和食に10年以上携わり何百人ものお客様とカウンター越しに接してきた私が言うのもなんですが、実は箸の持ち方がおかしい大人は意外と多いのです。
自分では上手に使えているつもりでも一緒に食事をする相手の方は意外と間違いに気付いているかもしれません。
でも安心してください、たとえ今晩食事会がある場合でも会場に行く前に見直せる、“正しい箸の持ち方4ステップ”をお話しさせていただきます。
1.1本箸 上側の箸の持ち方
2.1本箸 下側の箸の持ち方
3.2本同時の持ち方
4.動かしてみる
この4ステップを押さえておけば安心です。
そして、やってはいけない箸の持ち方の例と大人でもなかなか治らない箸の持ち方を矯正できるおすすめの矯正箸、これから箸の持ち方を覚えていく小さいお子さんのためのお箸を紹介させていただきます。
是非、参考にしてみてください。
目次
1.正しい箸の持ち方4ステップ
箸を正しく持つためには4つの決められたステップと箸を正しい位置で持つことが重要です。箸を正しい位置で持つ場合、箸の上側1/3を持つように意識してみましょう。
その後、4つのステップを正しくおこなうことで、正しい箸の持ち方が出来るようになります。
1-1 1本箸 上側の箸の持ち方
正しい持ち方を確認するために箸を1本ずつ使って形を確認しましょう。
まずは鉛筆を持つ形をイメージして、親指と人差し指、中指で箸をやさしく持ちます。この持ち方が箸の上側になります。
1-2 1本箸 下側の箸の持ち方
箸を持つときの下側は、親指の付け根と薬指の側面で支えます。
1-3 2本同時の持ち方
1本箸の上側と下側の形をそのまま組み合わせます。
1-4 箸の動かし方
下側の箸は固定し、動かさないように使います。
上側の箸を上下させて食べ物を掴みます。
2. やってはいけない箸の持ち方
私がカウンター越しでよく見かけた、間違った箸の持ち方を紹介します。
①鉛筆持ち
1番多く見かけたのが、この鉛筆持ちです。
見た目には分かりづらいのですが、人差し指が箸の手前に来ています。上の箸は人差し指だけで動かすので食材を持つと安定しません。
②握り持ち
握り持ちは小さな子供が箸を使う時によく見られますが、稀に大人でもこの持ち方のかたがおられます。
箸先が開かないため食材を持つことができませんので、刺す・押し込むなどの使い方になってしまいます。
③クロス持ち
箸が途中で交差する持ち方です。
箸が途中で交差してしまっているため、箸先が上手に閉じません。
この持ち方は豆などの小さな食材や麺類を食べるときに箸先がとじないため、食材を上手に掴めません。
上記の様な“やってはいけない箸の持ち方”に当てはまってしまっても大丈夫です。
ちょっとした工夫で正しい箸の持ち方になる方法を次の項でお話しします。
3.輪ゴム1本で上達テクニック
箸の持ち方はちょっとした工夫で改善することができます。
準備するものは輪ゴム1本と箸一膳だけです。
①8の字改善法
鉛筆持ちや握り持ちをしている方に効果的です。
輪ゴムは人差し指と親指に巻き付けるのですが、この時、輪ゴムは8の字にクロスして下さい。
上側の箸は鉛筆持ちをした状態で輪ゴムの“上”から握ります。下側の箸は親指と輪ゴムの間を通してもちます。親指と輪ゴムの間に下側の箸を通すことで下側の箸が固定され、上側の箸が上手に動かすことが出来ます。この時注意することは、伸びてしまった輪ゴムを使うと下側の箸が上手に固定できませんので、新品の輪ゴムをお使いすることをお勧めします。
②薬指改善法
クロス持ちをしている方に効果的です。
まず薬指の第一関節に輪ゴムを巻き付けます。この時あまり強く巻き付けてしまわないように注意してください。
薬指に巻き付けた輪ゴムの間に下側の箸を通します。この時、上側の箸は正しい鉛筆持ちにして下さい。
下側の箸が固定されることで上側の箸が動かしやすくなります。この時に上側の箸は、親指・人差し指・中指の3本だけで掴むことが重要です。
4.市販矯正箸の種類と選び方
初めて何かをおこなう時、最初はなかなか上手くいかないことが多いのではないでしょうか。
これは、これから箸の使い方を覚えようとするお子さんにも言えることです。「始めは上手くできなくて当たり前だよ」と寄り添ってあげることが上達の近道と考えるのがいいかもしれません。
それでもなかなか上手に出来ないお子さんのために市販の矯正箸がありますので、紹介いたします。
また、大人になってからでも矯正が出来る矯正箸もありますので参考にして下さい。
エジソンのお箸
2歳から就学前のお子さん用です。
箸にリングが付いておりこのリングに指を通すことで正しい位置で固定。この位置で箸を持つことで正しい箸の支点を学べます。
http://www.doctorpeople.jp/goods/disney_hasi.php
三点支持箸
指の形に沿ったくぼみのある構造により、正しい箸の持ち方が自然と身に付くようになる矯正箸です。
これから箸の使い方を覚えるお子さんや鉛筆持ち・クロス持ちを矯正したい大人の方にもおすすめです。
http://www.0848ishida.jp/info/index.html
きちんと箸
正しいお箸の持ち方のために大事なお箸の支点と持ち方をサポートしてくれます。
これから箸の使い方を覚えるお子さんや鉛筆持ち・クロス持ちを矯正したい大人の方にもおすすめです。
http://www.0848ishida.jp/kitinto/main.html
5.なぜ箸の持ち方が重要なのか
箸の持ち方が重要な理由は、3つの理由が挙げられます。
①箸を正しく扱うことで食人作法が美しく見える
②間違った箸の使い方は食事を共にする方を不快にさせてしまう。
③自分が正しく箸を使うことが、自分の子供たちへ引き継がれる。
①②は食事中の箸の使い方でとても重要なことなのですが、③は日本の食文化を未来へ繋げていくと考えれば、更に重要なことと認識できるのではないでしょうか。
日本食の歴史、とりわけ和食の礼儀やマナーは、「箸に始まり箸に終わる」と言われるように箸を使うことはとても重要な部分を占めてきました。
箸には日本の文化や気質が詰まっているともいわれ、生後100日でおこなわれる“お食い初め”は、子供が一生食べ物に困らないように願う儀式ですが、この時も儀式の道具として箸が使われます。
また、御仏前にそなえるご飯にも箸が一緒に置かれます。
このように日本人と箸は切っても切れない関係であり、箸を使うことは“神聖なこと”“重要なこと”と捉えられてきました。
自分の子供に箸の使い方を教えれば、子供は孫へと教えていくこととなります。
幼少時の食事に箸の持ち方を親から丁寧に細かく教えられるのは、こういった“神聖さ”があるためかもしれません。
6.まとめ
箸の使い方は、一人で食事をするのであればあまり気にすることはありませんが、複数で食事をする時はそう言ってはいられません。
これからお子さんに箸の使い方を教えていかれる方やご自身で箸の使い方を修整されたい方。
この記事がお役に立てれば幸いです。
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