昆布に多く含まれるグルタミン酸とは?摂取して得られる3つの効果

グルタミン酸

グルタミン酸がどんなものか知っていますか?

「グルタミン酸」という言葉はうまみ成分としてよく聞きますよね。でもグルタミン酸の役割はそれだけではありません。

グルタミン酸は生き物にとって非常に重要な役割を果たしています。例えば、脳神経の伝達物質として、脳の活性化とつながりがあります。生命活動を維持するエネルギーを作り出すための、橋渡しの役割を担当しています。

また、我々の味覚にも大きく影響しています。

普段の生活で通常の食事をしていれば、グルタミン酸の摂取量は、十分にまかなえますが、体の具合がよくないときは、積極的にグルタミン酸を摂取したほうが良いとされています。弱った体にグルタミン酸を補充する時には、だしやスープで摂取する方法がお勧めです。

そこここでは、「グルタミン酸とは何か」「体にどのように役に立つか」について解説していきます。

毎日の生活を快適に過ごすために、グルタミン酸を理解して上手に取り入れましょう。


1、グルタミン酸とは

グルタミン酸はたんぱく質を構成するアミノ酸の一種です。たんぱく質を構成されるアミノ酸の中、グルタミン酸は一番い割合を占めています。我々の体の中には非常に重要な存在となっています。

また、グルタミン酸の塩化物は代表的なうま味成分の一つです。市販のうま味調味料によく使っています。

1-1、グルタミン酸はアミノ酸の一種

グルタミン酸はたんぱく質の中に存在しているアミノ酸の一種で、アミノ酸の中で最も割合が多くなっています。

動物性たんぱく質には重量に対して約1122%のグルタミン酸を含有しています。植物性たんぱく質では約40%を占めています。特に昆布、のり、えんどう豆、トマトなどには、非常に多く含まれています。

豚肉とえんどう豆を例として、たんぱく質中のアミノ酸の割合をまとめました。

たんぱく質中のグルタミン酸

このように動物のたんぱく質、植物のたんぱく質にもかかわらず、グルタミン酸の含有量は最も多いです。

1-2、グルタミン酸の発見と経緯

グルタミン酸は、1866年ドイツのRitthausenによって小麦のグルテンから分離され、グルテン中のアミノ酸という意味で“グルタミン酸”と命名しました。

その後1869年、Fricherは「グルタミン酸はまずくて弱い酸味をしている」と発表し、その旨味には気が付きませんでした。

そのあと、グルタミン酸の化学構造式が決定され、1908年には、東京帝国大学の池田菊苗教授は、昆布のおいしさの成分がグルタミン酸塩(グルタミン酸ナトリウム)であることを発表しました。

さらに人間の舌に「グルタミン酸」を認識できる味蕾を発見するにいたり、グルタミン酸は「うま味」であることが世界中に認知されました。


2、グルタミン酸の3つの効果

2-1、記憶力や学習能力を高める

 グルタミン酸は脳の興奮系神経伝達物質としての機能を担っています。

脳に存在するアミノ酸の中では、一番多い割合になっています。グルタミン酸の摂取をすると脳にエネルギーが得られて、脳の活動が活発になります。脳が活発に働くことにより集中力や記憶力の向上につながります。

2-2、疲労回復効果

体内が疲れていると、脳の機能に支障を及ぼすアンモニアが作られます。

グルタミン酸には酵素の働きによってアンモニアをグルタミンに変え、体に有害なアンモニアの除去することができます。また、尿の排泄を促進して、血中のアンモニア濃度を調節する効果があります。いわば、グルタミン酸によるアンモニアの解毒作用です。

2-3うま味物質として

グルタミン酸はうま味の最も重要な担い手です。

グルタミン酸は多くの食べ物に普遍的に含まれており、それぞれの食べ物の味に大きく関係しています。従来、味は甘味・苦味・酸味・塩味の4基本味に分類されてきましたが、現在ではうま味が第5番目の味として世界的に認識されています。グルタミン酸を利用して、減塩食の開発など健康面でも利用は広がっています。


3、グルタミン酸は何に役立つか

私たちの体はたくさんの種類のアミノ酸によって構成されています。

複数のアミノ酸によって、違った機能を持ったたんぱく質を作って我々の体を支えています。その中で、一番多いアミノ酸は「グルタミン酸」です。グルタミン酸の含有量が一番多いというとことは、いろいろな場面で、体に必要となっており、欠かせない成分ということの現れです。

3-1、アミノ酸と体

アミノ酸の種類は500種類以上ありますが、我々の体の中に存在しているアミノ酸は20種類以上です。それらのアミノ酸は私たちの命を維持するために、それぞれの働きしています。

この20種類以上のアミノ酸は、「必須アミノ酸」と「非必須アミノ酸」に分かれています。「必須」と「非必須」は「必要」と「不必要」という意味ではなく、体が作り出せるかどうか、もしくは、作り出せる量は足りているかどうか、によって分けられます。

つまり、「必須アミノ酸」とは、体の中では合成されない、もしく体の要求に見合う速度で合成できないため、必ず食物などから補給しなければならないアミノ酸の種類です。

「非必須アミノ酸」は、体内で合成できるが、様々な働きがあるため、摂取したいアミノ酸の種類となります。

3-2、グルタミン酸は「準必須アミノ酸」です

グルタミン酸は体の中で合成できるため「非必須アミノ酸」に分けられましたが、実は、命と健康を維持するために必要な量は多くなっています。そのため、積極的に摂取することが推奨されています。

ここでグルタミン酸と非必須アミノ酸の関係を見てみると、グリシン(セリン、スレオニンから合成)、アラニン(グルタミン酸、ピルビン酸から合成)、セリン(グリシン、グルタミンから合成)、チロシン(フェニルアラニンから合成)、システイン(シスチン、メチオニンから合成)、アスパラギン(アスパラギン酸から合成)、グルタミン(グルタミン酸から合成)、プロリン(グルタミン酸から合成)、アスパラギン酸(グルタミン酸から合成)(下図を参考)。

グルタミン酸とその他のアミノ酸

11種類の非必須アミノ酸の中で、6種類のアミノ酸の合成はグルタミン酸とかかわっています。合成ルートを見ると、グルタミン酸がスタート地点にあることがわかります。足りないと、対応するアミノ酸も足りなくなり、健康などに影響してしまいます。そのために、グルタミン酸は体にとって非常に重要な存在であるといわれる理由です。

つまり、通常の生活の中で必要なグルタミン酸の量は、体内で十分に合成することが出来ますが、発熱、病気、手術の後のような時は、体内需要量が多くなり、その量に見合う量だけの十分な量を迅速に合成できないため、食事などで補わなければなりません。


4、グルタミン酸の摂取

4-1、含有食品

食べ物中のグルタミン酸は「たんぱく質結合型」と「遊離型(ペプチド)」の2種類があります。簡単に言うと、「たんぱく質結合型」はたんぱく質中にかたちとして存在し、「遊離型(ペプチド)」は溶けだした状態であると理解すればよいのです。

肉類(鶏、牛、豚)、魚介類、チーズ、えんどう豆などでは、たんぱく質の中にグルタミン酸が豊富に含まれています。このようにグルタミン酸は多くの食品のたんぱく質の主要な構成成分となります。また、遊離型グルタミン酸は肉類、魚介類や野菜などにも多く含まれています。特に、トマト、チーズ、昆布などに高濃度のグルタミン酸が含まれ、うま味成分として機能を発揮しています。

食品中のグルタミン酸

4-2、摂取方法

たんぱく質結合型グルタミン酸は、たんぱく質の中に存在しているので、たんぱく質の構造を分解していくと、グルタミン酸が出てきます。この分解は胃の中で行います(消化と言います)。分解されたたグルタミン酸は遊離型となります。遊離した形のグルタミン酸は体に吸収されやすく、利用されやすいくなります。

健康な体では、「たんぱく質結合型」か「遊離型」かに関わらず吸収できます。体調がよくない人など素早く補給する必要がある場合は、遊離型が有効です。グルタミン酸は水に溶け出しやすいため、スープやダシの形で取れば容易に摂取できます。


まとめ

グルタミン酸は我々の体の健康や生命維持に、様々方面で特異的な機能を発揮しています。

それらの機能に注目して、特に、高齢者に向けの栄養食などの研究は期待できると思います。

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