疲労回復効果を持つうま味成分アスパラギン酸の働きとお勧め食材

 アスパラギン酸と言えば、アスパラガスのイメージが沸いてくる方が多いと思います。

 その通りです。野菜のアスパラガスで発見されたので、命名されました。

 アミノ酸系のうま味成分の一つとなって、実は色々な食材の中に含まれております。

 野菜類の中には、豆類の含有量は多く、魚介類では、乾物や節にすると、含有量が多くなり、肉類では、部位によって含有量が異なるのが特徴です。加工食品や複合うま味調味料にも含まれております。

 アスパラギン酸のもつ疲労回復効果・美肌効果は栄養分野、医薬品や化粧品など、様々な用途で利用されています。例えば、スタミナドリンク剤の有効成分として配合されております。栄養補給にお勧めです。

 普段の食材や調味料で、手軽に美味しく、効率よく摂取できる組み合わせも紹介しています。

 アスパラギン酸のもつ疲労回復効果をお疲れのときに試してみたらいかかでしょうか。


1、うま味成分としたアスパラギン酸

1-1、アスパラギン酸は旨味

 アスパラギン酸は我々の筋肉・内臓・皮膚・血液など、体をつくる成分となるたんぱく質を構成している20種類のアミノ酸の中の1 つです。グルタミン酸と同様に人間の旨味受容体を反応させるので旨味成分の一つとなっています。野菜のアスパラガスから発見されたことからその名称が付けられました。トマトの味の主成分でもあり、昆布の中にも含まれています。

 

旨味とは、5つの基本味、甘味、塩味、苦味、酸味と旨味です。旨味となるうま味成分は、アミノ酸であるグルタミン酸、アスパラギン酸や、核酸構成物質のヌクレオチドであるイノシン酸、グアニル酸など、その他の有機酸であるコハク酸です。代表食材として、昆布、アスパラガス、鰹節、干し椎茸、アサリがあります。

 うま味とアミノ酸に興味ある方は、こちらの記事へ「旨味とアミノ酸の関係とは?旨味を構成する2つのアミノ酸を徹底解説

 アミノ酸は食事から摂取する必要のある「必須アミノ酸」と、食事以外で体内でも他のアミノ酸からつくることができる「非必須アミノ酸」があり、アスパラギン酸は非必須アミノ酸です。体内から合成できるといっても、アスパラギン酸は体調を整え、疲労回復や美肌等の効果が期待できますので、わざわざ栄養サプリメントを内服しなくても、積極的に食品からの摂取することをお勧めします。

1-2、食品類別のアスパラギン酸含有量

 身近な食材を大きく野菜類、魚介類、肉類に分けその含有量表は下記のように。

 ①野菜類

 前文に記述したように、アスパラガスの中にアスパラギン酸を発見したのですが、実は、含有量がそこまで多いわけではないです。野菜の中では豆類の含有量が多いです。例えば、えだまめ、そらまめ、大豆もやしの含有量を多いです。

 アスパラギン酸-野菜類Food Pocket データより

②魚介類

 同じ魚種でも、節や乾物にすると、含有量が高くなっています。例えば、かつおは2200/100gのところかつおぶしは7200/100gとなります。

 それは、節や乾物は寝かせながら水分を飛ばす工程やカビ付け工程で、魚自身持っている自己消化酵素と付けられたカビの力で、たんぱく質をアミノ酸へ変化させたのです。そのため、アミノ酸の含有量は多くなり、うま味成分となるアミノ酸も多くなります。

 アスパラギン酸-魚介類 *Food Pocket データより

③肉類

 同じ肉種類でも、部位によって含有量が違います。例えば、牛のタンには1300/100gに対して、レバーは1900/100gです。それは、アミノ酸の種類によって異なる効能を持っているため、体の部位の機能を支えるアミノ酸の種類も違ってきます。

 アスパラギン酸-肉類 *Food Pocket データより

1-3、旨味調味料としたアスパラギン酸

  ご家庭では、アスパラギン酸はあまり目にしないかもしれないですが、加工食品には旨味調味料の一種として使われています。うま味調味料としたアスパラギン酸は扱いやすくするために、塩類と結合させた物となります。正式名称は、アスパラギン酸ナトリウムです。

 業務用として販売していますが、一般家庭向け、アスパラギン酸だけの調味料はほとんどないです。しかし、複合調味料等には配合されています。裏表示を確認すれば、「調味料(アミノ酸)」、調味料「アミノ酸等」として表示されています。

 このように、一般家庭では馴染みがないように感じますが、実は、アスパラギン酸の効果で栄養ドリングの栄養素として、薬局で良く見られます。


2、アスパラギン酸の働き・効果

 アスパラギン酸の一番よく知られている効果は、疲労回復と美肌効果です。

1、疲労回復効果・体調を整える効果​

  アスパラギン酸は、新しいエネルギーの作り出しに関係しており、さらに疲労物質を分解し、毒素を体外へ排出しやすくするので、疲労回復効果が期待できます。

 その働きは、アスパラギン酸が、体内のエネルギー製造場であるTCA回路を活性化し、どんどん新しいエネルギーの産出につながります。また、疲労物質である乳酸の分解促進や体内を巡る毒素であるアンモニアを尿に合成することにかかわっていますので、疲労の蓄積や組織の老化、免疫力の低下を防ぎます。

 更に、疲労がたまると、元気を維持するための大切な栄養素であるカリウムとマグネシウムを補給しなければなりません。そのような生体内の代謝時にアスパラギン酸はカリウム・マグネシウムと結びついて細胞内へ取り込まれます。アスパラギン酸の働きによってそれらの吸収をよくし、細胞内でのバランスを正常に戻し、素早い疲労回復へと繋がり、体調を整えることが出来ます。

2-2、美肌効果

 アスパラギン酸は、TCA回路での作用で新陳代謝を活発にし、タンパク質の合成を促進します。そのため、肌の調子を整えシミ・そばかすを予防するなど、高い美肌効果が得られます。

 ある大手美容メーカーの研究で、アスパラギン酸はハリや弾力のある肌に欠かせないコラーゲン(Ⅰ型)産生の促進や、肌機能を低下させる酸化を防止する機能があることがわかりました。

2-3、アスパラギン酸の摂取

 アスパラギン酸はスタミナドリンクの有効成分としてよく使われています。特に、スポーツ選手がアスパラギン酸を摂取すると、スタミナが増すことがわかっています。

 「1日○○の量を摂取してください。」という明記した推奨使用量がないですが、有名メーカーのドリンク剤を見ると、アスパラギン酸カリウム・マグネシウム合わせて250/100/本ぐらいの配合となります。肉体疲労・病中病後・食欲不振・栄養障害・発熱性消耗性疾患・妊娠授乳期などの場合の栄養補給にお勧めです。 

 

 そのため、単純にアスパラギン酸の摂取ではなく、効率よく有効成分を組み合わせてが有効です。

 食材や有効成分の組み合わせによる、旨味相乗効果で旨味が倍以上感じます。基本な組み合わせは、動物×植物、魚介類×植物で覚えていただければ大丈夫です。

 旨味の相乗効果に興味ある方、こちらの記事「うま味の相乗効果を科学的に説明、今すぐ使える活用例までの紹介」へ。


3、効率も、旨味もアップできる組み合わせ

 疲労回復の組み合わせはアスパラギン酸×カリウムやマグネシウムです。

 上記の食材一覧表に、アスパラギン酸の含有量がお分かりなると思いますが、カリウムやマグネシウムについては、天然塩がお勧めです。天然塩とは、天日干しや平釜製法で作られ、ミネラルがそのまま残る為、豊富に含有しています。カリウムやマグネシウムは、ミネラルに分類されています。体にとって、必要な栄養素ですが、微量で十分です。そのため、普段使う塩をいれ替えるだけで良いでしょう。

 旨味や栄養分を考えた上の組み合わせだと、牛肉×アスパラガス、豚肉×大豆もやしの炒め物がお勧めです。

 アスパラギン酸は過加熱すると効果が弱まってしまうので、牛肉を炒めた後、アスパラガスを入れ、手早く炒めたら完成です。食感が残ったほうが美味しいです。

 大豆もやしはナムルにしても美味しいですが、炒め物にすると油が表面をコーディングして、アスパラギン酸等のアミノ酸の溶出を抑えることが可能です。


4、まとめ

 アスパラギン酸はアミノ酸系のうま味成分の一つです。身近の食材に含まれています。同じ食材にしても、含有量が異なります。例えば、乾物や節にしたり、部位による違いなど。

 アスパラギン酸は新しいエネルギーの産出と関連することと、疲労物質の乳酸の分解を促進できる効能を持っていますので、疲労回復効果に期待されています。スポーツ選手のスタミナドリンク剤に良く配合されています。更に、新陳代謝を活発にし、コラーゲンの生成の合成を促進するので、大手美容メーカーも採用しています。

 そのため、アスパラギン酸の摂取は身近の食材に含まれていますので、手軽に摂取することが来出ます。

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