豆腐は肉類に比べて低脂肪で低カロリーです。しかも手軽に買えて、その上調理するのに手がかからないとても重宝な食品です。
豆腐は良質のたんぱく質をはじめとして適度な脂質を含み、栄養素のバランスが取れた健康食品です。
豆腐と一般的な肉類の栄養成分を比較すると、
値段も手ごろで、どこでも買える日本の伝統食の豆腐は調理のアレンジも多彩です。
豆腐の脂質を通して健康な体つくりを学びましょう。
*豆腐は製法により木綿豆腐と絹ごし豆腐に大別されますが、栄養成分に大きな違いはないためここでは「木綿豆腐」でご説明します。
1.豆腐は低脂質で低カロリー
豆腐は肉や魚に比べて低脂質であり、低カロリーです。食生活に気を付けている人には最適の食材です。
豆腐はご存じの通り大豆を原料にしています。大豆は「畑の肉」とも称されるくらい肉類に匹敵するのたんぱく質を含んでいます。
とうぜん豆腐もたんぱく質を含み、しかもそのたんぱく質はとても良質なものです。
肉類や魚もたんぱく質は豊富ですが、脂質やコレステロールも多く含まれるため注意が必要なのです。
そのうえ豆腐には女性ホルモンと同じような働きをする「大豆イソフラボン」を含んでいます。女性の美しさや若々しさを保つお手伝いをしてくれるという効果も期待できます。
2.豆腐の脂質は健康に良い
豆腐に含まれている脂質の量は気にするほど多くはありません。
しかもコレステロールを含まないのです。
そもそも脂肪とは三大栄養素のひとつで炭水化物・たんぱく質と並ぶ重要なエネルギー源です。
脂肪というと肥満の原因になったりコレステロールを増やしたりと敬遠されがちな物質と思われがちですが、人体にとっては欠かせない栄養素です。
2-1豆腐の脂質は不飽和脂肪酸
脂質の主成分は脂肪酸です。
脂肪酸は大別して「飽和脂肪酸」と「不飽和脂肪酸」に分かれます。
不飽和脂肪酸は植物油や魚油に多く含まれ、血中の中性脂肪やコレステロールを低下させる働きもあります。
飽和脂肪酸は動物性脂肪に多く含まれています。
凝固温度が高いため人の体内では凝固されやすくなり過剰にとると動脈硬化になりやすくなるといわれています。
豆腐はそもそも脂質の含有量が少ないうえ、その内訳を調べると私たちにとってとても有益な脂質だということがわかります。
2-2豆腐の必須脂肪酸
豆腐に含まれる不飽和脂肪酸のうち必須脂肪酸とよばれる「オレイン酸」と「αリノレン酸」は体内で合成できないため、食品から摂取する必要があります。
2-2-1リノール酸
リノール酸は総コレステロール値や中性脂肪を下げる作用があり、高血圧をはじめ生活習慣病を予防する効果があります。
しかし、取りすぎるとやはりよくありません。
リノール酸を取りすぎると肥満を招くだけでなく、悪玉のLDLコレステロールだけでなく善玉のHDLコレステロールも減少させてしまいます。
何事も過ぎたるは及ばざるのごとしです。通常の調理で使う摂取量にとどめましょう。
2-2-2 αリノレン酸
αリノレン酸(あるふぁーりのれんさん)は悪玉のコレステロールを減らし、アレルギー症状を予防・改善します。
αリノレン酸は体内に取り入れられると血液中のLDAコレステロールを減らすだけでなく善玉のHLDコステロールを増やします。
また、脳細胞を活性化して高血圧を予防するなどの効果が期待できます。
アトピー性皮膚炎や気管支ぜんそくなどのアレルギー症状を改善する作用もあります。
さらにαリノレン酸は大腸がんや乳がん肺がんなどの予防や進行を抑えるのに有効であることわかってきています。
栄養成分値出典:日本食品成分表2020年版(八訂)
「忙しく余裕のない日は豆腐にしよう」今泉久美 ㈱山と渓谷社発行
「新版栄養成分の事典」監修:則岡孝子 発行:新星出版社
「あたらしい栄養事典」監修者:田中明・菊池桂子 発行所:日本文芸社
「運動・からだ図解 栄養学の基本」監修:渡邊昌 発行所:㈱マイナビ出版所
3.まとめ
豆腐は江戸時代中頃から庶民のあいだへ徐々に広まった食品です。
肉類をほとんど食べることがなかった日本人にとって大豆から作られる豆腐はご馳走であり、たいせつな栄養源でした。
豆腐はいろいろな料理に使えて食べ飽きることがなく、なにより低脂肪で低カロリーのすばらしい食品です。
手間がかからず健康な体つくりの手助けになる豆腐ですが、一番大切なことは野菜や魚、肉などをバランスよくいただくことです。
幅広い食材を選んで健康な生活を過ごしましょう。
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