ほうれん草や小松菜など野菜をさっとゆでてさっぱり食べられるおひたし。ついつい揚げ物中心になりがちな食生活の中に1品取り入れたいものです。
この記事では「おひたし」の作り方を主体に、レンジを使ってもいいか、だし汁は何がいいかなど素朴な疑問に分かりやすく答えています。
「おひたし」は簡単に作れます。ぜひ、食卓の1品に加えてみてください。
目次
1. ほうれん草の美味しいおひたしの作り方
おひたしを作るにあたっての代表的な食材は、ほうれん草と小松菜です。
両者とも色の濃い緑黄色野菜で体に良い食材です。特に、免疫力を高めるビタミンAに変換されるβカロチンの含有量は全食品の中でも上位になる量(ほうれん草:4200mg/100g、小松菜:3100mg/100g)を含んでいます。
そんな両者の違いは、えぐみの原因になるシュウ酸をほうれん草は含んでいて、小松菜は含んでいない点です。なのでほうれん草は生で食べることは避けた方が良いですが、小松菜は生でも食べられます。
ほうれん草 | 小松菜 | |
---|---|---|
シュウ酸含有量 | 7g/100g | 0 |
あく抜き | 要 | 不要 |
茹で時間 | 小松菜より短めでよい | ほうれん草よりやや長め |
ほうれん草も茹でることによってシュウ酸値が0になります。(食品データベース参照)
おひたしは茹でる料理ですので、それによりあく抜きができます。シュウ酸を含んでいない小松菜も、もちろん野菜自体を柔らかくするために茹でます。
茹で時間は、野菜自体の硬さがほうれん草よりも硬い小松菜の方を長くします。そこだけを気を付ければ、以下に紹介するほうれん草のおひたしの作り方は、小松菜での作り方にも適用できます。
各手順に入る前に大切なポイントを2つ挙げます。
①茹でる時に初めに茎から入れて、後から全体を入れます。
理由:茎の方が葉よりも火が通るのに時間がかかるからです。茎の部分は切れ込みを入れておくと火が通りやすくなります。
②ほうれん草を切った後にももう1度よく絞ります。
理由:だし汁に浸すときに、水っぽくなるのを防ぐためです。
1-1 茎を1分、全体を30秒を目安に茹でる
ほうれん草1束です。スーパーで売っている1袋分のことです。
1つの茎から出ている一つ分は、ほうれん草1株と数えます。
塩を効かせた湯に、ほうれん草1束を茎の方を初めに入れて後から全体を入れます。大切なポイント①ですね。
こうすることにより、硬さの違う茎と葉が均等の柔らかさになるからです。
茎の方から先に湯に入れます。
その後全体を茹でます。
1-2 冷水に入れて温度を下げる
茹でたほうれん草は冷水に入れて、急激に温度を下げます。
理由は、余熱でほうれん草が柔らかくなりすぎるのを防ぐためと、鮮やかな色を保つためです。
氷を入れた冷水に入れます。
1-3 水気を絞ってから4~5cm幅に切る
水気を絞ってから切るのは切りやすくするからです。切る幅に決まりはありませんが、歯ごたえ食べ応えがより残るので少し長めの4~5cmをお勧めします。
ここで大切なポイント②です。
切った後にもう1度、ぎゅっと水気を絞りましょう。
理由は次の工程でだし汁に浸す時、水気が残っていて薄くなってしまわないようにするためです。
やや大きめに切っておくとこの時に絞りやすいということもあります。
切った後も、もう1度ぎゅっと絞っています。
1-4 だし汁に浸して約1時間なじませる
ほうれん草をませる鍋やボウルに入れてだし汁に浸します。1時間くらいは浸しておくと、味がより染み込んで美味しいです。
夏は浸している間、冷蔵庫に入れておきましょう。夏でなくても、冷蔵庫に入れておいた方がシャキシャキ感が出ますのでお勧めです。
また、1-3で水気を残さないためにぎゅっと絞ってあるので、今度は逆にほうれん草をよくほぐしてから浸しましょう。だし汁に均等に浸すためですね。
浸すのに使う容器にボールを使おうと思いましたが、底の平らな部分が狭く均等に並べられないので、鍋を使いました。1-3で絞って固まっていたものを、ほぐしてあります。
だし汁を100ml入れます。この状態で約1時間浸しておきます。
市販のめんつゆ(鰹だしか鰹と昆布の合わせだし)をだし汁に使えば手間もかからず美味しく食べられます。
この記事では「ヤマキめんつゆ鰹節屋のだし」を使いました。
1-5 だし汁と鰹節をかけて出来上がり
お皿に盛りつけて、浸していただし汁をかけます。
ほうれん草の上に鰹節をふりかると、風味が増してとても美味しく食べられます。
これで、ほうれん草のおひたしの完成です。
出来上がった、ほうれん草のおひたしです。
かける鰹節にこだわる方はこちらをご覧ください。
2. 茹でる代わりにレンジを使う
1の工程の中の1-1「茹でる」の代わりにレンジを使うのはありでしょうか。
答えは「あり」だと言えます。
ただし、レンジで加熱した後に水にさらしましょう。
理由は、冒頭にお伝えしたようにほうれん草にはシュウ酸というえぐみの原因となる成分が含まれていて、茹でることによりこの成分を取り除いていたのですが、レンジで加熱しただけではシュウ酸は取り除けず、その後水にさらすことによって、水に溶けだしシュウ酸を取り除けるからです。元々1-2で冷水に入れるのですが、その目的は余熱で柔らかくなりすぎなくすることや鮮やかな色を保つためです。その前に常温の水にさらしてシュウ酸を除いて、その水は捨てて、冷水に入れる工程に移りましょう。
ほうれん草を柔らかくすることはレンジでの加熱で茹でることと同じ効果が得られます。
なお、ほうれん草に含まれる免疫力を高めるビタミンAに変換されるβカロチンは水溶性ではないので、茹でてもあまり流出しません。大切な栄養素を逃がさないという点では、「茹でる」も「レンジで加熱」も差はありません。
茹でる | レンジで加熱 | |
---|---|---|
時間、かかる手間 | 茹でる時間は1分くらい。湯を沸かすことから始める手間がかかる。 | 加熱時間は600wで1分くらい。ラップに包む手間がかかる。 |
シュウ酸(取り除く必要がある成分) | 茹でるだけで取り除ける。 | 加熱しただけでは取り除けなく、その後ほうれん草を水にさらすことにより取り除ける。 |
βカロチン(逃がしたくない成分) | あまり逃がさない。 | あまり逃がさない。 |
1-1の「茹でる」工程の代わりにレンジを使う場合は、「レンジで加熱後、水にさらす」として、その水を捨てた後に、1-2「冷水に入れて温度を下げる」に移ってください。
茎の部分と葉の部分を半分ずつ逆さまにしてラップに包むと回転するレンジの中で均等に加熱されます。
ほうれん草1束なら加熱時間は約1分です。
3. よくある質問
3-1 だし汁を自分で作るとしたら
水100cc、しょうゆ大さじ1、みりん大さじ2、だしのもと小さじ1~2
この配合でよく混ぜて作ってみてください。
ご自分でダシからとって作る方はこちらをご覧ください。
3-2 作ったおひたしの日持ちは
冷蔵保存で2~3日、冷凍保存で約1か月です。
冷蔵も冷凍も、水気をしっかり取ってラップに包んで保存します。いっぺんにたくさん作って作り置きするのは楽ですが、なるべくすぐに食べる分だけ、多く作ってもその日のうちに食べる分にした方が美味しく食べられます。
3-3 おひたしにする食材のカロリー
おひたしにすることが多い食材のカロリーを一覧にしてみました。他の条件は同条件(だしつゆなどは同じものを同じ量使う)として、食材そのものの100g当たりで比較しました。
(単位:kcal/100g)
ほうれん草 | 20.0 |
---|---|
小松菜 | 14.1 |
白菜 | 14.0 |
もやし | 14.0 |
なす | 22.2 |
菜の花 | 33.0 |
カロリーSlimsHPの表を100g当たりに計算し直したもの
この記事でだし汁として使った「ヤマキめんつゆ鰹節屋のだし」は100ml当たり79kcalです。
12~69歳、身体活動普通以上男性の1日の必要エネルギーは2400~3000カロリーです。どの食材を使っても、とても低カロリーだということが分かります。
4. まとめ
いかがでしたか。だし汁に浸している時間を除けば10分足らずでできる料理です。とても簡単に作れる、さっぱり美味しくて低カロリーな「おひたし」、ぜひ、ご自分でも作ってみて食べてください。
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