煮干しはどのようにたべていますか?
だしとして、前日の夜仕込んで、翌日使う時ひと煮立ちすれば、美味しいだしができます。
間食のおやつとして、そのまま食べることも可能です。
栄養素の面から考えると、だし汁の中では、煮干しのタンパク質やカルシウムは溶出できませんので、だしガラとなる煮干しも一緒に食べてほしいです。
だしガラは味をつけて、電子レンジをかければ、簡単におつまみやおやつとして食べることができます。
さらに、だし汁のおいしさと栄養面を追求すると、煮干しを粉末にして、粉末煮干しだしを作れば、出汁と煮干しの身が一度の料理で、両方食べられます。無理なく、日常の食事生活で味と栄養素の面を考慮した食べ方となります。
目次
1.煮干しの食べ方2つのパターン
1−1.だしを取る
煮干しを水に漬け、冷蔵庫で一晩おけば、美味しい煮干しだしができます。これはもっとも一般的な煮干しの食べ方と思います。
煮干しだしの取り方について、詳しく知りたい方は「手軽に簡単おいしい!写真で見るイチから作る煮干しだし取り方」もぜひ読んでください。
1−2.そのまま食べる
もう一つの食べ方は、そのまま食べる事です。実は、スーパーのおやつコーナーでよく見られる「小魚アーモンド」の中身は煮干しです。
だしとして食べる場合とそのまま食べる場合、体へ取り込む栄養素が違いますので、筆者は、煮干しの栄養をまるごと体へ取り込みたいのであれば、煮干しをそのまま食べることをおすすめします。さらに詳しく知りたい方は、この記事も併せて読んでください。「煮干しをおやつとしてそのまま食べることをおすすめする3つ理由」
2.煮干しだしとして食べる方法
煮干しだしの取り方は、2つあります。
2-1、水出し方法
頭と内臓を取り除いた煮干し30gを水1000Lに入れ、半日から一晩寝かせば、水出しの煮干しだしができます。上澄み液だけ使っても十分煮干しだしの味を味わえます。ひと煮立ちすると、よりコクのある煮干しだしが作れます。
2-2、煮出し方法
頭と内臓を取り除いた煮干し30gを小さくちぎって、水1000Lに入れます。30分水漬けで、弱火で煮出します。沸騰したら、火を止め、5分間余熱で加熱します。キッチンペーパー等を使って、煮干しのだしがらを取り除けば煮干しだしができます。
3.煮干しをそのまま食べる方法
3-1、煮干しはそのまま食べられます。
だし取用煮干しでもそのまま食べることは可能です。スーパー等でそのまま食べる煮干しを売りにしている商品は、衛生管理を厳しくしたもの、もしくは減塩処理したものの違いがあると考えられます。だし取用煮干しは、ご家庭で一度加熱する事を想定して作られた商品となります。大量に食べなければ、健康に被害は出ないと思いますが、お腹や体調の弱い方は「そのまま食べる」や「食べる煮干し」を表示された商品を選んだ方が良いです。
3-2、だしがらも食べる
一度だしを取った煮干しは捨てずに、佃煮や炒め物にして、美味しく食べられます。
煮干しのだしがらは味噌汁の具材としてそのまま使ってもいいですが、醤油砂糖を加え、佃煮にしてもおいしいです。一度、煮出しをすることで、調味料の味はしみこみやすいです。さらに、一度だし取った煮干しの塩分と脂肪分は低減され、塩分や脂質制限した食事の食材として活用できます。
煮干しのだしがらを手軽におつまみにするレシピを一例紹介すると、電子レンジを使いますので、少量でも作りやすいです。
1L分のだしを仕込む場合、頭内臓を取り除いた煮干しは30g、水で戻してだしを取った後のだしガラは50g前後となります。
小さじで砂糖:醤油:お酒:味醂を2:2:2:2の比例で、砂糖が溶けるまで混ぜます。煮干しのだしがらを入れ、上記の調味料を全体にまぶせるように、軽く混ぜ合わせます。
最後に、平らなお皿に重ねないように広げます。お好みで胡麻をふりかけでもよいですが、電子レンジ加熱する時、胡麻がはじけて飛ぶことありますので要注意です。
電子レンジで600W:2~3分間加熱しますが、1分毎に一回出して、様子を確認しながら、混ぜ返します。加熱時間は電子レンジによって差がありますので、お好みの硬さなるまでで良いと思います。加熱しすぎると、焦げてしまい、苦みが生じますので、要注意です。
4、煮干しを粉末にしてだし汁と一緒食べると栄養素の取り込みアップ
煮干しの粉末を使い、だし取りした後、濾さないで一緒に食べれば、出汁の旨味を味わえる上で、煮干しの栄養素も体へ取り込むことができます。
4-1、煮干しの栄養素
煮干しの栄養素と言えば、カルシウム、たんぱく質、ミネラル、うま味成分のイノシン酸等として挙げられます。
しかし、カルシウムやたんぱく質のような水に溶けにくい栄養素は、出汁を取った後にも煮干し取り除かないで、一緒に食べることがおすすめです。
4-2、煮干しを粉末にすると、栄養素がだしへ溶出しやすくなる
4-2-1、だし汁中のカルシウムの量
栄養学雑誌の報文より
従来の煮干しだしは、煮干しの頭、内臓を取り除き、さらに身を半分に割った煮干を使用しただし汁と前述した半分に割った煮干しをさらにフードプロセッサーをかけて、2mm前後(家庭用フードプロセッサーで15gを2秒ほどを2回)になった煮干しを使っただし汁と比べると、だし汁中で、カルシウムの量が多くなりました。
フードプロセッサーをかけた粉末煮干しだしは、従来の煮干しだしよりもだし汁のカルシウム量は1.5倍が多い事が分かりました。そのため、従来味噌汁1杯分(約150ml)飲んだ場合、カルシウムを約1.3mg摂取できますが、ひと工夫すれば、同じく1杯分の味噌汁の量でも、カルシウムの量が2.3mgとなります。
参考文献:煮干しの有効利用に関する研究
4-2-2、粉末煮干しの作り方
家庭のフードプロセッサーで簡単に粉末煮干しを作れます。前処理した煮干しをそのままフードプロセッサーにかければ、粉末煮干しになります。その粉末を使っただしは粉末煮干しだしと言います。
しかし、粉末煮干しだしは、口の中の“ざらつき”が気になることがあります。そのため、上記の報文は、煮干し粉末の粉砕時間変えて、粉末のサイズを測定し、実際に味噌汁を使って、官能検査を行いました。その結果、煮干しを20秒間フードプロセッサーにかければ、2/3以下は細かに粒子(355μm)となり、ざらつき感が少なく、食べやすいと評価しています。
355μmとは、加工業界の業務用では54メッシュパスと言います。よくラーメンのトッピングとして使われます。
実際に、前処理(頭内臓除き)した煮干しを家庭でかけてみました。20秒間フードプロセッサーにかけた煮干しは、粒の大きいなものが残っていますが、50秒まで延ばせば、ほぼ全量の煮干しが細かくなります。このぐらいの細かい粒の粒子は355μm以下になります。
確かに、細かければ、味噌汁の味噌粒と同じように、食感に影響しないと思います。
4-2-3、粉末煮干しだしの作り方
細かくした粉末煮干し4.5gを、150gの沸騰水に、0.5分間加熱するだけで十分美味しくだしが作ることができました。口中のざらつき感が少ないので、味噌汁作るであれば、細かく粉末になった煮干しは濾さなくでもよい、汁とともに一緒に摂取することは可能です。
実際に、同じ量の水に、同量でサイズ違う煮干しを使って、味噌汁を作りました。その結果、従来に半身割利した煮干しは、じっくり時間かけて仕込みましたので、とでも美味しですが、粉末煮干しだしもおいしくできました。さらに、仕込み時間がないので、すぐに使いたい時には役に立つと思います。
見た目を比較すると、若干濁りが付きますが、試飲すると、味は大きく差がありませんでした。実際に味噌を溶かして、味噌汁として試食すると、粉末煮干しは口の中で違和感がありませんし、口の中のざらつき感もしませんでした。
フードプロセッサーにかけるだけで、煮干しの栄養素がより摂取できることは、一回確かめる価値があると思います。
5.まとめ
煮干しの食べ方は、「出汁」として使うか「そのまま食べる」の2通りあります。「だし」だけ食べると、煮干しの身についているタンパク質やカルシウムは十分摂取できないことがあります。煮干しをそのまま食べると煮干しの旨味が十分感じないこともあります。煮干しのだしがらを再利用すると、煮干しの身を食べることが可能です。
しかし、もっと手軽に、1回の料理だけで煮干しだしと煮干しの身のどちらも食べられる方法を追求すると、家庭のフードプロセッサーを使い、煮干しを粉末にしてからだし作ると、仕込み時間が短縮でき、煮干しだしと煮干しの身を一緒食べることができます。
一工夫すれば、日常の食事で、無理なく、煮干しのおいしさと煮干しの栄養素を両方同時に摂取できます。
コメント