和食は栄養バランスに優れてる!その理由を解説

実は和食は栄養バランスに優れています。

世界遺産にも登録された和食は、その登録理由において「理想的な栄養バランス」と説明されるほど、和食は栄養バランスに優れているのです。
その理由は以下の5大栄養素が多く含まれる食材で説明できます。

この表より、和食で多く使用される食材が5大栄養素にそれぞれ対応していることが解ります。
またこれら食材を「一汁三菜」と呼ばれる献立に満遍なく組み込まれることで、和食が栄養バランスの良い食事となっています。

この記事では和食が栄養バランスに優れている理由を丁寧に説明します。また和食の栄養面での注意点と対処法を説明しますので、この記事を読むことでさらに和食を健康的な食事とすることができます。


1.和食は栄養バランスに優れている!

和食は栄養バランスに優れていると言えます。
それは和食が無形文化遺産(世界遺産)に認定された際にも、その特徴のひとつとして以下のように説明されていることからも明らかです。

「和食」の4つの特徴
その2 健康的な食生活を支える栄養バランス

一汁三菜を基本とする日本の食事スタイルは理想的な栄養バランスと言われています。また、「うま味」を上手に使うことによって動物性油脂の少ない食生活を実現しており、日本人の長寿や肥満防止に役立っています。(農林水産省HPより抜粋)

このように和食は「一汁三菜」という食事スタイルにより栄養バランスにすぐれていると考えられ、その一汁三菜の献立の中に5大栄養素を組み込むことでバランスの良い食事となります。
またタンパク源が肉である洋食が動物性脂質が過剰摂取になりがちなことに比べて、大豆などの植物性タンパクと魚が中心の和食では脂質が少ないため肥満になりにくく健康的で長寿に寄与していると言われています。

次の章では一汁三菜について詳しく説明します。


2.栄養バランスの良い和食を取り入れるなら一汁三菜が欠かせない

和食が栄養バランスに優れているといわれる主な理由が「一汁三菜」という献立にあります。
この一汁三菜は、おかずの品数と種類を表しており、
「一汁」は汁物1品を、
「三菜」は主菜1品と副菜2品の計3品を表し、
さらに主食であるご飯を加えた食事が一汁三菜の献立となります。

そして例として以下の食事で主食、主菜、副菜に含まれる5大栄養素の種類を見るとバランスに優れていることがわかります。

このように一汁三菜の献立は、
主食(ごはん)には炭水化物
主菜(肉や魚)にはタンパク質と脂質
副菜や汁物(野菜、海藻)にはビタミンとミネラル
が豊富に含まれており、
5大栄養素が満遍なく摂取でき、栄養バランスのよい食事と言えます。

和食であるからといって、主食のごはんばかりであったり、汁物の味噌汁や主菜の魚ばかりを食べていては栄養バランスは良くなりません。

和食が栄養バランスに優れているのは、この一汁三菜を基本とすることで様々な食材が献立に取り込まれるからと言えます。

一汁三菜のさらに詳しい説明は以下の記事で紹介しています。
理想的な献立「一汁三菜」とは?和食の基本である一汁三菜をまとめてみた


3.栄養バランスの良い和食を取り入れる上での注意点&対処法

和食は栄養バランスに優れているといえますが、主に和食を摂取している日本人に特有の、健康に対する以下2点の懸念があります。
・塩分過多
・カルシウム不足

ここではその理由と注意点、対処法をお伝えします。

3−1.塩分過多になりがち

和食は塩分過多になりがちといわれています。

 厚生労働省が公表している「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、成人1人1日当たりの塩分推奨量を男性で8g未満、女性で7g未満としているのに対し、実態は男性平均10g以上、女性平均8g以上と塩分過多であるといえます。

その理由は漬物や干物などの主食のごはんに合うおかず類や、味噌や醤油など和食によく使用される調味料の塩分が高いことにあります。
白いご飯に合うための味付けとして塩分の高い梅干しや佃煮などの漬物、魚の干物などが好まれ、塩分過多になりがちになると言われています。また味噌汁も健康的なメニューといわれますが調味料の味噌は塩分が高めです。

健康的な食事のためには、塩分の高いおかずや調味料の過剰摂取を控えるように注意しましょう。
塩分を控える味付けのコツは、「出汁」を効果的に活用することです。
出汁の「うま味」は「塩味」と相性がよいため、少ない塩分でもおいしく味付けが出来ます。
また「ごま」などで香りづけを行うことでも風味が増し、塩分が少なくてもおいしく味わうことができます。

和食が塩分が高い理由の詳細や減塩のコツの詳細は以下の2つの記事を参考にしましょう。
旨味と塩2つの相互作用及び旨味を利用した減塩料理の3つの方法
和食は塩分が高め!その理由と減塩のコツを徹底解説

3−2.カルシウムが不足しがち

 また和食ではカルシウムが不足しがちになると言われています。

 厚生労働省が公表している「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、成人1人1日当たりのカルシウム推奨量を男性で700mgから800mg、女性で650mgとしているのに対し、実態は平均500mg程度と不足しているといえます。

 カルシウム不足の理由としてカルシウムが多く含まれる食品が乳製品である牛乳やチーズ、ヨーグルトなどですが、伝統的な和食では使用されない食材、調味料です。和食に使用される食材でも小魚や緑黄色野菜に比較的多くカルシウムが含まれますが、その頻度や吸収効率から洋食に比べてカルシウム不足になりがちです。
 そこで煮干しを使用した佃煮や小松菜のおひたしなど、カルシウムが多く含まれる食材を積極的におかずに取り入れることでカルシウム不足を補いましょう。


4.まとめ

和食は一汁三菜という献立に、色々な食材を使用することで5大栄養素をバランスよくとることができます。
また和食では塩分過多やカルシウム不足になりがちですが、だしを活用して減塩の味付けをしたり、和食にも使われる小魚や小松菜といったカルシウムが豊富な食材を積極的に取り入れることで、さらに健康的な食事となります。
栄養バランスのよい一汁三菜が基本の和食で健康的な生活を送りましょう。

無料Ebookプレゼント

家庭でも実践できる!
うま味が凝縮された
美味しい和食料理を作るための全知識

ebook

「もっと美味しい和食を作りたいけど、
なかなかコツが掴めない」と
悩まれていませんか?

和食は繊細な味付けが肝となりますが、そのコツがわからないと悩まれる方は驚くほど多いものです。

特に日本人である以上は美味しい和食を当たり前のように作れるようになりたいと思いますよね。

本冊子では、かつお節の専門家として長く和食に携わってきた私たちが、全ての日本人に知っていただきたいと考える

  • うま味を7〜8倍に引き上げる食材の組み合わせ
  • 素材のうま味を最大限引き出すだしの取り方
  • 「花かつお」と「かつお厚削り」の取り入れ方の違い
  • 誰でも実践できる温かみある和食特有の味付けのコツ

など、美味しい和食を作るための全知識を35ページに渡ってわかりやすくまとめました。
ぜひ、本冊子の知識をもとに美味しい和食を作ってみてください!

コメント

うま味が凝縮された
美味しい和食料理を作るための全知識
うま味が凝縮された
美味しい和食料理を作るための全知識