スーパーのめんつゆは飽きていませんか?
実は、めんつゆは、だし、醤油、みりん、砂糖、お酒があれば、ご家庭でも簡単に作れます。
簡単に作れるのですが、基本ベースとなるだしの種類を変えたりすると、こだわりのある、美味しいめんつゆが作れます。
基本ベースとなるだしと言えば、鰹節だし、昆布だし、干し椎茸だしなどがあります。さらに、個性を付けると、あごだしがあります。コクを出したいなら、鯖節だしをお勧めします。
さらに、醤油の違いで、めんつゆの味が大きく変わります。特に、関日本と西日本のうどんつゆについては使用する醤油の種類や分量は違います。
めんつゆとそばつゆは同じと思ってしまう方が多いと思いますが、実は、麺に合わせて、使い分けしたほうが美味しい食べることが出来ます。
めんつゆは、出汁と基本調味料で味を整えた複合調味料となっていますので、麺類以外の料理にもよく使われています。
ここでは、ご家庭でも簡単に手に入れる醤油やだしを使った、用途別のめんつゆの作り方を紹介します。
目次
1、用途別めんつゆの作り方
めんつゆはすべての麺類に使える調味料ですが、麺の太さや麺の原材料によって、だしの種類や濃さを調整すれば、よりこだわっためんつゆを作ることが出来ます。
1-1、そうめん用めんつゆ
そうめん用のめんつゆは、そのままかけて使うストレートタイプが多いです。そうめんは、細くてあっさりした麺につゆもからみやすいからか、飲んでもあっさりのが特徴です。そのため、ストレートで飲むことができるつゆになっています。
○材料
だし材料は薄く、細かく加工した削り節がお勧めです。その理由は、めんつゆに合わせる調味料は、醤油や味醂等は長時間加熱すると味がボケてしまうので、短時間でもしっかりしただしを作れるのが良いです。
例えば 鰹節薄削り、さば節薄削り・・・いわば、花削り、ソフト削り、もしくは砕片化したものです
調味料:醤油、みりん、お酒
○作り方
今回は鰹節と鯖節を薄く削った物さらに細かくした破砕品を使用しました。破砕品入手できなければ、はさみやミキサーを細かくすればよいです。
削り原料:鰹節…10g、鯖節…10g、醤油…100g、みりん…100g、お酒…100g、水…400g
①鍋にみりんとお酒を入れ、加熱します。アルコール飛ばし*1たら、水と醤油を入れます。
②沸騰直前に削り節を入れます。
③弱火にし、沸騰させない状態を10分間保ち。
④ザルにキッチンペーパーを敷き、濾過したら完了です。
鰹節と鯖節を併用した理由は、鰹節は十分美味しいですが、鯖節入れることにより、さらにだしの深みを引き出せます。
*1:アルコールを飛ばすとは、みりんや日本酒などを使うときに加熱してアルコール分だけをなくして、甘味や旨みだけ残す方法をいいます。アルコールの沸点(沸騰する温度と言います)は78℃なので、水より蒸発していきます。そのため、ブツブツ沸騰するまで加熱しなくでも良いです。温度計なければ、鍋の底に小さいな泡が出る状態で良いです。その時、においをかくと、お酒の匂いを感じます。
1-2、うどん用めんつゆ
うどんは地域によって太さや形状に違いがありますが、全体的に太めです。そのため、麺の味に負けないよりの濃厚なだしの方が良いです。数種類の節のうまみとコクが重なり濃厚なだしを作り出します。
また、うとんつゆについて東日本と西日本での嗜好性が異なっています。東京のそばに対して大阪のうどんとか、関西はつゆで関西はだしと言われています。判別方法は簡単、関東は醤油色であり、関西は色が薄く、丼の底まで見えるつゆであり、一目でその違いがわかります。
1-2-1、関西風うどんつゆ
鰹節だしを中心に使用しています。特徴は、昆布と併用することです。薄口醤油は風味付け程度に使用、塩を少々加えて味を調え、さっぱりした甘味を有し、だしを感じる上品なうどんつゆです。
○材料
昆布…3g、うるめ煮干し…頭、内臓を取った後5g、鰹節の薄削り…10g、鯖節の薄削り…8g、水…850g。 出来上がりは凡そ2人前分。
昆布は加熱過ぎると、香りが飛んでしまうので、節類は薄削りの方がお勧めです。
調味料:薄口醤油…40g、みりん…40g
○作り方
①、鍋に水を入れ、常温の状態で昆布と頭と内臓を取り除いたいわし煮干しを入れます。1時間~一晩寝かす、水抽出を行います。
②、加熱。沸騰直前に、昆布といわし煮干しを取り除きます。
③、鰹節と鯖節を入れます。弱火にし、沸騰させない状態を10分間保つ。
④、ザルにキッチンペーパーを敷き、濾過したらもう一度鍋へ戻します。
⑤、調味料を入れ、醤油やみりんのアルコール分をとばしたら完成です。
色が薄くて、濃厚なだしを感じられるうどんつゆです。
1-2-2、関東風うどんつゆ
関東のうどんつゆは、関西の人は「濃くて、からい」と評します。出汁は、鰹節、煮干し等雑節を総合的に使用しただしです。濃口醤油や味醂を加え、砂糖で味を調え、色々なうま味成分を調和されたつゆです。
より濃厚なだしを得るために、厚削りをお勧めします。しっかり時間かけて抽出し、コクのあるだしが得られます。
雑節とは、鰹節以外の煮干しや鯖節の節を言います。
○材料
鰹節厚削り…15g、鯖節厚削り…15g、昆布…5g。水…1000g。出来上がりは凡そ3人前分。
調味料
濃口醤油…65g、味醂…50g、ザラメ(なければ上白糖でも良い)…15g
○作り方
①、鍋に水を入れ、常温の状態で昆布を入れ、1時間~一晩水抽出を行います。
②、加熱。沸騰直前に、昆布を取り除きます。
③、鰹節と鯖節を投入します。灰汁(あく)と取り、微沸騰状態で15分間煮出します。
④、上澄み液を取り、別の鍋へ移します。削り節が細かい、だし中に残る場合は、ザルにキッチンペーパーを敷き、濾過すれば良いです。
⑤調味料を投入します。
⑥加熱しながら、優しく混ぜ、砂糖が溶ければ完成です。大きく混ぜると、鍋の壁にくっつくので、焦げやすいです。
醤油、味醂、出汁を使った、日本伝統の調味料のうま味を生かしたうどんつゆです。
1-3、煮干し等入れた個性的なめんつゆ
一番よく知られた例としては讃岐うどんつゆです。讃岐うどんのだしの特徴は「いりこ」を使用することです。
いりこにはカタクチイワシを使うのが一般的ですが、ウルメイワシやマイワシ、意外なものだとイカナゴやサバ、トビウオなどが使われることもあります。煮干しと呼ばれる地域もあります。鰹節で取っただしよりも香りが強く、脂の甘味を感じるのが特徴です。
いりこ」の特徴を生かしただしであれば、多少苦味を感じるのですが、頭と内臓は取らなくでも良いです。臭みを消したいのであれば、昆布を入れれば良いです。
レシピ配合の一例として、
○材料(約3人分)
いりこにぼし… 10g、昆布…3g、鰹節…10g、鯖節…10g、ウルメ煮干し…10g、水…1000g。
調味料
醤油…40g、味醂…10g、料理酒…15g。
人数分やお好みで調整してください。
作り方は、上記の関西風うどんつゆを参考してください。
ここまではめんつゆの作り方について、紹介しましたが、めんつゆとそばつゆは同じではないかと思っている方が多いと思います。実は、めんつゆとそばつゆを使い分けしたほうが良いです。それは、めんつゆとそばつゆには違いがあるからです。
2、めんつゆとそばつゆの2つの違い
めんつゆとそばつゆの違いは、味と作り方の違いです。
2-1、味の違い
めんつゆは、幅広い麺類に合うように作られています。そばつゆは、そばに合うように作られています。そのため、めんつゆとそばつゆの違いは、だしの濃さと醤油の種類です。
その理由は、そばつゆはそば粉に負けない強さが必要です。そのため、強めのだしや濃口しょうゆもしくは溜まり醤油の使用が多いです。甘さも塩辛さもやや高めになっています。お店では、そば粉の割合によって、出汁や醤油の配合を変えていきます。
例えば、鰹節の単体の使用により、宗田節や鯖節と併用していきます。濃口しょうゆよりも濃口しょうゆと溜まり醤油の併用です。
2-2、作り方の違い
もう一つは、めんつゆはだしに直接調味料を入れ、ひと煮立ちしたら完成ですが、こだわりのそばつゆは、「かえし」を使います。これは、調味料を混ぜあわせたのもを前日に作成した物です。
これは、そばつゆの味が濃いので、使用する調味料の種類や分量が多く、食べる直前に入れると、味の角が残っており、味もバラバラになってしまいます。そのため、前日まで作成、熱を通した後、一晩寝かせるのです。
めんつゆは、だしと基本の調味料を使って、味を整えた調味料となっていますので、麺類以外の料理にも使われていますが、専門店であれば、やはりだしや醤油にこだわっています。
3、その他のつゆ
3-1、天つゆ
天ぷらにつけるつゆです。天ぷらに衣がついている場合、天つゆを量多く吸うので味は薄めに、衣がつかず、味が染み込みにくい場合は味をやや濃くします。基本の作り方はだしを煮立て、醤油、味醂や砂糖を加えます。
専門店では、濃口醤油、味醂から作ったものと薄口醤油と塩で作ったものを2種類の天つゆを用意しています。後者は酒席用の天つゆとしています。
また、天ぷらの揚げる油によって、天つゆを変えるところもあります。香りの強いごま油のような油を使う場合は、濃いめの天つゆ、サラダ油のようなあっさりした味であれば、同じようなあっさりした天つゆに変わります。
3-2、鰹節で万能めんつゆ
ここでは、一番無難なめんつゆを万能つゆとして紹介していきたいです。それは、一番入手しやすい鰹節削り節を使っためんつゆです。
万能めんつゆとは、麺類に調味料として使うではなく、幅広い範囲の料理にも使えます。鰹節だしは香りや味はよく、どのような料理も相性が良いという利点がありますので、お勧めで。また、鰹節だしは古くから日本料理に使われていますので、一番食べなれただしと言えます。
レシピは下記にように、
○材料
鰹節削り節…40g、水…1000g
調味料
醤油…50g、味醂…50g、お酒…50g、上白糖…40~50g、食塩…5~8g。
○作り方
①だしを取ります。
削り節によって、だし作る時間が違います。お手元である物で良いと思います。
花かつおのような薄削りであれば、鰹節をの香りを楽しめるだしが得られます。この場合だし取る時間は10分間です。厚削りであれば、鰹節のコクを感じるだしが作れます。この場合だし取る時間は15分となります。
②だしを作ったら、調味料を混ぜ、ひと煮立ちすれば完成です。
めんつゆは基本的麺類全般的に使える調味料ですが、麺の太さに合わせて作れば、より美味しく召し上がれます。特に、今の季節では、麺類の出番が多くなると思います。そのため、めんつゆの削り節を変更するひと工夫で、簡単に今までと違っためんつゆを作ることが可能です。ぜひ、試してみてください。
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