薬味とは何かと、血行促進や冷え性改善など素晴らしい効能を要点解説

そばやうどんを食べる時に、少しだけねぎや大根おろしを入れると、美味しさが引き立ちますよね。それ自身が主役ではありませんが、あると主役を引き立たせるこれらの素材を「薬味」と言います。

この記事では、初めに「薬味とは何か」をはっきりさせます。その次に各々の「薬味の効能」を解説していきます。薬味には、血行を良くしたり、冷え性の改善や疲労の回復など様々な効能があります。

ぜひこの記事をお読みになって、食事をより美味しくするとともに、今のご自分の体調に合った薬味を選んでみてください。


1. 薬味とは

1-1 薬味の定義

このサイトでの薬味の定義は、以下のように定めました。

 

「そのもの自体を主役として食べるのではないが、主役の食材に添えることにより、その風味を増し、食欲を増進させる効能がある野菜や香辛料のこと。植物性の素材が大多数であるが、鰹節のような動物性の素材でもその効能から薬味に含まれれる。」

定義をするという根本的作業にあたり、鰹節を削って花かつおを製造する会社である弊社は、ねぎや大根おろしなど植物性素材がずらっと並ぶイメージの薬味に鰹節が含まれるのかという素朴な疑問に対し、含まれるという結論を出しました。

その理由は以下の通りです。

定義というと、参照するのはネット情報よりも広辞苑だと考え、広辞苑の最新版で調べた定義が以下のものです。

「食物に添えてその風味を増し、食欲をそそるための野菜や香辛料。七味唐辛子、わさび、しょうが、ねぎの類。加薬。  使用例:薬味を添える。」

鰹節は風味を増し、食欲をそそります。鰹節は野菜ではありませんが、香辛料だと言えれば、広辞苑の言う「薬味の定義」に合致します。

香辛料の定義

「香味、または香り、色などを飲食物に付与する調味料。コショウ、ショウガ、サンショ、シナモンの類。」

広辞苑より引用。

魚の鰹は食材です。しかし鰹節(実際にそばや冷奴に添えるのは鰹節を薄く削った花かつお)は、上の定義から香辛料と言えます。従って、「鰹節は薬味に含まれる」という結論になりました。

2-2 薬味≒スパイスとハーブの違い

薬味も香辛料もその英訳は「スパイス」です。よって薬味と香辛料とスパイスはほぼ同義語と言って良いです。ではスパイスとハーブの違いは何でしょうか。

いくつかの説はありますが、料理に使う場合での確定した違いはない、と言えます。

確定した違いはスパイスが料理の分野でのみ使用されるのに対し、ハーブは料理以外の分野でも使用されることです。

スパイスハーブ
料理の分野でのみ使用される料理の分野だけでなく、ガーデニングやアロマテラピーの分野でも使われる

1-3 薬味と薬膳の違い

薬味は1-1でお伝えした「素材」のことです。「薬膳」は料理の一種の名称です。

「薬膳料理」という言葉がありますが、「膳」という言葉自体に料理の意味がありますから、厳密に言うと意味がだぶっている(例えば、馬の競馬のような)間違った使い方です。しかし、「薬膳料理」もかなり浸透して一般的に使われる言葉になっています。

以上、初めに「薬味」、「スパイス」、「ハーブ」、「薬膳」と似たような言葉の意味、使い方を整理してみました。

次に個別の薬味の効能を見ていきましょう。


2. 薬味の効能(健康に良い理由など)

主要な薬味の効能は以下のものがあります。

薬味効能
鰹節新陳代謝、脂肪燃焼促進
ねぎ消化機能促進、血行促進
大根おろし食中毒予防効果、食欲増進効果
生姜冷え性改善、血行促進
みょうが体内の水分調整
大葉(青じそ)抗酸化作用(老化や病気の原因となる活性酸素を除去)
山椒肩こり、神経痛改善
にんにく体力増強、疲労回復
唐辛子血行促進、保温
わさび殺菌効果
ゆず抗酸化作用(老化や病気の原因となる活性酸素を除去)
胡椒抗菌、防虫、防腐効果
ミント抗菌作用、眠気覚まし
シナモン血行促進、冷え性改善

2-1 鰹節

有効成分
イノシン酸

効能
体内の新陳代謝。
イノシン酸は体内の細胞を活性化するため、新陳代謝を高めます。髪の毛が抜けて新しい髪の毛が生えてきたり、古い皮膚が垢となりはがれ落ち新しい皮膚に替わったり、発汗も新陳代謝の働きです。

有効成分
EPA(エイコサペンタエン酸)、ヒスチジン

効能
脂肪燃焼促進。
中性脂肪の燃焼させる効果があります。それにより、ダイエットや肥満予防の効果があると言われています。

合う料理
そばうどん、冷奴にお好み焼きなどに必須ですね。

鰹節の効能について詳細はこちらから

https://www.kobayashi-foods.co.jp/washoku-no-umami/bonito-effect

2-2 ねぎ

有効成分
アリシン
ねぎの白い部分に多く含まれています。

効能
消化器県の働きを高め、血行を良くします。疲労の原因となる乳酸を分解する働きがあります。

風邪のひき始めに食べると体調回復に効果があります。40歳以上の方は子供の頃、風邪をひくと焼いたねぎをガーゼに包んで首に巻いた経験がありませんか。その行為に効果があるかは分かりませんが、食べて体内に入れた場合、ねぎは風邪のひき始めに良いと言われています。

合う料理
一般的なところではそば、うどんに冷奴などです。意外なところではいちごとの相性が良いと言われています。

2-3 大根おろし

有効成分
イソチオンアナート。
すりおろすと生成されます。

効能
食中毒予防効果があります。体内の解毒酵素の働きを高め、優れた殺菌作用があります。

刺身のような生で食べる食材に千切りの大根を添えたり、焼き肉や焼き魚に大根おろしを添えるのは、美味しくなるのはもちろん、この殺菌効果があるからですね。

有効成分
ジアスターゼ
消化酵素のひとつです。

効能
食用増進効果があります。消化を助け、胃腸の働きを良くして、食欲を増進されます。

合う料理
刺身や焼き魚が代表的です。おろしそばというメニューがあるくらいそばとの相性抜群です。

2-4 生姜

効成分
ショウガオール
ジンゲロール

効能
冷え性の改善に効果があります。血管を拡張させて、血行を促進する作用があるからです。
消化不良を改善します。胃酸の分泌を促して食べ物の消化吸収を助けます。
冷え性の方、消化不良の方に効果的です。

合う料理
うどんやそうめんによく合います。風邪のひき始めに、生姜たっぷりの温かいあんかけうどんなんて良いですね。

2-5 みょうが

有効成分
カリウム

効能
体内の水分調整をします。
したがって、体内の余分な水分を排出してむくみを取る効能があります。反対に不足している水分を取り込んで、どろどろの血液をさらさらにする効能もあります。

合う料理
そばやうどんの薬味に。きゅうりやトマト、オクラなどと一緒にごまで和えたサラダも美味しいです。

2-6 大葉(青じそ)

有効成分
ベータカロチン
体内に入るとビタミンAに変化します。

効能
老化や病気の原因となる活性酸素を取り除く働き(抗酸化作用)をします。
骨や皮膚の健康を維持する、紫外線の肌への影響を減少させる効能があります。

合う料理
肉料理によく合います。唐揚げを巻いて食べてもさっぱりして美味しいです。

2-7 山椒

有効成分
サンショオール
ピリリとする辛みの元になる成分です。

効能
肩こり、神経痛、保温に効果があります。

有効成分
シトロネラール
香りの元になる成分です。

効能
消化を助け、食欲増進効果があります。

合う料理
定番はうなぎですね。麻婆豆腐やてんぷらにかけてもピリリとした感じが意外と美味しいです。

2-8 にんにく

有効成分
アリシン

効能
体力増強、疲労回復の効果があります。

エネルギー補給に必要なビタミンB1は水溶性のため吸収率が低いのですが、にんにくに多く含まれるアリシンと結合すると油に溶ける性質に変わり、腸から吸収しやすくなります。従ってビタミンB1を多く含む食材、例えば豚肉などと一緒に食べると効果が高いです。

アリシンは2-1ねぎの章でも紹介しましたね。疲労回復の効果があり、風邪のひき始めに食べると体調回復の助けになります。

合う料理
やはり餃子です。匂いはきになりますが、味はにんにくが入っていた方が断然美味しいです。
あと、味噌ラーメンにも合います。

2-9 唐辛子

有効成分
カプサイシン

効能
血行を良くして、一時的に体温を上げてくれます。継続的に摂取すれば、冷え性の改善にも繋がります。唐辛子を食べるとポカポカするのは多くの人が体験していますね。

合う料理
各種丼物(牛丼屋豚丼など)に必ずかけます。そばうどんには、ねぎやわさびに次ぐくらいの定番でしょう。

2-10 わさび

有効成分
アリルイソチアネート。わさびの辛み成分です。

効能
殺菌効果があります。
刺身にワサビを付けるのは定番ですね。味を引き立てるのはもちろんですが、科学的に証明される以前の昔から体験上殺菌効果があることが知られていて、生魚の時はワサビを付けて食べる食べ方が定着しました。

また、口の中の雑菌を殺菌してくれることから、口臭予防の効果もあります。

合う料理
刺身、うどんそばのつけ汁の定番です。焼肉にわさびという食べ方もありますね。

2-11 ゆず

有効成分
ビタミンC

効能
老化や病気の原因となる活性酸素を取り除く働き(抗酸化作用)があります。
2-5大葉の章でも紹介しましたね。大葉の有効成分はビタミンAでした。ビタミン類にはこのような働きがあるのですね。

合う料理
湯豆腐やお吸い物など薄味なものにゆずの香りが合います。焼き魚に絞ってもいいですね。

2-12 胡椒

有効成分
ビベリン
胡椒の辛み成分です。

効能
抗菌、防虫、防腐効果があります。
また、血管を拡張させ血行を良くして、冷え性の改善にも有効です。

合う料理
ベーコンエッグやジャーマンポテト。ここから3つの薬味は主に洋風料理に合います。

2-13 ミント

有効成分
メントール
ガムや飴にもメントール入りという物をよく聞きますね。

効能
抗菌作用や血管を拡張する働きがあります。
また、身近なところでは眠気覚ましや口臭予防にも使いますね。

合う料理
トマトを使った料理や、甘じょっぱい味付けの唐揚げをさっぱりさせてくれます。

2-14 シナモン

有効成分
シンナムアルデヒト

効能
血行を良くして、冷え性の改善にも有効です。

合う料理
パンやケーキに合います。アップルパイなどシナモンの香りと相性が良いですね。


3. まとめ

いかがだったでしょうか。薬味やスパイスはそのもの自体を大量に食べる訳ではありません。主役の食材に少し添える、または混ぜることによって主役の食材をより美味しくさせますし、健康にも大変良い働きがあります。

ぜひ、日常の食生活の中に取り入れてみてください。

 

 

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