みりんとは?原料・製法と、料理に与える4つの効果を明快解説

みりんは、料理のレシピ本に用意する調味料として頻繁に登場します。でも、甘くしたいから砂糖を入れる、もう少ししょっぱくしたいから塩を加える、などと違い、どういうときに使うものなのか、はっきり分からない方も多いと思います。

そもそも、みりんとは何を原料にしてどうやって作られているのでしょうか。みりんはもち米、米麹、焼酎または醸造アルコール、糖類を原料にしてそれらを40日から60日ほどじっくり熟成させて作られます1章でそれらのことを、他の類似した調味料との比較をしながらお伝えします。

その後、2章で料理をどうしたい時にみりんを使うのかをお伝えします。

そうすると、みりんが何でできているのか、どんな成分が含まれているのが既にお分かりなので、この成分がこんな効果があるから使うんだと、すっきり納得いただけると思います。

ぜひお読みになって、あなたのお料理に役立ててくださるとうれしいです。

 


1. みりんはもち米、米麹、焼酎などを原料としたアルコールを含む調味料

みりんは、もともとは飲料として使用されていました。しかし現在は調味料としてのみ使用されています。アルコール度数が約14%で酒類に分類されます。

他の類似調味料との違いを下の表で見ていましょう。

 

みりん

みりん風調味料

みりんタイプ調味料

日本酒

料理酒

原料

もち米

米麹

焼酎または醸造用アルコール

糖類

米麹

糖類

酸味料他

米麹

糖類

アルコール

食塩

米麹

米麹

食塩

製法・期間

長期間(一般的には40日から60日くらい)かけて糖化熟成して作る。

短期間でブレンドする。

糖化熟成させるが、みりんより短い。食塩を加えている。

約60日間かけてアルコール発酵させて作る。

アルコール発酵させるが日本酒より短い。

食塩を加えている。

アルコール度数

14

1%未満

820

14

14

塩分

0

1%未満

23

0

23

飲料か調味料か

調味料

調味料

調味料

飲料

調味料

1-1 原料と製法・期間

みりんの原料は、もち米、米麹、焼酎または醸造アルコールです。

製法は上記原料を40日から60日くらいかけて糖化熟成して作ります。米麹に含まれる酵素がもち米の澱粉やたんぱく質を分解して糖類、アミノ酸などを生成します。

なかには1年や1020年かけて熟成するものもあります。

① みりんとみりん風調味料の相違点

 

水あめ

みりん

入っていない。

みりん風調味料

入っている。

みりんにはみりん風調味料に含まれている水あめなどの糖分や、酸味料(みりん風調味料はアルコール度数が低いためみりんより保存性が低く、それを補うために添加されています)を含んでいません。

また、みりんが米と米麹と焼酎を長期間熟成させて作るのに対して、みりん風調味料は米と米麹に水あめやブドウ糖などをブレンドして短期間で作ります。

② みりんとみりんタイプ調味料の相違点

 

食塩

みりん

入っていない。

みりんタイプ調味料

入っている。

熟成させて作るという点では、みりんとみりんタイプ調味料の作り方は同じですが、1番の違いはみりんタイプ調味料には食塩が添加されている点です。

③ みりんと日本酒の相違点

 

原料にアルコールが含まれているか

みりん

含まれている。

原料に焼酎又は醸造アルコールが使用される。

日本酒

含まれていない。

原料は水で、麹の力でアルコールを発生させる。

みりんの原料が焼酎なのに対し、日本酒の原料は水です。それに米と米麹を加え、麹の力でアルコールを発生させます。みりんの原料にはもともとアルコールが含まれているので熟成という言葉が使われ、日本酒の原料にはアルコールが含まれていないところからそれを発生させるので発酵と言う言葉が使われています。

また、日本酒は原料の米も表面を削って中心部分のみを使っています。そうすることにより雑味がなくなるからですね。理由は日本酒が調味料ではなく飲料として作られているからです。
この点はみりんと日本酒の違いであるとともに、日本酒と料理酒の違いでもあります。

表面に出る味の違いは、糖類が含まれていないため、みりんのような甘味がありません。

④ みりんと料理酒の相違点

 

食塩

みりん

入っていない。

料理酒

入っている。

みりんと日本酒の相違点に加えて、食塩が添加されている点です。

また、米は表面を削らずに全体を使います。これによりうま味成分が含まれたままになります。この点は料理に使うように作られた料理酒と飲料として作られる日本酒との違いです。

1-2 アルコール度数

みりんのアルコール度数は約14です。
酒税法によると、アルコール度数が1%以上から酒類に分類されます。ですからみりんは酒類に分類されるのですね。

本体価格に酒税がかかっていて、みりん風調味料より高いですし、食品でなく酒ですから消費税は10%です。
みりんに限らずこの構造を2重課税だと批判する声がありますが、この点は本記事の本題からは外れるので深堀りはしません。


2. 料理にみりんを使う場合とその理由

みりんは思いつきやすい煮物だけでなく、炒め物なども含め和食のほとんどの場面で使えます。

2-1 料理につやと照りを出したいとき

料理につやと照りを出したいときはみりんを使います。
理由は、つやと照りを出すのは糖類が食品の表面に膜を張るからであって、みりんは糖類を豊富に含んでいるからです。

鶏の照り焼きやぶりの照り焼きなど、みりんを使うと味や風味はもちろん、見た目も美味しそうになりますね。

2-2 料理にコクやうま味、風味を与えたいとき

料理にコクやうま味、風たいとき味を与えたいときはみりんを使います。
理由はもち米から生成されるアミノ酸やペプチドなどのうま味成分や糖類が絡みあって、深いコクやうま味が醸成されるからです。

煮物から炒め物まで幅広く使えます。

2-3 食材の臭みを消したいとき

食材の臭みを消したいときはみりんを使います。
理由はみりんに含まれるアルコールが食材の臭みを消してくれるからです。

料理で熱を加えると、アルコールが蒸発していく過程で、食材に染み込んでいるため一緒に臭みも消してくれるのです。また、においの成分自体を分解してくれる働きもあります。

生魚を食材にした煮つけなどに効果を発揮します。

2-4 食材の煮崩れを防ぎたいとき

食材の煮崩れを防ぎたいときはみりんを使います。
理由はみりんに含まれるアルコールと糖類が食材の煮崩れを防ぐ効果を持っているからです。

動物性食材に対しては、筋肉繊維の崩れを低減する、植物性食材にはでんぷん粒の流出を低減する働きがあります。


3. まとめ

いかがでしたか。

みりんは幅広い場面で料理を美味しくします。是非実践してみてください。

 

みりんの使い方をもっと詳しく知りたい方はこちらから

みりんはどんな時に使うの?みりんの4つの役割と使うタイミング

 

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料理上手は知っている。料理酒とみりんの使い分け

 

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