鰹節の砕片の選び方で困っていませんか?
大きな砕片であればあつあつの料理で花が踊る様子が楽しめます。
サイズの小さい砕片であれば食べやすく具材をひきたてる名脇役になれます。
しかし料理のコンセプトに合わない砕片を選んでしまうとせっかくの料理が台無しになってしまいます。
だから、料理に合う砕片の選び方が重要です。
この記事では砕片の種類とそれぞれの特徴を説明します。
これを読めば自慢の料理に最適な鰹節の砕片を選べるようになるでしょう。
目次
1 鰹節の砕片とは
鰹節の「砕片」とは鰹の薄削り(花かつお)を小さく砕いた鰹節のことです。
(画像 砕片と花かつおを並べて)

砕片は、薄削りを作った後に特別な機械を通って細かくすることで出来上がります。
※花かつおを砕片状にしたため「花砕片」と呼んでいます。
1-1 鰹節の砕片の特徴
鰹節の砕片の特徴は
・花かつおに比べ、細かくなっているためそのまま食べやすい
です。
花かつおのおいしさをそのままに、食べやすく加工された削り節です。
その特徴からたこ焼きお好み焼き、冷奴のトッピングから煮物、漬物に混ぜたりふりかけの具材になったりと、幅広く使用されております。
花かつおと同じようにだしをとることも可能ですが、あくまでも食べやすくすることを目的として花かつおを加工したものが砕片です。
料理に使いやすく、家庭用では3g程度の鰹パックとして様々なメーカーから販売されています。
2 料理に適した砕片の種類
削り節のサイズによる特徴と、砕片が合う料理を表にまとめました。
| 特徴 | たこ焼・ | おひたし | 佃煮・ | 冷奴 | 漬物 | ふりかけ |
サイズ大 | 花が踊る | ○ |
|
|
|
|
|
サイズ中 | 食べやすく、和えやすい | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
サイズ小 | 具材の邪魔をしない |
|
| ○ |
| ○ |
|
料理のコンセプトにより適した砕片は異なります。
次の章からは種類による選び方を詳しく説明します。
3 砕片のサイズと選び方
鰹節の砕片を選ぶ際に重要なのは砕片のサイズです。サイズによる違いと選び方を説明します。
3-1 サイズ大
こちらは鰹節の存在感を際立たせたい料理や、熱々の料理の上で「花が踊る」様子を出したい場合にお勧めの砕片です。

長さ3cmほどで、1円玉より大きいサイズです。
鰹節の存在感を出したいが、花かつおそのままでは食べづらかったり、他の具材に比べてサイズが大きすぎると感じる場合に、こちらの砕片を選ぶとよいでしょう。
また、たこ焼きやお好み焼きなど熱々の料理の上で花が踊る様子は食欲をそそるため、そういったコンセプトの料理に最適です。
3-2 サイズ中
食べやすさと鰹節の存在感のバランスがよくいろいろな料理に適した砕片です。

長さ1~1.5cmほどの大きさで、たこ焼き、冷奴などのトッピングから煮物に絡めたりと幅広く利用されています。
熱々のたこ焼きにかけた場合に砕片は踊りつつ、口当たりやソースとのからみ具合もよく、非常に食べやすい砕片といえます。
また、芋類など大きめな具材の煮物などに絡めたとき、具材に対しての鰹節の存在感がバランスがよい砕片です。
スーパーなどで販売されている鰹パックにはこのサイズの砕片が入っていることが多く、家庭でも幅広く利用されている砕片です。
3-3 サイズ小
かつお梅の鰹節や、佃煮などに適している小さな砕片です。

細かい2mm程度四方の小さな花砕片で、漬物や煮物において和える具材を主役とする砕片です。
小さくとも鰹節の味をしっかりと感じるため、見た目には料理の邪魔をせず食べたときに鰹節を感じます。
かつお梅や佃煮で、鰹節の風味を生かすために利用されています。
砕片のサイズ(大きさ)による違いは、大きいほど花かつおに近く鰹節としての存在感があり、温かい料理にかけると花が踊ります。
サイズが小さいほど食べやすく、煮物では和えやすくなります。
料理のコンセプトや和える具材の大きさに合ったサイズの砕片を選ぶことが重要です。
4 サイズ以外の種類の選び方
砕片には花かつおと同様に厚さ、節の加工、産地の違いによる種類があります。
適した料理の選び方を表にまとめました。
| 特徴 | たこ焼・ | おひたし | 佃煮・ | 冷奴 | 漬物 | ふりかけ |
通常の厚さ | 一派的な砕片 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
厚め | 鰹節の存在感 |
|
| ○ |
| ○ |
|
それぞれの違いと選び方を紹介します。
4-1 厚めの砕片の選び方
あえて鰹節を強調したい漬物や煮物には厚めの砕片の使用をおすすめします。

一般的な砕片は花かつおと同じ40~70ミクロンという厚さで作られ、通常はこの厚さのものです。
料理に通常の薄い砕片を和えた場合にはそれが鰹節とわからない場合があります。
例えば、漬物で調味液に漬かった鰹節が「鰹節である」とわからない場合に、鰹節を厚くすることで色がはっきりとし形も保たれるため、調味液の中での存在感が増します。
花かつおより厚く食べにくいため、直接料理にふりかけるのではなく、漬物や煮物など砕片に水分を加えて和えることでやわらかくして使用します。
鰹節を強調したい漬物、煮物には厚い砕片をおすすめします。
4-2 鰹節加工の種類と選び方
| 特徴 | たこ焼・ | おひたし | 佃煮・ | 冷奴 | 漬物 | ふりかけ |
荒節 | 一派的な砕片 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
枯節 | 香り高く、まろやか |
| ◎ | ◎ |
|
|
|
血合抜 | 上品な見た目、味わい |
| ◎ |
| ◎ |
|
|
通常の花かつおを砕片に加工した場合は、「荒節」とよばれる節を使用します。
現在流通している花砕片はこの荒節を使用しているものが大半です。
ここでは「枯節」と「血合い抜き」という荒節と加工のことなる鰹節を使った砕片と選び方を紹介します。
① 枯節の砕片の選び方
枯節の砕片は、枯節の香りにこだわり風味を生かしたいおひたしや薄味の煮物などに適しています。

枯節とは荒節の表面を削って良質なカビをつけたものです。
良質なカビにより鰹節の水分が抜け、旨み成分が凝縮され、また鰹節の脂肪分が分解されてまろやかな風味に変化します。
枯節は荒節をさらに加工するため手間がかかり高価になりますが、荒節とは異なる特徴的な上品な香りと風味が醸し出されます。
だしに枯節を使用している料理には枯節の砕片をこだわって選ぶべきでしょう。
枯節の香りにこだわり風味を生かしたいおひたしや薄味の煮物などに適しています。
② 血合抜
血合抜の砕片は、見た目の上品さにこだわるおひたしなどへの使用が最適です。

血合抜とは鰹節の血合いの部分を取り除いた削り節を砕片にしたものです。
血合いからは鰹の生臭みが感じられるため、血合い抜きにすることで臭みを抑えた上品な味、風味になります。
また、削り節の色合いは薄いピンク一色となります。
通常の荒節の削り節では血合いの部分が赤くなるため、赤色とピンク色が混ざった色合いとなりますが、血合抜はピンク一色で見た目も非常に美しく、上品な料理のイメージにぴったりの砕片です。
そのままふりかけて使用することで血合抜の魅力が最大限に発揮できるため、見た目の上品さにこだわるおひたしなどへの使用が最適です。
4-3 産地の種類と選び方
| 特徴 | たこ焼・ | おひたし | 佃煮・ | 冷奴 | 漬物 | ふりかけ |
国産 | 「国産」「焼津産」などにこだわる場合には指定できる味があり口どけがよい | 〇 | ○ |
| ○ | 〇 | 〇 |
外国産 | 味がたんぱくでコシがある |
|
| ◎ |
| 〇 | 〇 |
砕片の産地は国産や地元への「こだわり」によって選ぶことができます。
鰹節は国産のものと外国産のものがあり、砕片でも産地を選べます。
また国産でも産地に種類があります。
産地による品質の違いは小さいですが、料理ごとに適したものがあるため選び方を説明します。
①国産
「国産」や地元産原料にこだわる場合には指定の産地を選びましょう。
日本の鰹節の98%が静岡県焼津市と鹿児島県枕崎市、指宿市の3市で作られています。
「国産」「静岡産」「焼津産」「鹿児島産」「枕崎産」などとこだわりたい場合には産地の指定をすることができます。
産地ごとの品質に違いはありませんので、こだわる産地を選びましょう。
国産の砕片はどんな料理にも合いますが、外国産に比べると脂があるため風味が強く口どけがよく、そのままふりかける料理に向いています。
② 外国産
外国産といっても安全性は国産と大きくは変わりません。
国内産の鰹節に比べて味がたんぱくでコシがあります。そのため味をしっかりつけて煮る佃煮では、味がのりやすくくずれにくい外国産の砕片をおすすめします。
産地による違いについて、詳しくは以下の記事を参考にしてください。
https://www.kobayashi-foods.co.jp/washoku-no-umami/bonito-production-area
鰹節の砕片は以上のサイズ、厚さ、産地、節の種類の組み合わせがあります。
花が踊る、食べやすいなど料理のコンセプト、鰹節に求める内容によって最適な砕片が異なるので、料理にあった砕片を選びましょう。
小林食品ではご紹介した砕片類をご案内することができます。詳しくは下記ページにてお問合せ下さい。
https://www.kobayashi-foods.co.jp/inquiry/
5 鰹節の砕片以外の選択肢
鰹節の砕片では満足できない、自分の料理に最適な食べやすい削り節を探している方は以下の削り節を検討してはいかがでしょうか。
鰹節の砕片と近い用途で活用できる削り節として「帯削り」と「混合節の砕片」を紹介します。
5-1 帯削りの選び方
もっとたこ焼きに踊らせたい削り節を使いたいなら帯削りをおすすめします。

帯削りは、鰹節を削る際に削る幅を細くして「帯状」にした削り節です。砕片が正方形に近い形状なのにたいして 帯削りは花かつおと同等の長さがあります。
そのため熱いものにふりかけたときにはよく「踊る」特徴があります。
たこ焼きなどの熱々の料理にかける場合には帯削りでも検討できます。
5-2 混合節の砕片の選び方
鰹節とは異なる風味で特徴を出したい砕片が欲しい場合には混合節の砕片をおすすめします。
混合節とは鰹節にサバ節やイワシ節を混ぜたもので、節となる魚の種類が違うため風味も全く異なります。
混合すると鰹が「香り」、サバやそうだかつおが「コク」のある味わいを出し、味わい深い削り節になります。
また、イワシを使用すると独特で魚の味を強く感じる削り節になります。
鰹節は上品で馴染み深い味わいのため料理の邪魔をしませんが、あえて特徴的な風味の砕片を使用したい場合には、鰹節以外の節を使用した混合節をおすすめします。
まとめ
鰹節の砕片は料理のコンセプトに合った適切なものをえらびましょう。
砕片を選ぶうえでもっとも重要なのは砕片のサイズで、具材の大きさとの相性や花の踊る様子など、料理の中で砕片にもとめる効果で適した砕片が決まります。
また、サイズ以外にも厚さや節の加工の種類によっても特徴を出すことができます。
自分の料理のコンセプトにあった最適な砕片を選び、最高の料理に仕上げましょう。
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