和風あんって中華料理にかかっているあんかけ料理と何が違うの?
料亭や日本食チェーンで提供される料理にあんかけが乗っている料理に“和風あん”と書かれているのを見たことがありませんか。
また、中華料理店のメニューには「和風あん」と記載されているのを見かけたことが無いと思います。一見同じ“あんかけ”料理ですが、材料や使う料理に違いがあります。
ここでは、「和風あん」と「中華あん」の違いと和風あんの作り方をお話いたします。
冬場の料理の一工夫に是非「和風あん」を取り入れてみましょう。
目次
1.和風あんと中華あんの違いはベースの違い
和風あんとは、鰹やサバ、昆布などでだしを取ったものに片栗粉などでとろみをつけたあんかけ料理に使う「あん」のことです。
見た目は中華の天津飯にかかっている「中華あん」に似ていますが、中華あんは鶏がらだしをベースにしたものに対し、和風あんは鰹などでだしを取った「和風だし」がベースになっています。
またとろみをつけるのに使用する片栗粉にも違いがあります。
中華あんでは片栗粉を使うことが多いのですが、日本料理店や料亭などでは和風あんを作る場合、日本産の葛粉を用いる場合もあります。
かつおだしや葛粉を使うことで、日本産の食材の味を引き立たせる効果があると言われています。
葛粉
片栗粉
しかし、家庭で和風あんを作る場合は片栗粉でも問題はありません。
片栗粉は、スーパーやコンビニでも購入することが出来ますが、葛粉はなかなか売っていませんし、価格も市販の片栗粉よりも効果になってしまいます。
和風あんと中華あんの見た目は一見同じですが、香りや味は全く違いますので、料理によって使い分けが必要になります。
和風あん
中華あん
2.和風あんの作り方は4ステップ
寒い季節の夕食はホッと温まる料理が食べたいものです。
ここでは、今晩の夕食でもサッと作れる和風あんの作り方を紹介します。
2-1 準備するもの
★だしの素(だしパックでも可) 小さじ1
★薄口しょうゆ 小さじ1
★みりん 小さじ1
★塩 ひとつまみ
★水 200cc
☆片栗粉 小さじ2
☆水 大さじ1
(☆マークの水 大さじ1は、★マークの水200ccには含まれません。)
2-2 和風あんかけ用のだしベースを作る
★だしの素(だしパックでも可) 小さじ1
★水 200cc
まずは、2種類の材料を使って和風だしを作ります。
お湯を沸かし、だしの素もしくはだしパックを投入します。
お湯が沸騰したら、弱火にし、だしの素を投入します。
だしぱっくの場合、弱火にした後、だしパックを投入して2分程度でだし取りが出来ます。
だしが取れたら、
★薄口しょうゆ 小さじ1
★みりん 小さじ1
★塩 ひとつまみ
以上、3種類の調味料を投入して、再沸騰(小さな気泡が鍋底からポコポコ出る程度)させます。
これで和風あんのだしベースが完成しました。
2-3 とろみを出す水溶き片栗粉を作る
☆片栗粉 小さじ2
☆水 大さじ1
以上2種類を混ぜ合わせ、水溶き片栗粉を作ります。
混ぜ合わせたとき、お皿の底に片栗粉が溜まっている時は水の量が足りないサインないので、小さじ1杯分の水を追加しても構いません。
2-4 だしベースと水溶き片栗粉を混ぜ合わせる
だしベースと水溶き片栗粉の準備が出来たら、再度、だしベースを弱火で温めます。
小さな気泡が鍋底からポコポコ出る程度になったら、水溶き片栗粉を少しずつ投入します。
この時、菜箸などで鍋のふちに沿って円を描くように数回回転させるとふちに鍋の沿って水流が生まれます。このタイミングで水溶き片栗粉を少しずつ投入し、混ぜ合わせたら完成です。
水流がない状態で水溶き片栗粉を投入するとだしと水溶き片栗粉が上手に混ざらず、片栗粉の塊が出来てしまいます。料理に使ったときにさらっとしたあんかけではなく、少し口に残るあんかけ料理となってしまいますので注意が必要です。
3.和風あんを使った料理3選
今回は、簡単に作れる和風あんを使った料理3品を紹介します。
作り方は簡単ですので、今晩の夕食のもう一品用として参考にしてください。
3-1 和風ニラ玉あんかけ 2名分
和風だしをベースにしたニラ玉に和風あんかけを添えた“和風ニラ玉あんかけ”の作り方を紹介します。
ニラは鮮度が良いものを選ぶことで風味がよく、和風あんかけとの相性も良くなります。
準備するもの
・ニラ 90g
・卵 3個
・醤油 小さじ1
・だしの素 小さじ1/2
・水 大さじ1
・和風あんは前項の作り方を参照
① ニラは3cm幅に切る
② ボウルに卵3個とだしの素・水・醤油を加えて混ぜる
③ ①②を混ぜ合わせる
④ フライパンを熱し、③を投入
⑤ ニラ玉が出来たら和風あんを上からかける
⑥ 完成
3-2 つみれの和風あんスープ 2名分
魚のつみれを使用した“つみれの和風あんスープ”をご紹介します。
つみれのベースとなるものは、赤身魚(鰹・マグロ)よりも青魚(いわし・アジ)のほうが安価で食感も柔らかいものとなります。
鶏肉でつみれを作っても問題ありませんが、鶏肉の風味と和風あんの風味が相殺されてしまうことがありますので、だしの素の量をお好みで増やす必要があります。
準備するもの
・魚のつみれ 200g
・生姜のみじん切り 10g
・しょうゆ 大さじ1/2
・酒 大さじ1/2
・水 400cc
・だしの素(だしパックでも可) 小さじ2
水溶き片栗粉用
・片栗粉 大さじ1+小さじ1(小さじ4杯分)
・水 大さじ2
① 魚のつみれと生姜のみじん切りを混ぜる
② ①を一口大の大きさに丸める
③ 水を沸かし、だしの素を入れる
④ だしが沸いたら弱火にしてしょうゆ・酒を入れる
⑤ 弱火のまま②を入れる
⑥ 2分経過したら水溶き片栗粉を投入
⑦ 完成
3-3 あんかけ茶碗蒸し 2名分
茶碗蒸しの蓋を開けたとき、和風あんが掛かっているとちょっと得した気分になりませんか。
あんかけ茶碗蒸しを作る時は、茶碗蒸しの塩分を控えめにすることをお勧めします。
和風だしにもある程度の塩分が含まれていますので、いつもの茶碗蒸し入れる塩分の半分程度を目安にしてください。
準備するもの
・卵Lサイズ 1個
・水 180cc
・だしの素 小さじ1
・塩 少々
・冷凍むきエビ 2個
・椎茸 薄切り2枚
・三つ葉 適量
① 水を沸かし、だしの素を入れる
② 出来上がっただし汁を人肌程度に冷ます
③ たまごをといて②と塩を入れ、混ぜ合わせる
④ 茶碗蒸し用の容器に③を入れ、冷凍むきエビ・椎茸を入れる
⑤ アルミホイルで茶碗蒸し用の容器に蓋をする
⑥ 蒸し器に入れる
⑦ 強火で3分→弱火で約10分加熱する
⑧ 蒸している間に和風あんを作る
⑨ 茶碗蒸しが出来上がったら、和風あんを掛け、三つ葉を添える
⑩ 完成
4.まとめ
和風あんとは、鰹やサバ、昆布などでだしを取ったものに片栗粉などでとろみをつけたあんかけ料理に使う「あん」のことです。
特に冬場では、料理が冷めてしまわないように“あんかけ料理”の登場が多いのではないでしょうか。
和風あんが掛かった料理が提供されるということは、温かい料理を食べさせてあげたいという相手への思いやりの料理ともいえます。
今日の夕食に和風あんを使った料理を作ってみませんか。
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