「椎茸のだしってどうやって取るの?」鰹節や昆布のだしはよく耳にするけれど、椎茸のだしってあまり馴染みがないなぁという方もいらっしゃるでしょう。
実は椎茸のだしは干ししいたけを水につけるだけで簡単に取れるだし(干し椎茸の戻し汁)なんです!甘く濃厚なその味は色々な料理と相性が良く大変便利なだしです。
今回は椎茸のだしの取り方と使い方、また戻したあとの椎茸の使い方までご紹介します。この記事を読んで干ししいたけを使っただしとお料理にぜひ挑戦してみて下さい!
目次
1.椎茸のだしの取り方
「椎茸だし」とは、干ししいたけ(乾燥した椎茸)を戻す際に取れる戻し汁のことです。
グアニル酸由来のうま味成分を含む干ししいたけの戻し汁は、「椎茸だし」として料理に活かすことが出来ます。それでは、干ししいたけを戻して「椎茸だし」を取る方法について説明致します。
① 水1000mlに対し、干ししいたけ30gを用意します。
【ポイント】
干ししいたけはザルに入れ水洗いし、汚れをしっかり落とします。ゴシゴシこすって取るのではなく、流水で干ししいたけの表面に着いた汚れを洗い流すイメージです。
干ししいたけは乾燥させる過程で、ゴミやホコリなどの細かな汚れが付着する可能性があります。例えば、天日干し(てんぴぼし)と呼ばれる太陽の光が当たる屋外に出して乾燥させる方法では、風で飛んできた小さなゴミやホコリなどが付着する可能性があります。
そのため、干ししいたけは使用前に水洗いをすることをおススメします。
② ボウルに水1000mlと干ししいたけ30gを入れ、ラップやフタをして冷蔵庫で一晩寝かせます。
【ポイント】
干ししいたけのうま味は10℃を超えてくると破壊され始めてしまうので、冷蔵庫で冷やしながら抽出したら完成です。
常温で抽出したり、はやくだしを取ろうと煮出したりしてもおいしいだしは取れません。必ず冷蔵庫で冷やしながら抽出します。
次に、「一晩寝かす」と表現しますが、具体的な時間は「10時間以上」です。干ししいたけの戻し汁は「10時間以上かけて戻す」ことで、香り・味ともにとても濃厚でおいしいだしが取れます。
「10時間以上」と聞くと時間や手間がかかると感じるかもしれませんが、準備して冷蔵庫に入れておくだけなのでとても簡単です。
例えば朝7:00、朝食の準備の際に仕込めば10時間後は17:00。夕飯に使えます。
夕方17:00、夕飯の準備の際に仕込めば翌朝7:00は14時間後なので十分濃厚な椎茸だしが取れます。
2.椎茸のだしの使い方
椎茸のだしはその濃厚な甘みを活かし、和食・洋食・中華などどの料理にも利用することが出来ます。具体的にはめんつゆ、汁物、煮物、炒め物などのだしとして使われます。また、鰹だし・昆布だしとの相性も抜群です。
椎茸のだしを使った料理で特におススメするのは味噌汁とそうめんつゆです。
味噌汁は椎茸と昆布の合わせだしで作るととても濃厚なうま味を感じます。
それは椎茸だしのうま味成分であるグアニル酸は昆布のうま味成分であるグルタミン酸と相性が良く、「うま味の相乗効果」により素材1つのだしより何倍もおいしくなるからです。
そうめんつゆは甘く舌を包むような椎茸だしのおいしさがそうめんの細い麺に絡み、さっぱりしながらも満足感のあるおいしさを感じることが出来ます。
また、トッピングに戻した干ししいたけを刻んで乗せるとさらにおいしく食べることが出来ます。
3.だしの保存方法
だしの保存は「冷凍保管」をおススメします。
余っただしは、冷ましてから製氷皿に入れて冷凍保管しておくと使いたいときに温めてすぐ使え、大変便利です。冷蔵保管でも保存は可能ですが、2~3日でだしの風味が弱くなってしまったり、生臭みが出てきたりする場合がありますので、だしの保存は「冷凍保管」をおススメします。
冷蔵保管をする場合はできるだけ早めに使い切る様にして下さい。
4.だしを取った後の椎茸
だしを取った後の椎茸は決して「だしがら」ではありません。
むしろ「椎茸だし」の方が副産物で、「だしを取った後の椎茸」の方が主役です。肉厚な椎茸は噛みしめるたびに口の中にうま味がじゅわっと広がります。
今回は戻した椎茸を使ってパスタと春巻きを作ってみました。
【椎茸と鮭のスープパスタ】
【春巻き】
こちらの料理のだしには「椎茸だし」を使用しています。
このように干ししいたけはだしも戻したしいたけも両方楽しめ、和食・洋食・中華など色々な料理に使える食材です。
【細く刻んだ戻したしいたけ】
まとめ
今回は椎茸のだしについてご紹介しました。
椎茸のだしは干ししいたけを水に入れ、冷蔵庫で一晩寝かすだけで簡単にとることが出来ます。椎茸のだしはその濃厚な甘みを活かし、和食・洋食・中華などどの料理にも利用できるだしを取ることが出来ます。
だしを取った後の椎茸は食材としてぜひ色々な料理に使って下さい。
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