やピーラーで皮をむいていきます。
③れんこんの穴と穴の間に斜めに切り込みを入れる
れんこんの穴と穴の間の部分を三角形に切り出すイメージです。
④角を取って丸くする
角が気になる方はお好みで丸くカットしてあげることで丸みのある綺麗な花の形になります。
完成!
今回作った飾り切りを使ったレシピを紹介
今回は代表的な根菜の飾り切りを紹介いたしました。
過去に別の記事ではしいたけの基本的な切り方や飾り切りを紹介しているので、よければそちらも併せてどうぞ。
基本的なしいたけの4つの切り方と見栄えを良くするためのテクニック
私が飾り切りをおすすめする理由は、食材の切り方に手を加えるだけで料理の華やかさが格段にアップするからです。一見難しいように見える飾り切りですが切り方を覚えてしまえば、意外と簡単に出来ます。飾り切りを用いることで普段の料理が特別なものになるので、食卓がさらに賑やかになるのではと思います。誕生日やお祝いの日など、ちょっとした特別な日に、飾り切りのひと手間を加えるだけでも料理が華やかになり特別感を出すことが出来、おもてなしにぴったりなので、是非皆さんも飾り切りを用いて特別感のある料理に挑戦してみてはいかがですか。
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